[ DIGIDAY+ 限定記事 ]著名パブリッシャーのプロダクト担当幹部が集った、米DIGIDAY主催のイベント「パブリッシング・プロダクト・リーダーズ・リトリート(Publishing Product Leaders Retreat)」。その後、多くの出席者が業務上のとりわけ厄介な問題について、匿名を条件に、歯に衣着せず語ってくれた。
[ DIGIDAY+ 限定記事 ]プロダクトリーダーたる者、仕事を滞りなく進めるには、パブリッシャーの業務に関する全側面へ常に気を配っておかねばならない。さらには、組織内のステークホルダー各人が抱える問題をできる限り解決するべく、腐心する必要もある。
7月第4週に開催された米DIGIDAY主催のイベント「パブリッシング・プロダクト・リーダーズ・リトリート(Publishing Product Leaders Retreat)」。著名パブリッシャーのプロダクト担当幹部が集ったこのイベントのあと、多くの出席者が業務上のとりわけ厄介な問題について、匿名を条件に、歯に衣着せず共有してくれた。
本記事ではその内容をまとめる。いくつかの発言は要約してある。
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優秀な人材の確保
「技術系やデザイン系の優秀な人材の確保が、ますます難しくなっている。 テック会社との競争が激化しているからだ。あれこれと同時にこなすなか、リソースの確保と優先事項とのバランスなんて、取れるわけがない!」――マガジンパブリッシャー幹部
「イノベーション(革新)のためのスペース(時間的余裕)の創出。うちには、大手テック会社のような、豊富なリソースはないし、そういう意味では、小さな進歩やアドテクにすべての時間を費やすのは簡単だ。ただ、さらなる発展にはイノベーションが欠かせないし、それに向けて努力するための時間を見つけないとならない」――デジタルパブリッシャー幹部
戦略もクソもない
「最大の課題は、優先順位の付け方とその実行。アイデアが足りないわけじゃない――というかむしろ、良し悪しの差はあるが、頭に入れておくだけの価値があるアイデアはいくつも持っている。じゃあ何が大変かというと、社を維持するのに必要な仕事と、やりがいのある将来性の高いプロジェクトとのバランスを取り、その中間の仕事もすべて疎かにしないようにすること。でもまあ、それが仕事ってものだろ?」――レガシーメディア会社幹部
「うちは、大手が優先順位と目標を明確にするための手助け役なんだが、ソリューションに至るには、ステークホルダー全員を経由しないとならないわけで、それは当然、相当なでこぼこ道となる。うちの社内プロダクトチームは小さい。デザイナーが4人、エンジニアが6人。それで商業的ニーズと業務的ニーズにすべて応えないとならないから、高度な効率性が常に求められる。イノベーションは、なにかをほかに知られずに達成できる力にかかっている。ある程度の成功を内々で実証できてはじめて、投資に値するものとして、大きな組織に適用できるわけだから」――マガジンパブリッシャー幹部
広告は最悪
「ユーザーにしてみれば、広告は最悪だし、そういう広告体験をこちらで改善したいと思っても、常にできるとは限らない」――プロダクトリーダー、デジタルパブリッシャー
振り出しに戻る心構え
「間違いに備えておくこと。手に入るデータを使って仮説を立てるわけだが、テストの結果、その仮説が間違いだと証明されることもある。したがって、そういう間違いに備えておくと、いったん立ち止まり、より良いアプローチにフォーカスし直しやすくなる」――プロダクトマネジメントディレクター、マガジンパブリッシャー
社の基本的姿勢の見直し
「データをちゃんと見る習慣を導入すること、プロダクトのさまざまな部分の整合性を取ること、本気で成長を願うなら、現場がどんな人材を必要としているのか、CEOに気づかせること。うちのクライアントはみんな、たった2万ドル(約200万円)で、ターゲティングを一切せずに、1万回のPV(ページビュー)を求めてくる。プロダクトやユーザーエクスペリエンス、データについて話し合うのは、非常に難しい」――デジタルネイティブパブリッシャーの経営トップ
異なる収入源のベストな組み合わせ
「すべての情報源を効果的にオプティマイズするイールドソリューションの創出。うちは現在、テックソリューションをさらに進めていくことを考えているが、いまのところまだ、それらすべての収入方法を網羅する包括的イールドオプティマイゼーションは持っていない」――デジタルネイティブパブリッシャーのプロダクトディレクター
Max Willens(原文 / 訳:SI Japan)