Google依存からの脱却、独新聞社が断行したアドテク戦略:「考えられないことを考えろ」

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アクセル・シュプリンガー(Axel Springer)は、アドテクでGoogleへの依存を縮小するという目標に着手しており、進展をみせている。

2018年1月、ビジネスインサイダー(Business Insider)、ビルト(Bild)、その他の出版物を所有する、ドイツのデジタルメディア大手、アクセル・シュプリンガーは、(Googleを含め)さまざまなデマンドパートナーにプラグインが可能である、アップネクサス(AppNexus)を広告サーバーとして利用することを選択し、これまで使用していたGoogleのウォーターフォールベースのアドテクスタックからの移行を完了した。これは、2017年春にはじまった戦略だ。その結果、プログラマティック収益は前年同期比で10%増加し、eCPMは28%上昇した。同パブリッシャーは、プログラムで購入される広告からのデジタル広告収益の比率については明らかにしない。

Googleの技術からの独立

アクセル・シュプリンガーはこの収益増加を喜んでいるが、Googleのアドテク開発や課題を気にすることがなくなったことの全体的な利点、そしてプログラマティック入札プロセスの透明性を高めることにも目を向けている。新しい段取りでは、Googleにおけるデマンドからの恩恵は依然として受けつつも、同社のプログラマティック戦略に変化を取り入れたいときにもっとコントロールができるようになっている。現在、アクセル・シュプリンガーはGoogleの技術に依存しすぎていることを懸念している、ほかのパブリッシャーたちに、あとに続くよう奨励しようとしている。2週間前、アクセル・シュプリンガーは、ほかのヨーロッパのパブリッシャーたちが同様の手続きへの着手を促すために、これによって何が、どうして変わったのかのポイントを紹介するホワイトペーパーを発表した

「この戦略の目的は、Googleの技術からの独立性を高め、我々のメディアがどう機能しているのか完全に明らかにすることにある」と、アクセル・シュプリンガーのセールス・ハウス、メディアインパクト(Media Impact)のチーフ・デジタルオフィサー、カールステン・シュヴェッケ氏は述べる。「このホワイトペーパーで、ほかのパブリッシャーたちに、考えられないことを考えてもらいたいと思っている。つまり、Googleの技術を避けた自立したやり方があるということを」。

アクセル・シュプリンガーは、プログラマティック収益の増加は、すべてのインベントリにヘッダー入札を導入し、ファーストプライスオークションに移行したおかげだとしており、同社はその利用を増やしていこうとしている。この新しい段取りの最大の利点のひとつは、アクセル・シュプリンガーがログレベルのデータにアクセスできるようになり、どのバイヤーが入札しているのか、何に入札しているのか、いつ、どんなレートで入札しているのかなど、すべてのインプレッションに関連した膨大な量のデータを確認することが可能になったことだ。それによりインベントリとバイヤーの入札方法に関する重要な知識において透明性が大いに改善されている。

欧州パブリッシャーの心境

シュヴェッケ氏によると、EU一般データ保護規則(GDPR)が実施されるおかげで、デジタル広告取引をさらに管理していくという目標はより緊急性を帯びてきているということだ。GoogleのGDPRは、その共同データ管理者として自らの立場を位置づけている。それはヨーロッパ各地のパブリッシャーたちにそれなりの心痛をもたらした。

「ドイツのパブリッシャーはみな、GDPRにむけて共同管理者をめざすという3月23日のGoogleの声明に驚かされた。誰も事前に知らされていなかった。それは交渉の余地のないアプローチだ」と、シュヴェッケ氏はいう。「Googleは、パブリッシャーたちに、Googleのオプトインを受け入れないのであれば、パーソナライズド広告の配信を拒否する、もしくは停止するよう迫っている。Facebookに現在非難が集中しているが、Googleからは目が離せない。彼らは非常に賢明だ。オプトインに関した取り決めでありながらパーソナライズド広告のオプトインの前提条件として機能するGoogleの方針は、パブリッシャーたちが応じない場合、パブリッシャーにとって重要なオープンオークション収入を失う可能性があるという。これはデジタル広告市場における市場独占をはっきりと示す、警告サインのひとつだ」。

Googleは、パブリッシャーとそのユーザーの仲立ちをすることは意図していないと述べている。「既存のEU法で、Googleはパブリッシャーや広告主に、彼らのウェブサイトにおける我々の広告サービスの利用についてエンドユーザーからの同意を得ることを、すでに要求している。GDPRガイダンスに沿って、我々はパートナーたちに、自身のサイト上でGoogleのサービスを使用するための同意を得る方法を改良するよう求めている」と、Googleの広報担当者は語った。

Jessica Davies(原文 / 訳:Conyac