NYT の CEO、各プラットフォームに評価を下す:「Facebookは難しい」

ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)のCEOであるマーク・トンプソン氏は、カンヌでのスピーチで、各プラットフォームに対する評価を述べた。Googleは改善しつつあり、Twitterは活気がある、しかしFacebookは失敗しつつある、というものだ。

まずは良い側面から注目していきたい。Googleは良いアイデアを実行しつつある。パブリッシャーが持っていた懸念に耳を傾け、それに基づいたアクションを起こした。その結果、それまでのファーストクリック無料のポリシーを昨年10月に辞めている。サブスクリプション式パブリッシャーの記事でも、1日に3記事まではアクセスできるようにするというポリシーだった。いまではタイムズ社自身が数値を設定することができる。彼らの場合はGoogleの検索結果に出てくる記事に関しては、1週間に5つの記事までは無料で読めるようになっている。

「まだまだGoogleと話し合いたい項目はたくさん存在しているものの、(話し合いの)環境は本当にクリエイティブかつポジティブなものだ」と、彼は語った。

Twitterは厳しい評価も受けながらも「Twitterは刺激溢れる、面白いプラットフォームに再びなろうとしている」という言及をトンプソン氏から与えられた。

「Facebookは難しい」

しかし、Facebookに対しては、トンプソン氏の評価は非常に厳しいものだった。彼は以前にも述べていた点をカンヌでも再度言及している。「Facebookは非常に難しいと、我々は思っている」というのが、彼の評価だ。Facebookは有料広告サービスによって表示されたニュース記事に、政治的な広告や社会運動に関する広告と同様のラベル表示をすると決定した。これに対してトンプソン氏は不満を抱えている。

ファイナンシャル・タイムズ(The Financial Times)とニューヨーク・メディア(New York Media)は、これに対する懸念から、Facebook上での有料プロモーションの利用を停止している。政治的なコンテンツとしてラベルが貼られたアーカイブに、パブリッシャーたちの記事が存在することになる。これにはトンプソン氏も納得が行かないようだ。

「先週、レシピ記事に対する広告スペースがあった。ピスタチオ、ローズウォーター、セモリーナ・ケーキを使ったレシピだ。ナッツ類を含んでいたかもしれないが、政治的なコンテンツは一切含まれていない。それでもこの記事は(政治的コンテンツの)アーカイブにしっかりと分類されてしまった。Facebookのパートナーシップ担当の人々と何度も行っている会議は建設的ではあるものの、Googleと持てている話し合いとは種類が違っている」と、トンプソン氏は説明した。

「透明性が足りない」

彼のスピーチでは全体として、プラットフォームはそれぞれが持っている影響力に対応する説明責任をほとんど遂行できていないと、批判し続けた。

「根本的な問題は一般利用者たちに対して、どのようにチョイスが選ばれているのかについて透明性が足りていないことだ。常に変更、最適化を繰り返す、非常に複雑なアルゴリズムが活用されており、マーケティング業界もパブリッシャーたちも、一般社会も詳細な理解を持てていない。プラットフォームたちが語ることは聞こえの良いことばかりだが、物事がどのように起きているのか我々に正確に理解させてもらうか、もしくは法律を作るか、という時が来ていると感じている。それがプラットフォームから自主的に行われるべきか、規制としてかけられるべきか、どちらにせよだ」。

Jessica Davies(原文 / 訳:塚本 紺)