Facebookは、ニュースフィードの大々的な変更を計画しており、早ければ1月中旬にも着手するという。この動きに先立って、同プラットフォームから概要説明を受けた3社のパブリッシャーによると、ユーザーのコンテンツを明らかに優遇し、実質的にパブリッシャーのコンテンツの優先順位を下げることが狙いらしい。
終わりが近づいている。Facebookは、ニュースフィードの大々的な変更を計画しており、早ければ1月中旬にも着手するという。この動きに先立って、同プラットフォームから概要説明を受けた3社のパブリッシャーによると、ユーザーのコンテンツを明らかに優遇し、実質的にパブリッシャーのコンテンツの優先順位を下げることが狙いらしい。
概要説明を受けたパブリッシャーによると、新たなテストのなかで、複数のユーザーに共有されているコンテンツや、積極的にエンゲージされているコンテンツを優遇すると、Facebookにいわれたという。行動に影響してきたコンテンツを優遇すれば、ニュースフィードでフェイクニュースや攻撃的なコンテンツが発生するのを減らせるという、Facebookの確信に基づく発想らしい。
パブリッシャーはまだ、間近に迫ったニュースフィードの変更について多くの疑問を抱えている。Facebookは、評判のよいパブリッシャーのコンテンツも上位に表示されると述べたが、「評判のよいパブリッシャー」の定義や、トラフィックへの影響を明らかにはしていない。パブリッシャーにとっての懸念材料は、多くの正当なニュース記事は読んでもらえるかもしれないが、こういったコンテンツは共有やコメントが行われない傾向があるので、こうしたアプローチが質の高いコンテンツにダメージを与えるという、予期せぬ結果につながる可能性だ。
当初Facebookは、オンレコではこうした変更を認めたり否定したりしようとしなかったが、その後、ブログ投稿とニューヨーク・タイムズ(The New York Times)において計画を発表した。Facebookのニュース・パートナーシップ責任者のキャンベル・ブラウン氏は、1月12日(米時間)の午前中にパブリッシャー宛てに送った電子メールのなかで、この変更が「(どういった結果をもたらすのか)明確になるには時間がかかる」ことを認めた。
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加速するFacebook離れ
Facebookは以前から、こうした方向で措置を取っており、ユーザーのコンテンツを増強する一方で、スパムやクリックベイトを削除する微調整を行ってきた。だが、Facebookから概要説明を受けたパブリッシャーは、この最新の動きによって、ニュースフィードでオーディエンスにリーチするパブリッシャーの能力がさらに大幅に低下すると確信している。Facebookはパブリッシャーにとってかつてのような参照元ではないが、依然として参照トラフィックの主要な流入元である、Googleに抜かれたのも最近のことだ。
「次々と悪いニュースが流されている」。変更に関してFacebookから概要説明を受けたあるパブリッシャーはこう語り、ユーザーのコンテンツに関する変更と同時にFacebookは、オリジナルで制作する「Watch(ウォッチ)」向け番組も優先していると付け加えた。オリジナルのWatch番組は、TV広告支出の獲得を目指すなかで、Facebookの主要な動画プロジェクトとなっているという。「Facebook動画として我々がイメージするものから遠ざかろうとしている印象を受ける」。
Facebookから送られてくるトラフィックが減少しているため、パブリッシャーはFacebook離れして多様化を進め、GoogleやApple News、Twitterといったほかのプラットフォームでトラフィックを獲得しようとしてきた。ニュースフィードでの新たな格下げは、リソース面でのパブリッシャーのFacebook離れを加速する可能性がある。さらに、Facebookを後押しするもっとも有力なパブリッシャーのなかでも、募る不満を表明しているところがある。あるパブリッシャーは「希望を失いつつある」と述べている。
公的立場における矛盾
Facebookは2017年、米国以外の6カ国で、ニュース抜きのフィード「エクスプローラフィード(Explore Feed)」をテストし、パブリッシャーを怯えさせた。テストをさらに実施するつもりはないとFacebookが述べても、米国でそうした取り組みを再現するのではないかとの憶測が広がった。
創設者のマーク・ザッカーバーグCEOは、プラットフォームの誤用や乱用など、テクノロジーによって問題がもたらされて、憎悪に満ちたコンテンツや偽情報の蔓延を増幅し、米大統領選で有権者に影響を及ぼそうとする試みに利用されたと公に認めた。Facebookは、フェイクニュースを一掃する多くの措置を取ってきたが、これまでのところ、結果はまちまちだ。
ニュースフィードでのさらなる大幅な格下げは、パブリッシャーに必ずしも衝撃を与えないだろうが、パブリッシャーをどのようにサポートしていくかという点において、Facebookの公的立場と著しく矛盾する。パブリッシャーのビジネスモデルを支えるというのが、1年前に立ち上げた「Facebookジャーナリズムプロジェクト」で表明された目的だったはずだ。
Lucia Moses(原文 / 訳:ガリレオ)