2020年、パンデミックが拡大するなか、多くのパブリッシャーはシンプルな収益戦略に集中せざるを得なかった。DIGIDAY+の調査によると、ワクチンの普及と同時に各種ビジネスやサービス、イベントの再開がはじまっているなかで、少なくともアフィリエイトコマースをはじめて試すようなパブリッシャーが増えている。
2020年、パンデミックがもっとも過酷な状況を作り上げていた時期に、多くのパブリッシャーはシンプルな収益戦略に集中せざるを得なかった。DIGIDAY+の調査によると、ワクチンの普及と同時に各種ビジネスやサービス、イベントの再開がはじまっているなかで、少なくともアフィリエイトコマースをはじめて試すようなパブリッシャーが増えている。
米DIGIDAYは7月初旬、126人のパブリッシャーで勤務するプロフェッショナルを対象に、彼らの会社がどのように収益を上げているかを調査した。この調査では、収入源のリストが提示され、回答者にそれぞれの収入源からどれだけの収入があったかを示すよう求めた。回答は「我が社ではまったく収益を生んでいない」から「我が社の収益において極めて大きな部分を占めている」までの5段階評価だ。
回答者の60%以上が、売上の少なくとも一部をコマースが占めていると答えており、これはわずか6カ月前では回答者の約3分の1であった状況から増加している。これは、そのさらに6カ月前に記録されていた18%からの増加と比べると、ほぼ同じペースで伸びていることになる。
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米DIGIDAYが調査対象にこのような質問をするのは今回で3回目となる。前回は2021年の第1四半期、その前は2020年の第3四半期に同様の質問をした。
各サンプルの回答者が誰であるか、そして厳密な回答者数は第1回目と第2回目、そして今回で同じではないが、構成は似ている。いずれのサンプルでも、米DIGIDAYは、年間1000万ドル(約11億円)未満の収益を上げている出版社から少なくとも30件の回答、1000万ドルから5000万ドル(約55億円)の収益を上げている出版社から30件の回答、年間5000万ドル以上の収益を上げている出版社から30件の回答を得た。
それでも、コマースからの収入の大部分はまだ少ない。米DIGIDAYの最新調査によると、コマースから少なくともいくらかの収入を得ていると答えた回答者の半数以上が、それは彼らの収入の「ごく一部」であると述べた。この割合は6カ月前とほぼ同じだ。コマースで収入を得ているパブリッシャーのわずか21%、全体では13%が、少なくとも彼らの収入の「大部分」を占めていると回答した。
この13%という数字は、サブスクリプション(23%)やブランデッドコンテンツ(32%)などが収入の少なくとも「大部分」を占めていると答えた回答者の割合より、はるかに少ない。
今年の前半、パブリッシャーが成長させた新しい、あるいは増加中の収入源は多くなかった。そのひとつがコマースだ。パンデミック特有の状況が多くのデジタル消費者の行動を大きく加速させたが、パブリッシャーの収益多角化の取り組みにとっては理想的とは言えない影響を与えているようだ。
[原文:Digiday Research: Commerce is now a revenue stream for a majority of publishers]
MAX WILLENS(翻訳:塚本 紺、編集:長田真)