BuzzFeed の新サイト、プログラマティックに完全シフト:BuzzFeed Newsの非ネイティブ戦略

BuzzFeedはこれまで、広告の直接販売に依存する形からの脱却と多角化を図ってきた。それがもっとも如実にあらわれているのが同社の新しいウェブサイト、BuzzFeed Newsだろう。

BuzzFeedはベンチャーキャピタルの支援を受けているパブリッシャーで、収益の大半がネイティブアドによって占められている。そんななか、7月19日に同社が立ち上げた独立ニュースサイトであるBuzzFeed Newsにはネイティブアドが使われていない。BuzzFeed Newsにはオープンエクスチェンジで収益化されるディスプレイ広告がいくつか置かれているだけだ。また、ホームページのテイクオーバー広告の販売も予定しているが、現時点ではまだ売りに出されてはいない。

ほかの手段による収益

ほかのBuzzFeed系列のサイトと同様、BuzzFeed Newsのサイト上の広告は収益の一部に過ぎない。BuzzFeed Newsには、BuzzFeedの動画分野への野心が強くあらわれている。同サイトはFacebookからWatch(ウォッチ)で番組を放送するために資金供給を受けている。この「Profile(プロフィール)」という名前のシリーズ番組は、今年後半にNetflix(ネットフリックス)やオキシジェン(Oxygen)でも放送を開始する予定だ。だが道のりはまだまだ長い。BuzzFeedのCEO、ジョナ・ペレッティ氏によると、2018年の同社の収益のうち、広告以外によるものはたったの3分の1に過ぎない。

同社の広報担当は、「BuzzFeedNews.comを立ち上げたのは、当ブランドが行っている世界クラスの報道と遜色のない、独自かつ高級感を感じさせる外観のウェブサイトを作り上げるため」と記載しており、今後について「立ち上げの時点ではプログラマティック広告を入れているが、新たなパートナシップをぜひ探していきたい。BuzzFeed Newsのもたらしうる価値は莫大だ。テレビやSVOD(オンデマンドのストリーミング動画配信)をはじめ、その価値を引き出すためのチャンスも非常に多い」としている。

BuzzFeedはNewsのサイトを独立したブランドとして育てているが、プログラマティック広告のみで収益化を図るのは難しく、ほかの手段による収益が必要になるだろうと指摘するオブザーバーもいる。

プログラマティック広告の採用

BuzzFeedは昨年にメインのサイトに追加するまで、プログラマティック広告を避けてきた。同社のプログラマティック広告の広告インベントリは、自社のマーケットプレイスではなくオープンエクスチェンジによって売られている。だがプログラマティック広告をネイティブアドの補完として用いるという目標を達成するにはまだまだ道半ばだ。

プログラマティック広告の採用は、現実上仕方がないと考える向きもある。BuzzFeedのかつての強みだった、ブランデッドコンテンツの販売は、もはや長所ではなくなりつつある。カーゴ(Kargo)のCEO、ハリー・カーマン氏は「難点として、パブリッシャーが自社の社員に作らせたネイティブアドのフォーマットをワンオフで販売するのが、どんどん難しくなっている」と語る。

ニュースは収益化が難しい。BuzzFeedは、BuzzFeed Newsの閲覧数は毎月2億を超えるとしているが、それでもなお容易ではないだろう。ニュースに手を出さない広告主が多いのは、ニュースは面倒で繊細な問題を扱うことがあり、ブランドにとって「安全ではない」と考える企業が多いからだ。メディアエージェンシーのPHDでパブリッシャーメディア投資部長を務めるジョン・ワグナー氏は「どうやったらニュースを売れるかというのは大きな課題だ。いまやニュースを売るのは極めて難しい」と指摘している。

ブランディングに期待の声

BuzzFeedの特色である軽いコンテンツとは異なる側面をBuzzFeed Newsが明確に打ちだしていることに注目する買い手もいる。BuzzFeedが自社のコンテンツに適切ではないと考える広告主もいるからだ。

ドイチュ(Deutsch)でエグゼクティブバイスプレジデント兼メディアディレクターを務めるローレン・テトゥアン氏は、「BuzzFeed Newsは、明らかにBuzzFeedとはブランドとしての特色が異なる。もしこうしてブランドを分離せず、軽い内容の記事やクイズの横で本格的なジャーナリズムに基づく報道を行っていたら消費者も混乱しただろう」と指摘し、次のように述べた。「BuzzFeedの今回の動きは、同社がブランドにこうした本格的なジャーナリズムという一面を取り入れ、コンテンツを拡大するために真剣に取り組んでいる証左だ」。

Max Willens(原文 / 訳:SI Japan)