先日、Twitterが突然「X」にブランド名を変更したことは世界を驚かせた。しかし、Twitter(正確にはすでにX)のオーナーであるイーロン・マスク氏がとったこの急な行動に驚いたエージェンシーはほとんどなかった。
エスフォーキャピタル(S4Capital)のEVP兼ソーシャル責任者であるエイミー・ルカ氏は、「マスク氏のTwitter乗っ取りを追っていた人なら、誰でもこれを予想できただろう。彼はしばらく前からこのことを示唆していた」と語る。
ブランドへの影響は甚大か
この動きの理由についての憶測は、全面的に明白であるように見えた。7月上旬、メタのスレッズ(Threads)はマスク氏とTwitterから注目を奪ったが、マスク氏はその注目を自分自身と新しいブランドに再びねじ返したのだ。何十年にもわたるブランド資産の放棄というマスク氏の行動がもたらす予期せぬ結果は、もう誰にもわからない。
ルカ氏は、ブランドへの影響について、こう語る。
先日、Twitterが突然「X」にブランド名を変更したことは世界を驚かせた。しかし、Twitter(正確にはすでにX)のオーナーであるイーロン・マスク氏がとったこの急な行動に驚いたエージェンシーはほとんどなかった。
エスフォーキャピタル(S4Capital)のEVP兼ソーシャル責任者であるエイミー・ルカ氏は、「マスク氏のTwitter乗っ取りを追っていた人なら、誰でもこれを予想できただろう。彼はしばらく前からこのことを示唆していた」と語る。
ブランドへの影響は甚大か
この動きの理由についての憶測は、全面的に明白であるように見えた。7月上旬、メタのスレッズ(Threads)はマスク氏とTwitterから注目を奪ったが、マスク氏はその注目を自分自身と新しいブランドに再びねじ返したのだ。何十年にもわたるブランド資産の放棄というマスク氏の行動がもたらす予期せぬ結果は、もう誰にもわからない。
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「このロゴを使用しているすべての中小企業のことを考えてみてほしい。実際にブランドを大幅に、そして短期間で変更することによるコストの影響は、莫大な波及効果をもたらす」と、ルカ氏はDIGIDAYに語った。「これはそれほど単純ではない。マスク氏がTwitterのWebサイトやアプリでロゴを変更したからといって、どこでも自動的に更新されるわけではないのだ。したがって、明らかにブランドへの大きな影響があると思う」。
マスク氏がツイッター社を買収して以来、エージェンシーやマーケティングの世界に怪我人がいることは確かで、そのなかにはTwitter社の動きの一部に深い不満を示したインフルエンサー社のCEO、ベン・ジェフリーズ氏も含まれる。「Twitterのブランド変更は、沈没船を救うマスク氏の最後の試みだが、上手くいかないだろう。何をしようが、名前を変えようが役に立たない」と同氏は語った。
リブランディングはリスクが高すぎたようにも見える
事態を見守る一部の人にとって、これはマスク氏とマーク・ザッカーバーグ氏のあいだにあるエゴの戦いの発火点のようにも見える。
「Twitterのリブランディング決定におけるリスクと利益のバランスは、後者ではなく前者に大きく傾いている」とインフルエンサーエージェンシーであるビリオンダラーボーイ(Billion Dollar Boy)の最高経営責任者(CEO)、エド・イースト氏は述べた。同氏は、マスク氏が自身の所有下で行った決断のうち、「凍結アカウントの復活やコンテンツモデレーションポリシーの緩和などは、リブランディングによって影響があるかもしれない」と指摘した。
一方で別のあるアナリストは、「メタのような洗練された(同じように嫌われているとしても)メディアマシーンと対戦する場合には、メディアという大きな枠組みに当てはめることはそれほど重要ではない」と指摘する。また、フォレスター(Forrester)のCMOであるケルシー・チッカリング氏は、「Twitterがメディアプランの脚注以上の役割を果たしたことは一度もない。なぜなら、ターゲティングとパーソナライゼーションは初期段階にあり、広告主は低ファネルの広告で優れたパフォーマンスを発揮していないからだ」と話す。
すべてをやり直す能力を与えられた2人
しかしながら、マスク氏のまだ曖昧なビジョンに誰もが失敗を見ているわけではない。WPP傘下のデザインブリッジアンドパートナーズ(Design Bridge and Partners)のチーフクリエイティブオフィサーであるロス・クラグストン氏は、リブランディングによってマスク氏とCEOのリンダ・ヤッカリーノ氏にすべてをやり直す能力が与えられると信じている稀有な幹部のひとりだ。
「マスク氏がTwitterを現状維持するために買収したわけではないことは、常に明白だ」とクラグストン氏は語った。「彼の買収やビジネスを見てみると、それらには常に明確でひたむきな目的がある。従来のTwitterは決してそうではなかった。政治的なものやそのほかのあらゆる重荷から離れることも理にかなっている。マスク氏の賭けは通常、メディアの想定に反していつつも高度に計算されたものだ」。
[原文:X marks the spot, but what does that spot signify, ask media agency execs]
Krystal Scanlon(翻訳・編集:島田涼平)
Illustration by Ivy Liu