Snapchat 広告の「価格下落」、歓喜するバイヤーたち:「とにかく、めちゃくちゃ安い」

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Snapchat(スナップチャット)を模したストーリー(Stories)機能は、インスタグラム(Instagram)ユーザーの間で人気だ。いまではストーリー機能を使うユーザー数は、Snapchatの2倍となっている。インスタグラムストーリーにおける広告レートがストーリーの人気と共に急上昇しているのと同時に、Snapchatの広告価格が下落していることにメディアバイヤーたちは気付いている。

「特に素晴らしいのは非常に、極めて、とてつもなく安いCPMだ。Snapchatは1.88ドル(約208円)に対してFacebookは14ドルから17ドル(約1550円から1880円)、そしてインスタグラムでは19ドル(約2110円)となっている」と語ったのは、ソーシャルアウトライアー(Social Outlier)の広告ディレクターであるデーヴィッド・ハーマン氏だ。「まだ完璧ではないが、1.2%のコンバージョン率を1.88ドルのCPMで得られるのは非常に素晴らしい」。

安すぎるCPM

ヴェイナーメディア(VaynerMedia)のペイドメディア部門バイスプレジデントであるジョン・モーゲンスターン氏によると、ここ数カ月でインスタグラムの価格が急上昇し、特にストーリーにおける支出が上がっていることを、彼のエージェンシーは経験しているという。

「インスタグラムストーリーのCPMは、スナップ(Snap)と比較対象にようやくなれる、というレベルからインスタグラムのコアフィードのレベルになった。これはスナップにとっては良い知らせだ。価格的により効果が高いというアプローチをとることができる」と、モーゲンスターン氏は言う。

少し前であれば、スナップのバーティカル(タテ型)のみのフォーマットをクリエイティブたちは嫌っていた。ターゲティングが無いこともバイヤーたちの不満のタネだった。Z世代にアピールしたいブランドはたくさん存在するものの、Snapchatの抱えるオーディエンスは広告をスキップする傾向にあった。しかし、最近では堅実な投資利益率を見せている。

「いま、CPMがあまりにも安いので、もし何かが『上手くいかなかった』としても、とりあえず出してしまえる」と、下着ブランドのサードラブ(ThirdLove)でデジタルマーケティング・アソシエイトマネージャーを務めるアントニア・ルーベル氏は言う。

身の危険からユーザーを守るためのセーフティアプリ、ヌーンライト(Noonlight)の顧客インサイトマネージャーであるブルックス・ラコムテ氏によると、インストールごとのコストのレートが安いとのことだ。インプレッションごとのコストにフォーカスしたキャンペーンに関しては、まだ高いとも付け加えた。

測定の面でも有利

安値だけでなく、スナップは新しい測定ツールを導入して広告主たちにアピールしている。スナップはピクセル(Pixel)にもアクセスを拡大し、コンバージョン向けのピクセル対応のターゲティング、ウェブとアプリ内におけるセールス向けのコンバージョン上昇のための分析、そしてセルフサービスのために広告支出からのリターン報告、を追加したと先月発表した。

「(Snapchatの)ふたつの最大の改善点は、ターゲティングと測定だ。依然であれば、ただ表示されるだけだった、評価するための尺度も限られており、同じメッセージで同じユーザーに何度もリーチしてしまうということが起きていた」と、4Cインサイツ(4C Insights)の最高マーケティング責任者であるアーロン・ゴールドマン氏は言う。

メディアバイヤーたちの視点からは、ターゲティングという点でここ数カ月間、SnapchatはFacebookより勝っているという。一般データ保護規則(GDPR)、そしてケンブリッジ・アナリティカ事件と続き、Facebookはデータロジック(DataLogic)やアクシオム(Acxiom)といったサードパーティデータ企業たちに対するパートナーカテゴリープログラムにおけるネイティブサポートを取り除いた。一方でSnapchatはサポートを継続している。

「Facebookのプロセスにおける摩擦は増えている。そのことは、Snapchatにとって有利だ」と、モーゲンスターン氏は言う。

測定という点に関して言うと、ルーベル氏のサードラブはコンバージョントラッキングツールであるスナップピクセルがリリースされるまでのあいだ、Snapchat上での支出を一時停止していたという。そしてサードラブはスナップピクセルのベータ版パートナーとなった。それ以降、スナップチャットの顧客獲得単価は、Facebookとインスタグラムの50%程度になっているという。

「かなり感心している」

Snapchatはまた、広告プラットフォームをより直感的に使えるようにデザイン変更をしたとメディアバイヤーたちは言う。そして、前四半期には95%のスナップ広告(ストーリ広告含む)がプログラマティック経由だと報告している。リーチとフリクエンシーに関するツールを試験的に導入し、メディアバイイングをさらに改善しようともしている。

「スナップの広告プロダクトの現状には実際、かなり感心している。ARレンズスタジオ、測定、ビューアビリティ、ブランドセーフティに関する早期からの取り組みなどだ。広告プロダクトも非常に使いやすい。そうじゃない、と言う人は馬鹿だ」と、大手グローバルエージェンシーのアカウントディレクターのひとりが言った。

しかし、安い広告レートがすべてではない。Snapchatの比較的小さいユーザーベースは、ほかのプラットフォームのようなスケールができないことを意味している。サム・デジタル(Sum Digital)のCEOであるテリー・ウォーレン氏が例に出したひとつのクライアントのケースでは、Snapchatには1日2000ドル(約22万円)ほど使い、Facebookとインスタグラムは3万ドルから5万ドル(約330万円から550万円)を費やすという。

「顧客獲得単価を比べると言っても、それは同じ種類のものを比べているわけではない。2〜3年前のピンタレスト(Pinterest)と似ている。我々はピンタレストに非常に深く取り組んだ、しかし、いまとなってはインターフェースの改善が行われないため、一銭もピンタレストには使っていない」と、ウォーレン氏は言った。

模倣されることを期待?

Snapchatのオリジナルバーティカル動画広告の価格は下がったかもしれないが、プラットフォーム自体はより高価なAR広告を作るようにマーケターたちにプッシュしている。スタンダード・メディア・インデックス(Standard Media Index)によると、2018年5月におけるSnapchatの広告収益の67%はスナップ広告から来ており、15%がレンズから来ている。

4Cインサイトのゴールドマン氏は、7月6日の段階ではFacebookがもっとSnapchatの機能をコピーすることを期待していると語った。特にAR広告だ。それによってあらゆるプラットフォームにおける在庫を増やすことができ、また広告フォーマットを使う上でもさらに効率的になることができるからだ。そしてFacebookは実際まさにそれを実行したのだ。7月10日にFacebookが発表したのはニュースフィードにおけるAR広告だ。ローンチ時点ではアメリカのユーザーに限定されており、ショッピングにフォーカスするという。

「スナップ広告の初期にはこういったクリエイティブを誰も持ち合わせてなかったが、それと似ている。投資を行い、自分たちで作っていかないといけない。クールで、新しく、没入型となっている、それでいて価値があるものにしなければいけない。(スナップ社CEOの)エヴァン・スピーゲルが望んでいることではないだろうけど、ほかにももっとコピーして欲しい」と、ゴールドマン氏は語った。

Kerry Flynn(原文 / 訳:塚本 紺)