GDPR の影響で、オーディエンス追跡に苦労するマーケター:データ規模を縮小するGoogleとFacebook

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GDPRの施行に向けたGoogleやFacebookの動きは、広告のターゲティングをそのふたつのプラットフォームに頼っていたマーケターの頭痛のタネとなっている。

複数のマーケターによると、現在、彼ら自身のデータ管理プラットフォーム(DMP)内において、ターゲティングの効果を複数のプラットフォーム間で包括的に計測するのが困難な状況だという。なかにはサードパーティの計測会社に任せることを余儀なくされたものや、GoogleやFacebook内で厳しく管理されたデータを統合するのを諦めざるを得なくなったものもいる。いまや、Google上での広告でリーチできた人物に、Facebook上でもリーチできているかどうかを知ることができなくなっている。

デュオポリーの動き

2018年5月25日のGDPRの施行開始に備え、Googleは事前にデータ共有に関するポリシーを変更した。これまでのGoogleの「ダブルクリックID(DoubleClick ID)」では、バイヤーはGoogleのダブルクリック・キャンペーン・マネジャー(DoubleClick Campaign Manager)を通じて、Googleの広告商品から得たダブルクリックのインプレッションに関する情報を彼ら自身のDMPに移すことができた。だが、Googleは2018年4月以降、バイヤーがダブルクリックIDを使ってデータを書き出すことを禁止したのだ。

Facebookも、プライバシー保護の必要性を盾に同じような動きを見せている。結果として、GoogleのダブルクリックIDなど別のプラットフォームではFacebookのビュータグ(view tags)を活用することができなくなった。すでにマーケターのなかには、彼ら自身のDMPの内部でFacebookへの広告投資の効果として計測できるのはクリック数だけで、ビュー数を計測することはできないというものもいる。

このポリシー変更によって、マーケターもエージェンシーも、Googleのプラットフォーム上での広告のリーチがFacebook上でトラッキングできなくなった(その逆もしかり)だけでなく、打ち出した広告を見たのが新規顧客なのか、それともほかのプラットフォームですでに同じ広告を見た顧客なのかを判別するのも難しくなった。

さらに高くなる壁

プラットフォームからの報復を恐れて匿名を希望したあるエージェンシーの幹部は、「この変革は、マーケターとエージェンシーの双方で問題となっている」と語る。「これはある意味、当然のことだ。『壁に囲まれた庭(ウォールドガーデン)』で広告主を囲い込もうとするプラットフォームは、その壁をさらに高くしようとしているが、これは利ざやを増やし、GDPRからも逃れることができるためだ。だがこれは、あらゆるブランドにとって目標達成感を強めることにもなる。カスタマーのビューやジャーニーを知ること、およびマーケティング効果の総合的な分析が難しくなってきている」。

R/GAでストラテジーディレクターを務めるブランドン・ソリス氏によると、ダブルクリックIDとFacebookのビュータグをマーケター自身のDMP内で活用できたのは効率的だったという。「ある程度はインプレッションを保証できることがわかっていた」と、ソリス氏は語る。「これはオーディエンスを共有できていたからこそだ。あるプラットフォームでトラッキングができなかったとしても、どこか別の場所で見つけることができた。現在は、それができる保証はどこにもない」。

対応にあたり、サードパーティの計測会社を採用するマーケターが増えている。ある国際的企業のマーケター(匿名希望)によると、彼ら自身のDMPを通じた運営が難しくなったため、あらゆるプラットフォームでの広告購入のターゲティングにあたっては、Amazonとニールセン(Nielsen)と協働することにしたという。

「大手2社の戦争」

先述のエージェンシーの幹部によると、GDPRは「壁に囲まれた庭」をさらに強化し、「1社のテック系大企業vsその他大勢」という構図を招いてしまっただけだという。現在、マーケターが正確な計測を行うためには、それぞれのプラットフォームすべてに対して別々にキャンペーンを展開するか、またはひとつのプラットフォームにすべての力を注ぐ必要があるとソリス氏は語る。

「これはデータやデータ計測の競争が激化し、プラットフォームも権利を主張するのが難しくなっていることの表れだ」と、別のエージェンシー幹部(匿名希望)は語る。「これは、FacebookとGoogle間の戦争だ」。

「GDPR 入門ガイド」は、こちらから。

Ilyse Liffreing(原文 / 訳:Conyac