「看板ネコ」で差別化、食料品のネット通販サービスの狙い

食料雑貨店に猫というのは、ニューヨークの住人におなじみの光景だ。今回、食料品デリバリーサービスのインスタカート(Instacart)が、その猫の自社版を作った。

インスタカートは、インスタキャット(Instacat)というGoogle Chromeの新しい拡張機能を6月21日に公開。デスクトップのインスタカートで買い物をしていると猫のアニメーションがあたりを跳び回るというものだ。インスタカートはエージェンシーのMSCHFと開発したこの楽しい拡張機能によって、ほかの食料品デリバリーより優位に立ちたいと考えている。

インスタカートでデジタルマーケティングの責任者を務めるギヨーム・マッキンタイヤ氏は、「近所の食料雑貨店に猫が住み着いていることがよくあること、そして、みんな本当に猫が好きなことから、人々をつなぐ面白い方法だということで、インスタキャットで行くことにした」と、語った。

口コミの力に再投資

インスタカートは、もっと人々を呼び込みたいとして、インスタキャットを採りあげた広告の購入をソーシャルで進めている。いまのところ、このインスタキャットは一時的な提供になる予定だ。

「いまは、このキャンペーンをおよそ2~3週間推し進めたうえで、どうなっているか、どれくらい効果があるかを読み取るという計画になっている」と、マッキンタイヤ氏は話す。

インスタカートのインスタキャット

インスタカートのインスタキャット

この拡張機能は、広告への大きな投資というより、口コミが力になったインスタカートの初期の成長を思い出させる。インスタカートは、2017年4月のマッキンタイヤ氏の入社で正式なマーケティングチームを手に入れた。現在、インスタカートのマーケティング資金は、大半がFacebook、Google、プログラマティックに投じられている。

インスタカートに入ってくるトラフィックでいちばん多いのはGoogleからのものだとマッキンタイヤ氏はいう。同社の消費者調査によると、これは口コミのほか、コストコ(Costco)やセイフウェイ(Safeway)といったパートナーストアでのサイネージによるもののようだ。

覇権争いを制すため

2012年設立のインスタカートが競争している相手は、Amazon Fresh(アマゾン・フレッシュ)やホールフーズ(Whole Foods)を擁するAmazonのようなテック大手、ブルー・エプロン(Blue Apron)やハローフレッシュ(HelloFresh)といった食材デリバリーのスタートアップ、そして従来型の食料雑貨店だ。2018年末までに、米国とカナダで9000万世帯に配達を提供できるようにする計画でいる。インスタカートは、セコイア(Sequoia)やアンドリーセン(Andreessen)などのベンチャーキャピタルから10億ドル(約1100億円)以上の資金を提供されている。

「我々の業界はほぼ1兆ドル(約110兆円)産業という業界だ」と、マッキンタイヤ氏は語る。「食料品の買い物はけっこうな期間、あまりイノベーションがなかった。食料品の買い物がオンライン化の運命にあることはみんなわかっている。わかっていないのは、どこが長期的なリーダーになっていくのかだ」。

Kerry Flynn (原文 / 訳:ガリレオ)