フォロワー詐欺 改善に取り組む、インフルエンサー企業たち

インフルエンサーマーケティング詐欺が注目されるなか、インフルエンサーマーケティングのソフトウェア企業は、詐欺行為検出機能にますます力を入れている。一部のベンダーは自社のシステムをその目的に合わせて再設計しているほどだ。

ボストンを拠点とするインフルエンサーマーケティング会社、マーベリック(Mavrck)は、フォロワーやエンゲージメントの購入に基づく詐欺行為のリスクを高、中、低の3段階でインフルエンサーを定義する新しいシステムを7月にリリースした。アルゴリズムを使用して、投稿に対するいいね!やコメントをつけるフォロワーやアカウントについて、統計的に有意義なサンプルを評価している。

「1年前に我々はベンチマークを設けた。それは『これは必要不可欠なものであり、そのベンチマーク以上または以下であれば、不正が疑われる』といったものだ。我々の顧客は、フォロワー購入の有無を問わず、それを単純明快なものにすることを望んでいた」と、マーベリックの共同設立者兼CEOであるライル・スティーブンス氏は述べた。

マーケターの意識変化

詐欺行為を検出して防止する試みは、いまにはじまったものではないが、技術が向上し、マーケターがそれを意識するようになるにつれて、変化がでてきている。偽フォロワーを売る企業に関する1月のニューヨーク・タイムズ(The New York Times)の特集報道今年のカンヌ・ライオンズ期間中に発せられたユニリーバ(Unilever)CMOのキース・ウィード氏のコメントにより、この問題が再び注目されたと、ベンダーらはいう。最近、Twitterなどのプラットフォームは、プラットフォームからボットを排除するために多くの努力をしており、エージェンシーのなかにはインフルエンサーキャンペーンに対する料金請求方法を変更しているところもある。

「スタートアップが声を大にして叫んでも、たくさんのブランドを持つCMOと同じように注目されたりはしない。キースのような人物がそれについて声をあげることは意義がある」と、タイムズ紙の報道にデータを提供したインフルエンサーマーケティング会社キャプティブエイト(Captiv8)の共同設立者、クリシュナ・スブラマニアン氏は語る。

詐欺行為の防止については、ブランド各社もその必要性について声をあげている。

「プレミアムブランドとして、我々のチョコレートに対してどのようなイメージが持たれているのか常に意識している。我々のブランドを代表するインフルエンサーたちには、一番信頼できて、魅力的で、フォロワーとの真のつながりを持つ人物であることを望む」と、マーベリックを利用し、新しい検出システムのベータテストを行っている、リンツチョコレートUSA(Lindt Chocolate USA)のアソシエイト・コミュニケーションマネージャー、マリー・バックリン氏は述べた。

インフルエンサーの価値

エージェンシーとブランドでは、詐欺行為に対する許容レベルが異なる。だからこそ、キャプティブエイトは、そのシステムが示すスコアのカスタマイズをクライアントに認めていると、スブラマニアン氏は述べる。マーベリックは、ブランドのなかには実際のエンゲージメントではなく、イメージの質に焦点を当てているという理由もあり、詐欺行為に関係するインフルエンサーを単純にそのシステムから締め出すことはしていない。

「インフルエンサーマーケティングは、オーディエンスがいるからこそのインフルエンサーだという考え方に、依然としてとりつかれている。これは歴史的に見て正しいことだが、彼らが生み出す資産は、彼らのオーディエンスとは別の価値もある。高品質な画像を作成して、それを別の目的に再利用し、売上に影響を与えることができる」と、スティーブンス氏はいう。

詐欺行為防止のための技術的ソリューションは構築が難しく、完璧なものはできない。マーベリック、そしてもう一つのインフルエンサーマーケティング会社、イゼア(Izea)のアルゴリズムは、詐欺行為の規模を判断するためにインフルエンサーのフォロワーのサンプリングに依存している。

プラットフォームの対応

「フォロワーの一人ひとりを無条件に確認することは可能かもしれないが、そのための費用はすぐに管理できなくなる。最終的に残ったのはFacebook、Twitter、Googleからのデータのサブセットだ。我々は固有の悪条件のなかに置かれている。というのも、そうした企業がそのすべてを我々に提供することはないからだ」と、イゼアのエンジニアリング・バイスプレジデント、クリス・ステイメイト氏は述べた。

プラットフォーム自身が詐欺行為との戦いに苦労していることからも、その問題の大きさは明らかだとステイメイト氏はいう。Facebook、Twitter、Googleはそれぞれ偽アカウントを停止し、スパムの広がりを防ぐためのアップデートを行っていると報告しているが、根本的な解決には至っていない。

「我々のパートナーを見て欲しい。彼らができないのに、高い精度でそれを我々がやり遂げることを期待できるだろうか? 彼らには我々よりもはるかに豊かなデータが揃っているのに」と、ステイメイト氏は述べる。

標準化に必要なこと

この問題に新たに目が向けられたのにもかかわらず、インフルエンサーマーケティングの標準化は依然としてほとんど手がつけられていない。キャプティブエイトのスブラマニアン氏は、ディスプレイ広告マーケティング業界はダブルベリファイ(DoubleVerify)社やモート(Moat)を利用しているが、インフルエンサーマーケティングプラットフォームは独自の基準を選択しているという。

「我々は、詐欺行為リスクが高い個人の公開データベースを作成する話をしているが、標準化に向けて同業者たちと協力することが望ましい」と、スティーブンス氏は語った。

Kerry Flynn(原文 / 訳:Conyac)