2023年も後半に突入し、サードパーティCookieの「終わりの始まり」がいよいよ近づいてきた。しかし、とくにブランドに所属するマーケターは、Cookie終了後の世界における広告のターゲティングと測定について、我々が思うほどには心配していない。
DIGIDAYリサーチが、ブランドまたはエージェンシーに勤務する関係者88人を対象に行った調査で、そうした結果が明らかになった。同調査によると、ブランドはサードパーティCookieなしで広告のターゲティングと測定を行う能力にまだ懸念を抱いているものの、この1年でその懸念は大きく後退している。
2022年第2四半期には、ブランド関係者のほぼ4分の3(71%)が、Cookieなしでは自社の広告ターゲティング能力に不安があると回答していたものの、今回の調査では、その割合が半数(50%)に低下している。ブランド関係者に限ってみると、その割合は2022年第2四半期の84%から、2023年第2四半期には3分の2弱(65%)に低下している。
多くのブランドが自社ビジネスには影響しないと考える
事実、広告ターゲティングおよび測定能力に関して、Cookieの終了を懸念材料と捉えないブランド関係者が大幅に増えている。Cookie終了後の広告測定能力に不安があるかとの問いに、「そうは思わない」と答えたブランドの割合は、昨年の13%から今年は22%に増加している。
データをさらに詳しく見ると、もっとも大きく変化したのは、Cookieなしでのターゲティングおよび測定に不安があるかとの問いに、「ややそう思う」と答えたブランド関係者の割合だ。2022年第2四半期の調査では、ブランド関係者の半数以上(55%)が、サードパーティCookieなしでの広告ターゲティング能力に「やや不安がある」と答えていたが、2023年第2四半期には、その割合が3分の1強(38%)に低下した。また、Cookieなしでの広告測定能力に「やや不安がある」と答えたブランドの割合は、昨年の3分の2近く(65%)から今年はちょうど半数に低下した。
そのため、DIGIDAYの調査で、サードパーティCookieの終了が自社ビジネスに打撃を与えると考えるブランド関係者の割合も同じく昨年から大幅に減っていたことは驚きではない。2022年第2四半期には、半数強のブランド(52%)が、Cookieの終了によってビジネスが打撃を受けると考えていた。しかし今年は、同じ回答の割合が3分の1以下(31%)にとどまった。また、今年の調査で、Cookieの終了がビジネスに打撃を与えるかとの問いに、「強くそう思う」と答えたブランド回答者は1人もいなかった(昨年は10%が「強くそう思う」と答えていた)。
一方で、Cookieの終了がビジネスに打撃を与えるかとの問いに、「ややそう思う」と答えたブランド関係者の割合も、昨年の42%から今年は31%に低下した。さらに、「ややそう思わない」と答えた人の割合は、昨年の16%から今年は25%に上昇した。
2023年も後半に突入し、サードパーティCookieの「終わりの始まり」がいよいよ近づいてきた。しかし、とくにブランドに所属するマーケターは、Cookie終了後の世界における広告のターゲティングと測定について、我々が思うほどには心配していない。
DIGIDAYリサーチが、ブランドまたはエージェンシーに勤務する関係者88人を対象に行った調査で、そうした結果が明らかになった。同調査によると、ブランドはサードパーティCookieなしで広告のターゲティングと測定を行う能力にまだ懸念を抱いているものの、この1年でその懸念は大きく後退している。
2022年第2四半期には、ブランド関係者のほぼ4分の3(71%)が、Cookieなしでは自社の広告ターゲティング能力に不安があると回答していたものの、今回の調査では、その割合が半数(50%)に低下している。ブランド関係者に限ってみると、その割合は2022年第2四半期の84%から、2023年第2四半期には3分の2弱(65%)に低下している。
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多くのブランドが自社ビジネスには影響しないと考える
事実、広告ターゲティングおよび測定能力に関して、Cookieの終了を懸念材料と捉えないブランド関係者が大幅に増えている。Cookie終了後の広告測定能力に不安があるかとの問いに、「そうは思わない」と答えたブランドの割合は、昨年の13%から今年は22%に増加している。
データをさらに詳しく見ると、もっとも大きく変化したのは、Cookieなしでのターゲティングおよび測定に不安があるかとの問いに、「ややそう思う」と答えたブランド関係者の割合だ。2022年第2四半期の調査では、ブランド関係者の半数以上(55%)が、サードパーティCookieなしでの広告ターゲティング能力に「やや不安がある」と答えていたが、2023年第2四半期には、その割合が3分の1強(38%)に低下した。また、Cookieなしでの広告測定能力に「やや不安がある」と答えたブランドの割合は、昨年の3分の2近く(65%)から今年はちょうど半数に低下した。
そのため、DIGIDAYの調査で、サードパーティCookieの終了が自社ビジネスに打撃を与えると考えるブランド関係者の割合も同じく昨年から大幅に減っていたことは驚きではない。2022年第2四半期には、半数強のブランド(52%)が、Cookieの終了によってビジネスが打撃を受けると考えていた。しかし今年は、同じ回答の割合が3分の1以下(31%)にとどまった。また、今年の調査で、Cookieの終了がビジネスに打撃を与えるかとの問いに、「強くそう思う」と答えたブランド回答者は1人もいなかった(昨年は10%が「強くそう思う」と答えていた)。
一方で、Cookieの終了がビジネスに打撃を与えるかとの問いに、「ややそう思う」と答えたブランド関係者の割合も、昨年の42%から今年は31%に低下した。さらに、「ややそう思わない」と答えた人の割合は、昨年の16%から今年は25%に上昇した。
次に、エージェンシー側を見ていこう。DIGIDAYの調査では、全体的にエージェンシーの関係者は、Cookieの終了が自社の広告ターゲティングおよび測定能力に及ぼす影響に懸念を抱いているが、やはり1年前ほどではないとの結果が出た。
今年の第2四半期には、半数以上(57%)のエージェンシー関係者が、サードパーティCookieなしでの広告ターゲティング能力に「不安がある」と回答し、また3分の2以上(68%)がCookie終了後の広告測定能力に「不安がある」と回答している。昨年の第2四半期には、53%が広告ターゲティング能力に「不安がある」と答え、また68%が測定能力に「不安がある」と答えており、広告のターゲティングと測定に関するエージェンシーの懸念は大筋では変わっていない。
しかし、データを掘り下げてみると、エージェンシーのターゲティングと測定に関する懸念は、昨年と今年で大きく異なっている。今年の調査で、広告ターゲティングおよび測定能力に不安があるかとの問いに、「強くそう思う」と答えたエージェンシー関係者は昨年より増えたのに対し、「ややそう思う」と答えた割合は低下している。
たとえば、昨年の第2四半期の調査では、エージェンシー関係者の8%が、サードパーティCookieなしでの広告ターゲティング能力に不安があるかとの問いに「強くそう思う」と答えていたが、今年の第2四半期には、その割合が14%に跳ね上がっている。また、Cookieなしでの広告測定能力に不安があるかとの問いに、「強くそう思う」と答えたエージェンシー関係者の割合は、昨年第2四半期の16%から、今年の第2四半期には4分の1(25%)に上昇した。一方、測定能力に不安があることに、「ややそう思う」と答えたエージェンシーの割合は、昨年の半数以上(52%)から今年は43%に低下している。
一見、数字上では懸念の声が大きいが、それでも今年の調査において、エージェンシーはサードパーティCookieの終了が自社ビジネスに打撃を与えるとの懸念を、昨年ほどには抱いていないことが明らかになった。
というのも、実際のところエージェンシーは、Cookieの終了がビジネスに打撃を与えるかどうかよくわからないようだ。今年の第2四半期に、サードパーティCookieの終了がビジネスに打撃を与えると回答したエージェンシー関係者の割合は4分の1強(27%)と、昨年の3分の1強(34%)から低下している。同時に、Cookieの終了がビジネスに打撃を与えるかとの問いに、「どちらともいえない」と答えたエージェンシーの割合は、2022年第2四半期の27%から2023年第2四半期には34%に上昇している。
[原文:Digiday+ Research: Brands express a lot less worry tied to the end of the third-party cookie]
Julia Tabisz(翻訳:高橋朋子/ガリレオ、編集:島田涼平)