世界最大のラム酒ブランド、バカルディはインスタグラムストーリーにおけるユーザー参加と、IGTVとの融合を図る。同社は自ら出資したミュージックビデオ(MV)をIGTVに投稿。ただし、その監督を務めるのはユーザーであり、動画の展開はインスタグラムストーリー内での投票によって決まる。
インスタグラム(Instagram)がYouTubeに似た長尺動画サービス、IGTVを立ち上げた。すると1週間もたたないうちに、ファストフードチェーンのチポトレ(Chipotle)、Netflix(ネットフリックス)、ナイキ(Nike)、ネット直販ブランドのエバーレーン(Everlane)など、さまざまな企業がオリジナル動画や工夫を凝らしたインスタグラムストーリー(Stories)を使い、これを試しはじめた。
一方、世界最大のラム酒ブランド、バカルディは独自のひねりを加え、インスタグラムストーリーにおけるユーザー参加とIGTVとの融合を図る意向だ。同社は近く、自ら出資したミュージックビデオ(MV)をIGTVに投稿する。ただし、その監督を務めるのはユーザーであり、動画の展開はインスタグラムストーリー内での投票によって決まる。
IGTVにかける期待
このMVに出演するのは、レ・ツインズ(Les Twins)。インスタグラムアカウントである @OfficialLesTwins に97万人のフォロワーを有する、パリ発の双子ダンスユニットだ。MVの原型は、6月29日東部標準時午後1時に配信されており、振り付け、照明、カメラアングル、さらには尺など、各構成要素について、フォロワーに投票を促している。すべては得票数で決まるため、レ・ツインズがダンスを披露する舞台は、ニューヨークシティの地下鉄からコニーアイランドまで、広範囲にわたる可能性があり、尺も優に1時間を越えることが考えられる。投票結果はレ・ツインズの次のインスタグラムストーリーに組み込まれる予定で、最終バージョンはその翌日の正午、バカルディおよびレ・ツインズのIGTVチャンネルにアップされる。
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このインタラクティブな手法を採ったのは、バカルディ社のクリエイティブエクセレンス・ディレクター、ライラ・ミグノニ氏。目的は同社が新設したIGTVチャンネルに注目を集めることにあり、すでに多くのフォロワーを有しているという理由から、インフルエンサーの起用を決めた。同社はIGTVのロングフォーマットに大いなる創造的可能性とレスポンス増の高い潜在力を見ている。
「多くのソーシャルプラットフォームの場合、あまりにも短いクリップでしかコミュニケーションできない」と、ミグノニ氏は語る。「そしてそれは、往々にしてフラストレーションとなる。尺の制限のせいでストーリーの伝え方まで制限するプラットフォームには、本当にがっかりさせられる。弊社にはショートとロングの両フォーマットが要る。両方あれば、さまざまな思いや気持ちを物語の形で伝えることができる」。
多角的にプロモーション
バカルディがエージェンシーBBDOと協力して行なうこの試みは、同社の1年にわたるキャンペーン、ドゥ・ホワット・ムーヴズ・ユー(Do What Moves You)の一環だ。これは消費者に豊かな表現生活を勧めるキャンペーンで、同社はこれを自らスポンサーを務める音楽祭や5月に立ち上げたデジタル広告「ダンスフロア(Dance Floor)」でサポートするとともに、ソーシャルチャンネルやSpotify(スポティファイ)、SoundCloud(サウンドクラウド)といった音楽ストリーミングサイト、 『フェイダー(Fader)』や『ステレオガム(Stereogum)』などの音楽誌/サイトでプロモーションを行なっていく。
Ilyse Liffreing(原文 / 訳:SI Japan)