洗濯・洗面・掃除用品を提供するアーム・アンド・ハマー・ランドリーは、ホリデーシーズンを家族と過ごしている消費者たちにリーチするため、TikTokを利用している。この1年間、同ブランドはTikTokにおけるオーガニックな存在感を高めるための取り組みを続けてきた。
洗濯・洗面・掃除用品を提供するアーム・アンド・ハマー・ランドリー(Arm & Hammer Laundry)は、ホリデーシーズンを家族と過ごしている消費者たちにリーチするため、TikTokを利用している。
この1年間、同ブランドはTikTokにおけるオーガニックな存在感を高めるための取り組みを続けており、今年のホリデーシーズンの取り組みもその戦略の継続である。
「消費者はTikTokで多くの時間を過ごしている」
TikTokインフルエンサーである、クイーンシティトレンズ(Queencitytrends:150万人のフォロワーを持つ旅行・ライフスタイルのインフルエンサー)、スナックバンディッツ(Snackbandits:160万人のフォロワーを持つフードクリエイター)、Nycゲイダッド(Nycgaydad:42万3000人のフォロワーを持つTikTokコンテンツクリエイター)と共にコンテンツを作成することで、同プラットフォーム上で注目を集めることを目指している。また、子を持つ父親であり、俳優であり、プロのシェフでもあるデーヴィッド・バークタとのコラボレーションも予定している。
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アーム・アンド・ハマー・ランドリーのアソシエイト・マーケティングディレクターであるシ・チェン氏によると、同社はブランドの価値観に合致するようなファミリー関連のコンテンツを制作しており、それに基づいてインフルエンサーを選んだという。TikTokに注力したのは、消費者がインスタグラムやTwitterよりも多くの時間を同プラットフォームで過ごしているからだ。
「ターゲットとする消費者(Z世代やミレニアル世代の親)の多くがTikTokを利用していることを知っており、今後も存在感を高めていきたいと考えている」とチェン氏は述べた。TikTokの人気は継続して上昇しているため、アーム・アンド・ハマーはTikTok向けのコンテンツ制作に集中したいと思っている、と付け加えた。
ホリデーシーズンにいかにブランド認知を高めるか
アーム・アンド・ハマー・ランドリーのほかにも、ロウズ(Lowe’s)やオーシャン・スプレー(Ocean Spray)など、ホリデーシーズンにブランドの認知度を高めようとTikTokを強化しているブランドは多数存在する。アーム・アンド・ハマーがインフルエンサーたち、そしてバートカとかわした契約の金銭的な内容はブランド側からは公表されなかった。
北米では、年末の休暇中に家族と一緒に行う大掛かりなホリデー料理で、台所が散らかってしまうことは珍しくない。同社のTikTok動画では、インフルエンサーたちが視聴者である子持ちのミレニアル世代やZ世代に、この散らかりやドタバタにストレスを抱えてしまうのではなく、受け入れてしまうことを促している。また、バートカの動画では、休日をストレスなく楽しく過ごすためのコツを紹介する。
チェン氏は全体的な予算の詳細を明らかにしなかったため、同社の広告予算のどれだけがこのキャンペーンに割り当てられているかは不明である。パスマティックス(Pathmatics)のデータによると、同社は2022年にこれまでに19万7000ドル(約2700万円)強を広告に費やしている。
「動画がエンゲージメント向上につながる」
同社によるTikTokにおける取り組みは、良い成果をもたらすかもしれない。TikTokの分析ツール「アラリサ(Alalisa)」によると、アーム・アンド・ハマー・ランドリーは2月から10月にかけて同プラットフォーム上の洗濯用品ブランドの中で最もTikTokの再生回数が多く(3140万回)、同カテゴリーのブランドの中でもっともエンゲージメントが高かった。
アスパイア(Aspire)のマーケティング戦略シニアディレクターであるマグダ・フーアラ氏は動画が視聴者の参加を促し、アーム・アンド・ハマーのエンゲージメントの向上につながると信じていると述べた。「私たちはソーシャルメディアで製品デモを見ることに慣れてしまっているが、(同社が)製品の力をユーモラスかつ楽しく表現しているのはとても新鮮に感じられる」と述べた。
[原文:Arm & Hammer enlists TikTok influencers to help millennials, Gen Z with holiday laundry]
Julian Cannon(翻訳:塚本 紺、編集:分島翔平)