臨床スキンケアブランドのスキンシューティカルズは、同社のスキンラボの店舗を増やして、臨床スキンケアの販売アプローチを拡張している。スキンシューティカルズがスキンラボのロケーション数を迅速に増やしている背景には、専門的で臨床的なスキンケアカテゴリー内での競争の激化がある
この記事は、DIGIDAY[日本版]のバーティカルサイト、ビューティ、ファッション業界の未来を探るメディア「Glossy+」の記事です。
臨床スキンケアブランドのスキンシューティカルズ(SkinCeuticals)は、同社のスキンラボ(SkinLab)の店舗を増やして、臨床スキンケアの販売アプローチを拡張している。
スキンシューティカルズの販売ロケーションの拡張
スキンシューティカルズは、2月、スキンシューティカルズ・スキンラボというフェイシャルのクリニックとストアを兼ねたハイブリッド型の2店舗をニューヨーク市とマイアミにオープンした。スキンラボを開始したのは2020年だが、スキンシューティカルズはサウスカロライナ州チャールストンやテキサス州ヒューストンなどを含む10ロケーションを抱える。ニューヨーク市とマイアミは2022年にオープンする最初のもので、今年はさらに5カ所がオープンする予定である。
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スキンシューティカルズにはすでにスペシャリティ小売店が130軒と、医師の診療所とのディスプレイ中心のパートナーシップがある。このパートナーシップはこの5年ほど展開しているものだ。
スキンラボは独立型小売とサービスにおいて、このコンセプトをさらに発展させている。スキンシューティカルズのグローバルGM、ステファニー・クレイマー氏によると、同社にとってこれは長期的な顧客獲得戦略として機能し、顧客の生涯価値を高めることになるという。同氏は、診療所の売り上げがブランドの売り上げの何パーセントを占めるかについては触れなかったが、6000カ所の診療所での販売物流は同社の「コア」であり、また、スキンラボは重要な収益ドライバーになることが期待されていると述べている。
「広範な調査によって、人々の外出状況にあった、信頼性と専門家へのアクセスもある最新の環境が消費者にとっては重要性が高いことが判明した」とクレイマー氏。「パートナーである医師が所有し経営している、小売業にフォーカスしたトラフィックの高い場所のおかげで、医師らはスキンケアを好む人々の新しい基盤とつながることができ、またそのような客は忠実であるとともに生涯の顧客になる可能性がある」。
臨床スキンケア分野の競争激化
スキンシューティカルズがスキンラボのロケーション数を迅速に増やしている背景には、専門的で臨床的なスキンケアカテゴリー内での競争の激化がある。ダーマロジカ(Dermalogica)は、2021年7月、最新の製品を紹介するためのVRコンポーネントを追加してeコマースを強化している。2月にはイメージ・スキンケア(Image Skincare)も同じことを行った。一方、ガルデルマ(Galderma)は2021年10月に臨床ブランド、アラスティンスキンケア(Alastin Skincare)を買収したが、これは、アレガン(Allergan)を所有しているアッヴィ(AbbVie)のスキンメディカ(Skinmedica)と競合するためだった。2021年11月には、オバジ(Obagi)が、SPAC(特別買収目的会社)のウォルデンキャスト・アクイジション・コープ(Waldencast Acquisition Corp.)に買収されている。ウォルデンキャストは、ミルクメイクアップ(Milk Makeup)を買収し、ホィンド(Whind)を所有している。また、スキンメディカとアラスティンスキンケアの共同創業者のひとりであるスコット・グレン氏は、2月にアワーセルフ(Ourself)という名の新しい「副局所的」スキンケアブランドのローンチを支援しているが、同ブランドの流通についてはまだ未定である。
1カ所で多種サービスが受けられるスキンラボ
スキンラボは、ハイドロフェイシャル、マイクロニードル、LED療法のほかにも、パートナー医師による治療として神経修飾物質、フィラー、レーザー治療などの注射サービスを受ける機会を顧客に提供している。
「スキンラボのおかげで、スキンシューティカルズはほかのテクノロジーを利用してすでに確立されているものを補完することができる」と述べているのはマリサ・ガーシック医師だ。同医師はニューヨークを拠点とするMDCS皮膚科グループに所属する皮膚科医である。MDCSグループが販売しているブランドにはスキンシューティカルズ製品も含まれている。「LED療法を使うとケミカルピーリング製品の効果を少し高めることができる。また、ハイドロフェイシャルをマイクロピールと組み合わせて使うと効果が強化できる。全体的にスキンラボはスキンケアに対して効率化のアプローチを取り、患者のためのワンストップショップになろうと努めている」。
クリーンでオーガニックなブランドを支持する傾向は長年存在していたが、臨床製品は2020年以来消費者の間で人気を取り戻しつつある。クレイマー氏によると、スキンラボのターゲット消費者は若く、「アクセス性、利便性、パーソナライゼーションを重視」しているというが、特定の年齢層は共有してくれなかった。
「スキンシューティカルズのスキンラボが満たすのは、外出することが多く、エステに初めてトライする消費者の需要であり、そのような消費者は犠牲を払わずにすむ利便性を求めている」とクレイマー氏は述べた。
[原文:SkinCeuticals SkinLab openings add to competition among clinical skin-care companies]
EMMA SANDLER(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)