パンドラ(Pandora)は大きな成長を目論んでいる。
8月15日、デンマークを拠点とする創業40年のジュエラーであるパンドラが、ラボグロウンダイヤモンドの新コレクションをローンチ、オーストラリアやラテンアメリカを含む新市場へと進出する。さらに同社がスポンサーとなっているコペンハーゲン・ファッションウィーク(8月7日から11日に開催)の最中に、ドラマ『エミリー、パリへ行く(Emily in Paris)』のスター、アシュリー・パーク氏をアンバサダーに起用すると発表した。8月末には、ラボグロウンダイヤモンド・コレクションのアンバサダーとして、さらに大物を紹介する予定だ。
8月15日の決算説明会で発表される予定だが、今回のラボグロウンダイヤモンドは3つの新しいコレクションで展開する。プリンセスカットの石と独自の4本爪セッティングが特徴のパンドラノヴァ(Pandora Nova)、クラシックなスタイルを再解釈したパンドラエラ(Pandora Era)、そしてブランドのブレスレットチャームジュエリーにインスパイアされた5つのペンダントデザインのパンドラタリスマン(Pandora Talisman)だ。 これらは8月29日にパンドラのeコマースサイトで発売され、8月31日からは米国、カナダ、英国、オーストラリアの700店以上のパンドラの店舗に拡大する。10月末までに、メキシコとブラジルでも一部のコレクションが発売され、これらの市場では2024年第1四半期に全コレクションが販売される予定だ。コレクションの価格は290ドル(約4万2170円)からとなっている。
幅広いデザインの高品質ダイヤモンドを手に届く価格で
「1年前、当社は初めて、それまで価格を理由に入手することが叶わなかったファンに高品質のダイヤモンドという夢を提供することができた。その最初の取り組みに欠けていたのは幅の広さだった。当時私たちはリリースしたのは、インフィニティ(Infinity)というリングのデザインひとつだけだった」と、パンドラの北米プレジデント、ルチアーノ・ローデンブッシュ氏は語った。
パンドラ(Pandora)は大きな成長を目論んでいる。
8月15日、デンマークを拠点とする創業40年のジュエラーであるパンドラが、ラボグロウンダイヤモンドの新コレクションをローンチ、オーストラリアやラテンアメリカを含む新市場へと進出する。さらに同社がスポンサーとなっているコペンハーゲン・ファッションウィーク(8月7日から11日に開催)の最中に、ドラマ『エミリー、パリへ行く(Emily in Paris)』のスター、アシュリー・パーク氏をアンバサダーに起用すると発表した。8月末には、ラボグロウンダイヤモンド・コレクションのアンバサダーとして、さらに大物を紹介する予定だ。
8月15日の決算説明会で発表される予定だが、今回のラボグロウンダイヤモンドは3つの新しいコレクションで展開する。プリンセスカットの石と独自の4本爪セッティングが特徴のパンドラノヴァ(Pandora Nova)、クラシックなスタイルを再解釈したパンドラエラ(Pandora Era)、そしてブランドのブレスレットチャームジュエリーにインスパイアされた5つのペンダントデザインのパンドラタリスマン(Pandora Talisman)だ。 これらは8月29日にパンドラのeコマースサイトで発売され、8月31日からは米国、カナダ、英国、オーストラリアの700店以上のパンドラの店舗に拡大する。10月末までに、メキシコとブラジルでも一部のコレクションが発売され、これらの市場では2024年第1四半期に全コレクションが販売される予定だ。コレクションの価格は290ドル(約4万2170円)からとなっている。
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幅広いデザインの高品質ダイヤモンドを手に届く価格で
「1年前、当社は初めて、それまで価格を理由に入手することが叶わなかったファンに高品質のダイヤモンドという夢を提供することができた。その最初の取り組みに欠けていたのは幅の広さだった。当時私たちはリリースしたのは、インフィニティ(Infinity)というリングのデザインひとつだけだった」と、パンドラの北米プレジデント、ルチアーノ・ローデンブッシュ氏は語った。
パンドラはダイヤモンドが占める売上のパーセンテージについては公表を避けた。同ブランドはダイヤモンド・ジュエリーのほかに、さまざまな素材のネックレス、ブレスレット、チャーム、リングを販売している。
新コレクションはいずれもエクセレントグレードのカットと、無色に近いVS+クラリティのラボグロウンダイヤモンド(内包物が非常に少ないという意味)を特徴とする。重さは0.15カラットから1カラットで、リサイクル14カラットのホワイトゴールド、14カラットのイエローゴールド、またはスターリングシルバーにセットされている。 8月29日には、文化的アイコンの人物を起用した店外・店内キャンペーンとソーシャルメディアキャンペーンで消費者に向けて紹介する。
天然ダイヤからサステナブルなラボグロウンダイヤへ
「ラボグロウンダイヤモンドは、ダイヤモンド市場でまだ大きな割合を占めているわけではないが、もっとも急速に成長している」とローデンブッシュ氏は言う。リサーチアンドマーケッツ(Research and Markets)によると、2022年のラボグロウンダイヤモンドの世界市場規模は224.5億ドル(約3.3兆円)であり、2028年には世界のダイヤモンド市場の10%を占める373.2億ドル(約5.4兆円)に成長すると予測されている。パンドラは、ダイヤモンドのサプライチェーンと強制労働をめぐる問題の中でサステナビリティの目標に取り組むと同時に、2021年には天然ダイヤモンドの廃止を開始した。
パンドラのラボグロウンダイヤモンドは、2022年8月の発売以来、100%再生可能エネルギーで育成、カット、研磨されている。また、セッティングには厳密にリサイクル金属を使用している。ブランドは2025年までに、リサイクルされた金と銀のみを使用することを目指しており、現在はヨーロッパの貴金属精錬業者2社から供給を受けている。ブランドによれば、パンドラのラボグロウンダイヤモンドのカーボンフットプリントは、同じサイズの採掘されたダイヤモンドよりも約95%低いという。
3月、パンドラはサステナビリティに連動した債券を投資家に発行し、目標を達成できなければ投資家への支払い額が増えるというリスクを冒した。このプログラムは、温室効果ガス排出削減やリサイクルされた銀と金の調達など、パンドラのサステナビリティパフォーマンスを中心にしている。
サステナビリティ&コミュニケーション・バイスプレジデントのマリッサ・サレツキー氏は、「循環の観点から、金属を地面から直接引き抜くのではなく再利用することで、炭素への影響はずっと少なくなる」と語る。「1カラットのダイヤモンドリングをリサイクルゴールドにセッティングした場合、その製品の二酸化炭素排出量はジーンズ1本分に相当する」。
これまでのダイヤモンドの常識を覆す試み
パンドラは、オーストラリア、メキシコ、ブラジルの買い物客にラボグロウンダイヤモンドを紹介すると同時に、北米の全店舗でも販売を開始する。最初のコレクションは、英国、米国、カナダで販売されたが、一部の店舗に限られていた。
「ダイヤモンドの常識を覆す、非常に強力なキャンペーンを展開する」とローデンブッシュ氏は語った。「長年にわたってこの業界は、(一定の金額を)費やす必要があるという、あまりにも多くのルールを作り上げてきた。私たちはそれを信じていない。誰もが自分のダイヤモンドを所有する資格があり、実際に所有できるのだ」。
1940年代、ダイヤモンドブランドのデビアス(DeBeers)は、広告代理店のN.W.エイヤー(N.W. Ayer)と提携し、いまでは有名な「ダイヤモンドは永遠の輝き(A Diamond Is Forever)」というスローガンを打ち出した。この広告では、婚約指輪の値段は給料の1~2カ月分であるべきだと述べていた。デビアスの1980年代の広告では、「給料の2カ月分など、永遠に続くものに払う値段としては安くないか?」などと書かれていた。
ほかのダイヤモンド会社も、市場が過熱し、ラボグロウンダイヤモンドという選択肢に対する顧客の態度が変化していくにつれて、ラボグロウンダイヤモンドコレクションをローンチしている。ブリリアントアース(Brilliant Earth)は2012年に、そしてミズーリ州に拠点を置くヘルツバーグダイヤモンドは2017年に、それぞれラボグロウンダイヤモンドを販売している。ブルーナイル(Blue Nile)とブライ(Vrai)も現在では同様のことを行っている。
全米で好調のパンドラ
パンドラは2022年に米国で約40店舗を新規オープンし、今年もさらに40店舗をオープンする予定だ。「全米で非常によい結果が出ている」とローデンブッシュ氏は語った。同ブランドは8月15日に発表した第2四半期決算で、今年2度目のガイダンスの上方修正を行った。同社は第2四半期中に5%の有機的成長を報告し、6月30日までの3カ月間で58.9億デンマーク・クローネ(約1250億円)の売上があり、今年上半期の収益は117億5000万デンマーク・クローネ (約2493億円) となった。インフレと金利上昇の中、個人消費の落ち込みが伝えられている。
「当社は特に西海岸、そしてとりわけカリフォルニアで拡大している。また、新しいコンセプトの店舗や新コレクションを導入した店舗の改装も行っており、5000人の店舗従業員に対する追加研修も行っている」。その中には、ダイヤモンドの4C(カラット、カット、カラー、クラリティ)に関するトレーニングも含まれている。
「もっとも一般的な買い物客は労働者階級だ。だが、当社が店舗とソーシャルリスニングから学んだのは、買い物客の予算はその時々に応じて変化するということだ」とローデンブッシュ氏は言う。「バレンタインデーのプレゼントは、母の日やそのほかの大きな節目となる日のギフトとは予算が異なる。だから当社では30ドル(約4360円)から5000ドル(約72万7000円)のアイテムを販売している」。
今後1年で、パンドラはコラボレーション商品を発表し、ダイヤモンドコレクションをさらに拡大するほか、初めて真珠を発売する。また、店頭とオンラインで提供する新しい刻印サービスも数カ月以内に発表する予定である。
[原文:Pandora expands lab-grown diamond business and international footprint]
ZOFIA ZWIEGLINSKA(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)