英国のシューズ・アクセサリーブランド、カート ガイガー(Kurt Geiger)は、同国では70を超える独立店舗を持ち、ノードストローム(Nordstrom)、ブルーミングデールズ(Bloomingdale’s)、ハロッズ(Harrods)をはじめとする100店のデパートで取り扱われている。社歴60年のカート ガイガーは、6月に1億9000万ドル(約269億円)の追加資金を確保した後、現在、4〜6軒の新規店舗からスタートして、小売チャネルにおける成功を米国でも実現することを目指している。
米国での小売拡大計画
ショーディッチバッグ(Shoreditch)バッグや虹色のケンジントン(Kensington)バッグで有名なカート ガイガーの最大の市場は北米だ。ブランドのファンにはジェニファー・ロペス氏やレベル・ウィルソン氏がいる。英国ではバッグが売上の50%を占めているが、米国ではその割合は80%を超えている。また、米国でのeコマースの売上高は英国のオンラインビジネスの3倍である。
カート ガイガーは、6月20日、英国ウェルズ・ファーゴ・キャピタル・ファイナンス(Wells Fargo Capital Finance U.K.)と英国拠点の民間信用ファンドのブレイズヒルキャピタル(Blazehill Capital)から総額1億9100万ドル(1億5000万ポンド、約271億円)の新資金を確保した。現在、カート ガイガーには2024年2月から米国のフロリダ、テキサス、カリフォルニア、ニューヨークに4店舗をオープンする計画がある。
英国のシューズ・アクセサリーブランド、カート ガイガー(Kurt Geiger)は、同国では70を超える独立店舗を持ち、ノードストローム(Nordstrom)、ブルーミングデールズ(Bloomingdale’s)、ハロッズ(Harrods)をはじめとする100店のデパートで取り扱われている。社歴60年のカート ガイガーは、6月に1億9000万ドル(約269億円)の追加資金を確保した後、現在、4〜6軒の新規店舗からスタートして、小売チャネルにおける成功を米国でも実現することを目指している。
米国での小売拡大計画
ショーディッチバッグ(Shoreditch)バッグや虹色のケンジントン(Kensington)バッグで有名なカート ガイガーの最大の市場は北米だ。ブランドのファンにはジェニファー・ロペス氏やレベル・ウィルソン氏がいる。英国ではバッグが売上の50%を占めているが、米国ではその割合は80%を超えている。また、米国でのeコマースの売上高は英国のオンラインビジネスの3倍である。
カート ガイガーは、6月20日、英国ウェルズ・ファーゴ・キャピタル・ファイナンス(Wells Fargo Capital Finance U.K.)と英国拠点の民間信用ファンドのブレイズヒルキャピタル(Blazehill Capital)から総額1億9100万ドル(1億5000万ポンド、約271億円)の新資金を確保した。現在、カート ガイガーには2024年2月から米国のフロリダ、テキサス、カリフォルニア、ニューヨークに4店舗をオープンする計画がある。
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2019年以来、カート ガイガーの米国での年間収益は2倍になっている。2023年の市場での売上高は百貨店パートナーと自社eコマースを通じて2億ドル(約284億円)を超えると予想されている。ノードストローム、ディラーズ(Dillard’s)、ブルーミングデールズで取り扱われおり、バッグ価格は200〜300ドル(約2.8〜4.3万円)。2015年12月、ロンドン拠点のプライベートエクイティ会社、シンベン(Cinven)は、当時の所有者であるニューヨーク拠点のプライベートエクイティ会社シカモアパートナーズ(Sycamore Partners)からカート ガイガーを2億4500万ポンド(約81億円)で買収した。
米国でのこれまでの紆余曲折
カート ガイガーの最高経営責任者(CEO)ニール・クリフォード氏は次のように述べている。「卸売パートナーからは(当社が自社)店舗を持っていたら素晴らしいのにと言われている。当社の成功は主に製品のデザインとその独自性、価格帯によるものであり、ブランド認知度ではない。その結果、卸売業者からは自社店舗を展開するように促されているので、2024年に米国での小売プレゼンスを持つために多額の資本を投入する予定だ」。
カート ガイガーは以前、2013年に4店舗をオープンして米国で自社による小売を試みたことがある。ブランド認知度の低さと店舗運営による経済的影響により全店舗が閉店された。また、小売パートナーからも撤退した。2018年には再び卸売に戻り、それに続いて2021年以降は自社ブランド店舗の復活を検討してきた。
「米国人はショッピングモールが大好きで、(その経営も)とてもうまい」とクリフォード氏は語った。モールは客足と顧客の利便性を考慮して選ばれた。カート ガイガーは、英国では、ロンドン、ストラットフォードにあるウェストフィールドモールのようなショッピングセンターの複数に店舗を抱えている。
また、現在、南米とメキシコに店舗をオープンする予定があり、年末までにこの地域に合計3店舗が開店するという。
米国の拡大戦略の中核はビジネス戦略と流通の構築である。これは、2017年にマイケル・コース(Michael Kors)からインターナショナルディレクターとしてカート ガイガーに加わったスティーブン・スーザ氏が担当している。
スーザ氏が同社にもたらす価値について、クリフォード氏は「当社には北米で成功を収めるための理論や野心、エネルギーはすべてすでにあったが、取扱説明書や米国市場での経験は持っていなかった」と語っている。
クリフォード氏によると、カート ガイガーは今後5年間で北米に20~30店舗をオープンする可能性があり、店舗のロケーションはeコマースで需要が見られている地域に対応するという。「これらの店舗を持つことによって、当社のブランドコミュニケーションが強化される」。
コラボ注力とカテゴリー拡大
マーケティング戦略の一環として、これまでのコラボレーションが北米で人気を博したことから、米国向けの製品コラボレーションにも取り組んでいる。6月にはファッションデザイナーからインテリアデザイナーに転身したマシュー・ウィリアムソン氏とのコラボレーションをローンチ。そのバッグやシューズ、アクセサリーは3週間で完売した。
2021年以降、カート ガイガーはジュエリー、衣服、家庭用品などのカテゴリーにも参入している。今年後半にはメンズカテゴリーにも拡大する予定があり、元ジミー チュウ(Jimmy Choo)のメンズデザイン責任者であるサミュエル・ダヴォワンヌ氏がこれを率いる。
米国でのフルファネルマーケティングアプローチには、有料広告やソーシャルメディアが含まれる。
人材育成のためのアカデミー
同社は、10月から同ブランドとチャリティーアンバサダーを通じて小売ビジネスプログラム、ビジネス・バイ・デザイン・アカデミー(Business by Design Academy)のマーケティングも展開する。カート ガイガーは、社内人材を採用するために、2024年春に最初の受講生を受け入れるこのアカデミーを利用する予定だ。この授業プログラムでは、将来の受講生がカート ガイガー提供のライブコースやオンラインコースを受講できるようになる。
「我々は、学校を卒業していない若者や、クリエイティブ産業の底辺からスタートするにも人脈がない若者のために教育の全体的なポートフォリオを運営する」とクリフォード氏は述べている。このアカデミーは、カート ガイガーの60周年を記念して、第1期に60人の若者を受け入れる予定だ。受講生はブランド幹部との面接によって選ばれ、60人全員が英国に拠点を置くことになる。
「小売業は自分が何をしたいのかを見極める前に働く場所であり、そこで重要なスキルが学べる」とクリフォード氏。
そしてこう付け加えた。「私が実際目指しているのは、将来、新入社員が皆このアカデミーを卒業して入社してくることだ」。
[原文:Kurt Geiger is putting ‘a lot of capital’ into retail as it expands to the US]
ZOFIA ZWIEGLINSKA(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)