1月、元フットボール選手トム・ブレイディ氏のアスレチックウェアブランド、ブレイディ(Brady)の共同創業者であるイェンス・グレーデ氏は、同ブランドはナイキ(Nike)やアディダス(Adidas)といった大手企業に挑戦する可能性を秘めていると語っていた。
だが、それから8カ月を経たいま、ブレイディは新作のリリースのペースを落とし、ソーシャルメディアでのプロモーションもほぼ中断しており、ブランドとしては鳴りを潜めている。インスタグラムでは、8月31日にフィードに投稿されたサイト全体での40%オフセール以外、8月中は一度も投稿をしておらず、その投稿も翌日に削除された。X(旧Twitter)には5月以降、TikTokには6月以降、投稿をしていない。
春に同ブランドが毎週4、5回は投稿していたインスタグラムでもペースダウンしている。また、グレーデ氏とセレブリティが共同で創業したふたつのほかのブランド、スキムス(Skims)やグッドアメリカン(Good American)が日に何度も投稿しているのにくらべても頻度が少ない。顧客へのEメールもスローダウンしている。4月には毎日顧客にメールを送っていたが、6月初頭からはプロモーションメールの頻度が落ちた。8月に送信された顧客向けメールはわずか6通で、そのうち5通はサイト全体の40%オフセールを宣伝するものだった。7月に送られたメールでは13通のうち5通が、6月は7通のうち4通が同じような状態だった。
1月、元フットボール選手トム・ブレイディ氏のアスレチックウェアブランド、ブレイディ(Brady)の共同創業者であるイェンス・グレーデ氏は、同ブランドはナイキ(Nike)やアディダス(Adidas)といった大手企業に挑戦する可能性を秘めていると語っていた。
だが、それから8カ月を経たいま、ブレイディは新作のリリースのペースを落とし、ソーシャルメディアでのプロモーションもほぼ中断しており、ブランドとしては鳴りを潜めている。インスタグラムでは、8月31日にフィードに投稿されたサイト全体での40%オフセール以外、8月中は一度も投稿をしておらず、その投稿も翌日に削除された。X(旧Twitter)には5月以降、TikTokには6月以降、投稿をしていない。
春に同ブランドが毎週4、5回は投稿していたインスタグラムでもペースダウンしている。また、グレーデ氏とセレブリティが共同で創業したふたつのほかのブランド、スキムス(Skims)やグッドアメリカン(Good American)が日に何度も投稿しているのにくらべても頻度が少ない。顧客へのEメールもスローダウンしている。4月には毎日顧客にメールを送っていたが、6月初頭からはプロモーションメールの頻度が落ちた。8月に送信された顧客向けメールはわずか6通で、そのうち5通はサイト全体の40%オフセールを宣伝するものだった。7月に送られたメールでは13通のうち5通が、6月は7通のうち4通が同じような状態だった。
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アクティブウェアは非常に競争の激しいカテゴリー
スキムスの評価額は40億ドル(約5898億円)、グッドアメリカンの昨年の売上は2億ドル(約295億円)だが、ブランドのブレイディは過去に売上額の共有を拒否している。
ブレイディ氏自身は、6月にインスタグラムでF1に関する投稿に@bradybrandのタグを無造作に付けて以来、ブランドに関する投稿は行っていない。彼が最後にブランドの実際のキャンペーンを投稿したのは5月だった。リンクトイン(LinkedIn)の調査によると、6月以降、少なくとも3人の元ブレイディの社員がスキムスに異動している。
ブレイディの担当者にコメントを求めたところ、同ブランドには9月1日にミシガン大学とともに立ち上げた新しいコレクションがあり、さらなるコレクションを準備中だという。会社の成長や現状に関するそれ以上の質問への回答はもらえなかった。また、同ブランドのクリエイティブディレクターであるダオ・イー・チョウ氏も、ブランドの現状についての質問への回答を避けた。
「ブレイディのようなブランドの中心的な問題は、ひとりの人間の成功と知名度のもとにエートス(精神)が築かれていることだ」と、データ分析会社グローバルデータの小売マネージングディレクター、ニール・サンダース氏は指摘する。「そのため、かなり飽和状態にある市場で特に巨大企業と競争しようとする場合、切り抜けることが非常に難しくなる」。
ブレイディはローンチから1年半でさまざまな変化を遂げてきた。最高で495ドル(約7万3000円)の商品という高価格帯でローンチした後、価格は20〜30%下がっている。また昨年はゴルフやスイムなど、多くの新カテゴリーも立ち上げた。
アクティブウェアは非常に競争の激しいカテゴリーだ。NPDグループ(NPD Group)によると、2019年から2022年のあいだに200以上のブランドがアクティブウェアコレクションをローンチしており、そのなかには2022年初頭のブレイディも含まれている。ブレイディ氏自身、2月にNFLを引退した後、最近いくつかの論争に直面している。そのなかには、2022年に彼が支援した暗号通貨取引所FTXの破綻で3000万ドル(約44.2億円)を失ったことなどがある。ブレイディ氏はほかにも、フィットネスと栄養のブランドであるTB12や、NFTの会社であるオートグラフ(Autograph)など、いくつかのブランドを所有しているが、オートグラフは収益の減少により5月に50人以上の従業員を解雇したとニューヨーク・タイムズ(New York Times)が報じている。
[原文:Is Tom Brady’s apparel brand struggling?]
DANNY PARISI(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)