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日本でもブーム! 「 コンブチャ 」市場の現状と未来:起業家&プロデューサーたちによる【IGTVレポート】

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この記事は、DIGIDAY[日本版]のバーティカルサイト、ビューティ、ファッション業界の未来を探るメディア「Glossy+」の記事です。

海外セレブをはじめとするトレンドセッターの間で広まり、今や欧米ではポピュラーな飲み物として親しまれている「コンブチャ」。

お茶に糖類と酢酸菌と酵母のコロニー「スコビー」を加え、酵素と糖をエサに発酵させて作る植物性由来の発酵飲料で、フルーティな酸味と爽やかな飲み口が特徴。豊富な栄養素を含むといわれている。

日本でも1970年代に「紅茶キノコ」として一世を風靡したが、健康や美容をサポートするドリンクとして再び注目を集めている。そんな「コンブチャ」を日本で再び広める先駆者としてさまざまな形でプロダクトを提供している3者にGlossyHotLiveに登壇いただき、「コンブチャ」市場の現状と未来について伺った。

Glossy Japanでは、Instagramでも情報発信中。いま注目のD2Cブランドのキーパーソンなどをゲストに迎え、インスタライブ「Glossy Hot Live」を開催しています。

本記事では、このGlossy Hot Liveにおける「コンブチャ」談義の内容をテキストでサマライズする。なお、読みやすさを考慮して、編集を加えている。

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「コンブチャ」のビジネスを始めたきっかけと現状

「KBT(Kombucha Brewery Tokyo)」薮内加奈氏

編集者としても活動している薮内加奈氏は、こだわりのお茶を発酵した「クラフトコンブチャ」をオンラインで完全予約受注販売している東京・渋谷発のブランド「KBT(Kombucha Brewery Tokyo)」を今年10月にローンチ。

「ハワイに行くと必ずスタンドやオーガニックストアで“コンブチャ”を購入。純粋に味も好みなうえ、健康や美容にダイレクトに届くと聞いて、健康管理のひとつとして愛飲していた」。コロナ禍となり一年に4回のペースで訪れていたハワイはおろか海外へ渡航することが困難に。「コンブチャ」を手軽に飲めない日本に留まるなか、自分で作ってみようと一念発起。この手作り「コンブチャ」がビジネスを始めるきっかけになった。

「煎茶や京番茶、ホーリーバジルなど、毎月3種類の味を提供していて、茶葉の香りをしっかり楽しめ、どんな食事にも合うのがポイント。優しい酸味のある鼻に抜ける爽やかな味を目指している」。

「KOMBUCHA_SHIP(コンブチャシップ)」大泉寛太郎氏

創業100年を超える歴史ある企業で、現在は体にも地球環境にも優しいさまざまな事業に取り組んでいる大泉工場の大泉寛太郎氏は、2018年にコンブチャブランド「KOMBUCHA_SHIP(コンブチャシップ)」を立ち上げて、販売をスタート。

「コンブチャ」との出会いは、2011年に訪れたアメリカ・ロサンジェルスのスーパーで、「最初は昆布茶と思っていたが、飲んでみたところまったく別物。発酵していて微炭酸。味も美味しく好印象だった」と振り返る。飲めば飲むほど体調が良くなる実感があり、日本での製造販売を模索し、ブランドを設立することに。

現在ブランドには4種類の“コンブチャ”がラインナップ。「発酵食品や美味しいお茶が多い、日本という国をアピールしていて、原材料はすべて国産。フルーティさを残しながら程よい酸味のあるオリジナルと、それをベースに、ユズ、シソ、クワで味付けしたフレーバーがあり、お茶のような味わいに仕上がっている。今年1月から、ボトル入り“コンブチャ”の販売をオンラインと一部店舗で開始した」。

「Kimy KOMBUCHA 」橋本貴美代氏

神奈川県・鎌倉にあるカフェ「HOUSE YUIGAHAMA(ハウス ユイガハマ)」で「クラフトコンブチャ」をプロデュースしている橋本貴美代氏。量り売りも実施していて、さらに「コンブチャ」を自宅で作る方法を伝授するワークショップも開催している。

「コンブチャ」の魅力にハマったのは、中南米のコスタリカ。「セラピストの資格を有しながら“腸育”のコーチングもしていて、実力を試すためにコスタリカのウェルネス施設でのボランティアに参加。その時に出会った手作り“コンブチャ”のあまりの美味しさに感動し、手作りにこだわり、カフェで“コンブチャ”を提供すると決意」。

日本らしい「コンブチャ」を発信したくてお茶はオーガニック煎茶を使用。それ以外に紅茶、ノンカフェインのハーブティも定番として展開。果物やハーブを入れて味を変化させるなど飽きさせない工夫もし、4年半でレシピは50種類くらい存在しているそうだ。

「コンブチャ」の製造と流通の難しさとは?

3者とも海外で「コンブチャ」と出会い魅了され、日本でビジネスを始めたという共通の経緯がある。ただ、「コンブチャ」を日本で製造して流通するのにはハードルがあったと薮内氏。「カフェで提供するのとは異なり、製品化して販売する場合は法律上、“コンブチャ”は清涼飲料水の製造許可免許を取る必要がある。それにともない製造室や製品を保管する場所などの確保、加熱殺菌処理などクリアすることが多く、販売にこぎつけるまで簡単ではなかった」。

新規事業のひとつとして「コンブチャ」に取り組んでいた大泉氏が障壁として感じていたのは、誰も知らないこの飲み物を製造・流通にまつわる関係者に理解してもらうこと。「販売するにあたり、許可取りをする保健所などへの説明には時間を要した。菌を扱っている発酵を伴う製造においては、スペースを常に清潔に保つなど、必要以上に気を遣うことが多い。また、流通当初はビールのように樽詰めでお届けしていて、最終的に瓶詰めで個別に販売できるようになるまでの道のりが大変だった」と話す。

「コンブチャ」市場を日本で盛り上げるための活動

「世界に目を向けると“コンブチャ”の市場はぐんぐん伸びていて、日本でも“コンブチャ”愛飲者が増えつつあります」と大泉氏。薮内氏も「世界でも注目される発酵大国ともいえる日本だからこそ、“コンブチャ”はもっと大きくなるべきマーケットだと思う」と、「コンブチャ」市場の拡大に期待している。

ただ、表参道でポップアップショップを開催した大泉氏は、「コンブチャ」の認知度の低さを目の当たりにした経験がある。「体にいい飲み物だと多くの人に知ってもらうために、丁寧に伝えていくことが“コンブチャブランド”の使命。今後もプラントベースやビーガンを絡めたイベントを計画している」。また音声SNSアプリ「クラブハウス」で「Kombuチャンネル」を開設し、地道な啓蒙活動も実施中。

橋本氏も、「まずは飲んでもらい、実際に体調が変わったという自身の体験談を伝えることで、“コンブチャ”が体にどう作用するのか、正しい知識を得てもらうことが重要」と話す。「腸活だったり、免疫力アップだったり、“コンブチャ”の良いところきちんと伝えることで、市場はより活性化していくと思う」と薮内氏も、まずは知ってもらうことの重要性を感じている。

「コンブチャ」を好きになった人には、家で手作りをしてもらいたいと大泉さん。「一家に一個“コンブチャ”があるような生活が広まっていき、カルチャーとして“コンブチャ”が日常に溶け込んでいくと嬉しい」。橋本氏も、「海外のように、カフェメニューに普通に“コンブチャ”があって気軽に飲める環境を増やしていきたい」という目標を掲げている。「スコピー」を分け合ったり、ワークショップでつながったり、手作り「コンブチャ」を介して輪が広がっていく。「コンブチャ」は、そんなコミュニティとも相性が良いプロダクトかもしれない。

Written by Manami Ren
Navigator by Mei Kawabata