「#tiktokfashionmonth(Tiktokファッション月間)」を記念して、TikTokファッションチームがもっとも影響力のあるクリエイター10名を選んだ。新鮮なのは、今日のステレオタイプな「インフルエンサー」とはまったく違っていて、じつに多種多様であるという点だ。
長らく休止していたファッションウィークが帰ってきた。そして新しい世代のインフルエンサーたちが脚光を浴びている。それもファッションブログの初期の頃に見られたようなストリートスタイルのおしゃれな人々ではなく、多くはTikTokのスターで、パーティやランウェイ、フィッティングなどあらゆる場所で断片的な動画を記録している。Z世代の特徴については、完璧であることにあまりこだわらないとか、より純粋で「リアル」だなどと、いろいろ言われている。
しかしファッションウィークは以前とほとんど変わっていない。楽しいことを見逃すのではと不安に駆られるような投稿があふれ、うらやましくなるほど大量の服が無料でプレゼントされている。それに少なくとも過去10年間はそうだったように、ランウェイだけでなく、ストリートやアフターパーティでもファッションショーが行われている。ザ・スタンダード(The Standard)の屋上で、アディスン・レイ氏のアイテム・ビューティ(Item Beauty)のセフォラ(Sephora)へのローンチを大勢で祝ったあとは、タオ(Tao)でのリボルブ(Revolve)のディナーへと渡り歩く。若いインフルエンサーたちの一団は、自分たちにとって初めてとなる現実世界のファッションウィークのために街に繰り出している。
また今回は、TikTokが現在いちばん重要なソーシャルプラットフォームの座に君臨してから初めてのファッションウィークでもある。そこで「#tiktokfashionmonth(Tiktokファッション月間)」を記念して、TikTokファッションチームがもっとも影響力のあるクリエイター10名を選び、初のファッション&ビューティ・フロントランナーリストに掲載した。プラットフォーム上でのみ展開する出版物『Rag Report』とも提携し、#tiktokpartnerや#tiktokfashionmonthというハッシュタグを活用し、選出したクリエイターをフィーチャーしたコンテンツを公開している。このコンテンツは、@tiktokcreatorsのページでも閲覧できる。
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新鮮なのは、こうしたクリエイターたちが、ランウェイモデルのようにやせていて、ヌードリップに大きなつけまつ毛、流行のファッションに身を包むといった今日のステレオタイプな「インフルエンサー」とはまったく違っていて、じつに多種多様であるという点だ。
「コミュニティにインパクトを与え、コミュニティの意見を大切にし、そして大きな目的を持っているトレンドセッターを代表しているのがこのグループだ」と話すのは、TikTokのファッションコンテンツパートナーシップを率いるシーシー・ヴー氏だ。「(これらのクリエイターたちは)最近の業界基準を覆し、ファッションとビューティに真に影響を与えている。そのポジティブで偽りのない態度はトレンドを確固たるものとしており、堂々と声を上げ、変化をもたらすためにプラットフォームを活用することを恐れない」。——Sara Spruch-Feiner, senior reporter
リスト入りしたクリエイター一覧:
レミ・ベイダー氏:@remibader(フォロワー数190万人)
「現実的な買い物」で知られているこの26歳の女性は、ほとんどのファッションブランドがインクルーシブなサイズを提供していないといったシリアスな話題を、遊び心あふれるアプローチで取り上げることで注目を集めた(TikTokの「For You」ページにも登場している)。当然だが、彼女のファンが増えるにつれ、あらゆるブランドが彼女のバイラルビデオに取り上げられたいと思うようになっている。
エムソン・マラーリ氏:@emsonmallari(フォロワー数200万人)
マラーリ氏のファッションコンテンツは、スニーカーのスタイリングから、アニメやディズニーのキャラクターにインスパイアされた着こなしにいたるまで多岐にわたる。この21歳のクリエイターはファッションにおけるアジア人の表現を増やすことも提唱している。
ゲイブ・アダムス氏:@gabeadams(フォロワー数190万人)
生まれつき手足がないアダムス氏だが、誰よりもメイクアップがうまい。ファッション、最近の結婚生活、自立して楽しく生きる秘訣などをシェアするために、彼はプラットフォームを活用している。
ステファニー・バレンタイン氏:@glamzilla(フォロワー数110万人)
バレンタイン氏の正直なレビューはフォロワーから信頼を得ている。グロウレシピ(Glow Recipe)のウォーターメロングロウ・ナイアシンアミド・デュードロップ(Watermelon Glow Niacinamide Dew Drops)に関する彼女の動画はバイラルになり、インフルエンサー仲間のミケイラ・ノゲイラ氏(彼女もまたリスト入りしている)にステッチされたあともさらに話題を呼んだ。
リサ・ブレジンスキー氏とポープ氏:@lkbphotography_(フォロワー数750万人)
人生とコンテンツクリエイションに長けているこのカップルは、黒一色の服を着て、POV動画のトレンドを取り入れていることで有名。彼女たちはLGBTQコミュニティのための安全な空間作りに力を入れている。
クリスティン・トンプソン氏:@trendycurvy(フォロワー数85万8000人)
ユーザーネームとバイオからもわかるように、トンプソン氏は「トレンドの世界に生きる曲線美の女性」をズバリありのままに映し出す動画で高く評価されている。「ファッションなのか、それともただやせているだけなのか」という世の中で、トンプソン氏は、バイラルになったスキムス(SKIMS)のスリップドレスやリアーナ氏のレッドカーペットのルックといったファッショントレンドを彼女なりの視点で再現し、考察している。
ウィズダム・ケイ氏:@wisdm8(フォロワー数630万人)
「TikTokのベストドレッサーガイ」として『ヴォーグ(Vogue)』誌に選ばれたモデルのウィズダム・ケイ氏は、「outfits based on(〜のような格好)」という動画で有名。ケイ氏の服装はファンタジーとハイファッションの融合である(彼の「銀行強盗のような服」やアニメやアダルトスイム(大人向けアニメのTVチャンネル)にインスパイアされたファッションをチェックしてみよう)。
ミケイラ・ノゲイラ氏:@mikaylanogueira(フォロワー数750万人)
強いボストン訛りと濃く派手なルックスで、思いもよらずビューティスターとなったノゲイラ氏。6月にはメイクアップブランドのグラムライト(Glamlite)と初のブランドコラボレーションをデビューさせている。新製品をテストしたり、最新のバイラルトレンドについて意見を述べることでフォロワーを魅了している。
ベンジー・パーク氏:@fashionboy(フォロワー数18万3000人)
「ファッションフェアリーゴッドマザー」を自称するパーク氏は、ファッション界の「うわさ話」でTikTokのフォロワー数を築いてきた。「メットガラの座席表の混乱」や「ヴィクトリアズシークレット(Victoria’s Secret)の没落」といった投稿で、この英国のファッションボーイはフォロワーの期待を集めている。
タスニム・アリ氏:@alitasnim(フォロワー数53万8000人)
イタリアに住むエジプト人女性のアリ氏は、ムスリムファッションの代弁者として有名になった。彼女は誤った概念やステレオタイプを打ち消すためにTikTokを活用している。
最新のトレンド
#Halloweentok
TikTokのハッシュタグ#cheugy(2億960万ビュー、チューギーとはひと昔前に流行った時代遅れのものを指す)で暗躍するチューギー警察の魔の手から逃れたと思っていても、まだまだ油断できない。チューギー警察は流行のファッションアイテムを見て、ドクターマーチン(Doc Martens)のように残すべきか、スキニージーンズのように捨て去るべきかを決定する。木々の葉が茶色になり、夏のトウモロコシがお菓子に変わるこの季節、何千人ものTikTokユーザーが、何がホットで何がダメかを判断するために戻ってきた。今回はハロウィーンのコスチュームに意見を言うために。
TikTokユーザーは「#halloween2021(4億420万ビュー)」や「#halloweencostumes(1億1950万ビュー)」といったハロウィーン関連のハッシュタグを使って、とにかくダサいコスチュームについて意見をシェアしている。TikTokユーザーの@ashaester というアカウントは「フラタニティの男子大学生」や「ライフガード」のコスチュームはダメだが、「死んだ花嫁」や「ディスコディーバ」のコスチュームにはゴーサインを出している。一方、ほかのユーザーは、アニメ『Winx Club(ウィンクス・クラブ)』のフェアリーや決まった美学があるコスチュームなど「ベーシックではない」コスチュームアイデアを紹介している。 たとえば@evechevrier(フォロワー数2万6600人)は、「👼🏼✨🌸🦋🪐💘🍸🧸ガールズ」向けとして「カウガールズ」や「2000年代ガールズ」の格好を勧めている。
——Nitya Rao
情報を見逃した人のために再掲:
この9月、ふたりの有名人がブランド創設者として名乗りを上げた。テニスプレイヤーの大坂なおみ氏は「メラニン色素を多く含む人のためのスキンケア」であるキンロ(Kinlo)を発表。ラインナップには日焼け止め、フェイスミスト、アイクリームなどがあり、kinlo.comで14.99ドル(約1600円)から19.99ドル(約2200円)で販売される。そして女優のジェニファー・アニストン氏はローラヴィ(Lolavie)を発表。クリーンなヘアケア製品をひとつローンチした。「グロッシング・ディタングラー(Glossing Detangler)」というその製品はlolavie.comにて25ドル(約2700円)で販売されている。
[原文:Glossy Pop Newsletter: The influencers TikTok wants you to follow this NYFW]
SARA SPRUCH-FEINER AND NITYA RAO(翻訳:Maya Kishida、編集:山岸祐加子)