2週間前の「私と一緒に準備しよう、9歳バージョン——美容インフルエンサー志望の若者の年代が若くなっている」というタイトルのニュースレターでは、数名の13歳未満の若者たちが情報源となった。これらの若者が選ばれた理由は、Ti […]
2週間前の「私と一緒に準備しよう、9歳バージョン——美容インフルエンサー志望の若者の年代が若くなっている」というタイトルのニュースレターでは、数名の13歳未満の若者たちが情報源となった。これらの若者が選ばれた理由は、TikTokに時間を費やしており、スキンケアやメイクアップに関するおすすめ情報を得るためにTikTokを利用しているからだ。全員がそれに夢中になっているという事実が明らかに示されていた。会話の中で、ある名前が何度も出てきた。それが当時390万人のフォロワーを抱えていた17歳のTikToker、ケイティ・ファン氏だ。現在の彼女のフォロワー数は400万人である。
ファン氏の魅力の真相に迫るため、Glossyポップは彼女とのインタビューを行った。
TikTokで大ブレイクしてフォロワーが急増
ファン氏はビクトリア大学の1年生であり、バンクーバー島のビクトリア大学からZoomに参加した。TikTokはMusical.lyだった頃から使っているという。Covidのあいだは洋服に関する動画をあるアカウントに投稿しており、フォロワー数は12万人に達していた。やがてファン氏はそのアカウントを閉じ、新しいアカウントを立ち上げた。9歳のインフルエンサーに関する記事で明らかになったように、若い世代のメンバーがアカウントを閉じたり、新しいアカウントを開設したり、複数のアカウントを同時に運用したりするのはよくあることだ。
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そして2023年2月のある日、ファン氏は働いていたレストランに呼び出されたときの反応を収めた動画を作成した。「その日、私は待機していて、仕事に行くことはないと確信していた」と彼女は語った。「だから出かける支度をしなくてはならなくなって、号泣しちゃった。それで『ああもう信じられない、ちょっと笑える』と思って、TikTokで大泣きしながら準備している自分の姿を録画した。そうしたらその動画が拡散してバイラルになった」。現在までに、その動画は800万件の「いいね!」と3950万ビューを記録している。当時、彼女のフォロワーはわずか800人だったが、翌月にはフォロワー数は100万人に伸びた。
この最初の動画の成功に続いて、ファン氏はメイクアップのチュートリアルを投稿、その後初めての 「リアルな私と一緒に準備しよう」を投稿して引き続きトラクションを得ているという。「実際にみんなこういう動画を見るのが好きなんだな、と思った。それから毎日その手の動画をコンスタントに投稿するようになった」。
その後、ファン氏がどうなったのかはお察しの通りだ。
美容ブランドとのコラボレーション
ファン氏は、現在「プレッピー」と呼ばれる美容ブランドを頻繁に使用している。そうしたブランドには、たとえばドランクエレファント(Drunk Elephant)のポンプジャー式モイスチャライザーのような、パステルカラーのパッケージやポンプ式のパッケージのブランドがあるという。彼女のお気に入りは、グロウレシピ(Glow Recipe)、ジ・オーディナリー(The Ordinary)、セイ(Saie)、ソルデジャネイロ(Sol de Janeiro)、コーサス(Kosas)などだ。グロウレシピのウォーターメロン グロウPHA+BHAポアタイト トナー(Watermelon Glow PHA + BHA Pore-Tight Toner)が大好きだという彼女の発言は、ブランドにとって大きなメリットとなった。「ケイティがウォーターメロン トナーをルーチンに使うようになってから、特にTikTokの若いZ世代のクリエイターの間で世界的にさまざまなGRWM(私と一緒に準備しよう)のコンテンツでウォーターメロントナーが登場するケースが明らかに増えていると気づいた」と、グロウレシピの共同創業者のクリスティン・チャン氏は語っている。
グロウレシピは、ファン氏に最初に声をかけたブランドだという。「毎月1回、グロウレシピのために投稿して、大体それで終わり。半年のもので、12月に終了する」とファン氏。現在のほかのパートナーには、ジ・オーディナリー、セイ、ファンクションオブビューティ(Function of Beauty)などがある。またスキムス(Skims)、ドランクエレファント、ソルデジャネイロ、カレントステイト(Current State)とも仕事をしている。
フォロワーの共感を呼んでいるものについて、ファン氏は次のように語っている。「グロウレシピはある意味、私が注目されたきっかけになったもの。そのトナーをGRWMの動画でいつも使っていて、みんなが、それ何? それ何?って言い出して、それが『あの』トナーとなり、とにかく超バイラルになった。あとフォロワーは『クリーンガール』なものが好き。たとえばセイやコーサスはとても『クリーンガールなメイク』なので、私もよく使っている」。
人々が日常的に求めているのは、親近感
7月、ファン氏はタレントエージェンシーのユナイテッドタレントエージェンシー(United Talent Agency、UTA)と契約した。UTAのエージェント、スカーレット・パールマン氏はこう語る。「彼女が最初に私のアンテナに引っかかったのは6月のことで、その時はおよそ200万人のフォロワーがいた。私の注目を引くコンテンツを作っていた。私たちはエンゲージメント率の高いクリエイターを探しており、ケイティには400万人のフォロワーがいて、定期的に1本の動画で100万ビュー以上を獲得している。業界の標準が2〜5%であるのに対し、25%のエンゲージメント率だ」。
Zoomでのファン氏は、こんなに引っ張りだこなのにもかかわらず、爽やかでいたって普通の人物だった。インタビューの数日後、彼女はバンクーバー島からニューヨークに渡り、ジ・アウトセット(The Outset)のニューヨークオフィスでスカーレット・ヨハンソン氏とともにコンテンツを制作するインフルエンサーの仲間入りを果たしている。
「たしかに彼女の生活には、人々が本当に憧れを抱くような面がある」とパールマン氏は述べている。「でも、人々が日常的につながりを求めているのは親近感だ」。パールマン氏は、ファン氏が「高校を卒業し、大学に進学して、母親に送ってもらったときに泣いている」様子を投稿していることに触れた。それは「彼女のフォロワーの多くが経験してきた、あるいは将来的に経験することだ」。
「彼女のキャリアはまだ始まったばかり」とパールマン氏は言う。
若いオーディエンスからの絶大な支持
2カ月前に6本のYouTube動画のうち最初の動画を投稿してから、ファン氏はこのプラットフォームで13万7000人のフォロワーを獲得した。インスタグラムには24万人のフォロワーがいる。
「ブランドと正式に提携することに関しては、彼女はちょうど思い切って始めたばかりだ」とパールマン氏。「これまでは、彼女はコンテンツに関してはオーガニックであることを望んでいた。だから私たちは戦略的に必ずどのパートナーシップも納得のいくものであり、彼女がすでに使用して話題にしているものをベースにしようとしている」。
パールマン氏もファン氏も、ファン氏にとってこれまででもっともエキサイティングなブランドパートナーシップが予定されていると述べた。UTAは、ファン氏の影響力に関する「説得力のあるケーススタディ」をブランドに提示した後、そのパートナーシップを確保している。
若い女の子たち——その多くはTikTokの対象年齢である13歳に満たない年齢である——は、ファン氏のコンテンツを視聴し、彼女の推薦を参考にして商品を購入している。状況を整理すると、ファン氏は、同じく「私と一緒に準備しよう」のコンテンツで知られる2023年最大のブレイクを果たしたスター、アリックス・アール氏より4歳若い。この新たな責任について、ファン氏はこう話す。「みんな私から実際に多くのアドバイスを受けているように感じている。以前は、『ああ、今日は授業に行くのやめよう』とか言っていた。でも今は、そういうことを広めたくない。授業に行かなくてもいいんだとみんなに思ってほしくないから! 『今日はやることがたくさんある、授業が3つあって、この課題も全部終わらせないといけない』と話す方がいい」
ファン氏は時折、絶対確実なGRWMのフォーマットから外れて、なんらかのライフスタイルのコンテンツを作ることもあるが、GRWMのフォーマットにはまだ飽きていないという。
「ほとんどすべての動画で違う製品を使用している。なので、どの動画でもオーディエンスは違う何かを目にしている。今日は何を使ってるんだろう?っていう感じ」。したがって新鮮さをキープすることが秘訣の一部ではあるが、ファン氏は自身の親近感についても認識している。「GRWMをおもしろくするために、クレイジーな生活をする必要はない。ほかの人に親近感を抱いてもらえるようなことを言うだけで、興味を持ってもらえる。間違いなく、それがいちばん重要なことじゃないかな」。
今週のコラボ:ジェニーバードxフェイバリットドーター
チャンキーなステートメントジュエリーで知られるジェニーバード(Jenny Bird)と、サラとエリン・フォスター姉妹の人気アパレルライン、フェイバリットドーター(Favorite Daughter)というふたつの「イット」ガールの人気ブランドがタッグを組んで、ホリデーギフトにぴったりな2種類のセットを作り出した。それぞれフープイヤリングとそれに合わせたイヤーカフが含まれている。「私たちは顧客のために解決志向であろうとしている。だから(今回の)コラボレーションでは、私たちのプレタポルテの品揃えを補完するような、ワードローブに欠かせないアイテムを作りたかった」とサラ・フォスター氏は語った。ジェニーバードの創業者でクリエイティブディレクターのジェニー・バード氏も同じ思いである。「上質な必需品のワードローブを作るという共通の感性をすぐに認識した。また私たちには多彩な役割を持つ女性という共通のコミュニティがあり、そうした女性たちにとって、購入したものは実用的でなくてはならない。どのキットもイヤースタックとして頼りになるアイテムとなっている。ゴールドの購入はこちら、シルバーはこちら。
スペイト・トレンドウォッチ:TikTokできらめくグリッターリップ
スペイト(Spate)によると、グリッターリップが最新の消費者トレンドであり、TikTokがその人気に拍車をかけている。ハッシュタグ「#GlitterLips」はTikTokで4億3650万ビューを記録し、週平均ビュー数は70万200ビュー、同プラットフォームでの前月比成長率は1910%となっている。美容愛好家たちは、このホリデーシーズンに輝きを放つ新たな方法を探しているようだ。
消費者はさまざまな製品を使ってグリッターリップのルックを実現している。多くはリップグロスと口紅をブレンドして輝きをカスタマイズしており、中にはグリッターパウダーでルックを仕上げる人もいる。そしてTikTokのステップバイステップのメイクアップチュートリアルでその方法を共有している。
グリッターリップのトレンドで大きな話題に火をつけた製品のひとつが、ひとつのシンプルなステップでルックを作り出すディオール フォーエヴァー リキッド シークイン リキッドリップ(Dior Forever Liquid Sequin Liquid Lip)だ。塗った時はマットに見えるが、唇を擦り合わせるとグリッターが弾けるという画期的な製品である。消費者は、この高価(50ドル、約7590円)な製品を試してレビューするだけでなく、同じように魔法のような変身を約束する類似品も探し求めている。
「グリッターリップは、ヘアティンセルやフェイスジェムのようなトレンドに続いて、消費者が自分のルックに引き続ききらめきを加えるもうひとつの方法だ。このトレンドは祝祭的な雰囲気と斬新なテクスチャーで、ちょうどホリデーシーズンにもタイミングがあっている。今年のホリデーシーズンの品揃えにグリッターリップを加える時間がないブランドは、グリッターアイライナーやシャドートッパーのようなほかの製品で代用できないかを検討すべきだ」と、スペイトの共同創業者ヤーデン・ホロウィッツ氏は述べている。
[原文:Glossy Pop Newsletter: Meet Katie Fang, Gen Alpha’s favorite beauty influencer]
SARA SPRUCH-FEINER(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)