BEAUTY

【Z世代の意識調査_サステナビリティ編】共感される「サステナブル」ビジネスのカギとは!?

DIGIDAY無料メルマガに登録しませんか?

平日朝9時にマーケティング業界の最新情報をお届けします。利用規約を確認


本記事は、株式会社メディアジーン 執行役員 クリエイティブディレクターであり、パーパスドリブンな企業活動を支援するクリエイティブチーム「THE STUDIO. Glossy & MASHING UP」を統括する、中村圭氏による寄稿となります。

◆ ◆ ◆

昨今のビジネスシーンにおいて、様々な場面で耳にする「サステナビリティ」という言葉。

この言葉について、わたしたちは下記のような疑問を持っていました……。

  • 「サステナビリティ」の本質とは?(概念的で生活者にとっての認識が不明瞭)
  • 「サステナビリティ」は誰のもの?(社会、地球環境視点で語られがちだが、人の持続可能性も大事だし、それらは連動しているのではないか)
  • 「サステナブルな世代」と言われるZ世代は本当にサステナブルなのか?(サステナブルな価値観やライフスタイルなど、Z世代の実態が把握できていない)

これらの疑問や仮説を探求するべく、わたしたち「THE STUDIO.Glossy & MASHING UP」は、Z世代の「サステナビリティ」に関するリアルを深堀りする調査を実施。Z世代をはじめすべての人々が無理なく心地よくサステナブルライフを実践でき、それをとりまく企業や社会がどうサポート、後押しをしていけばよいのかのアイデアを創出すべく、上智大学の環境サークルである「グリーンソフィア(GREENSOPHIA)」のリアルZ世代のみなさんと共同で本調査を企画・実施しました

実は二極化していた! Z世代の「サステナブル意識」の実態とは

今回の調査では、Z世代全体の「サステナビリティ」に関する価値観やライフスタイルをあぶりだせるよう、一般層とエクストリーム層という「サステナビリティ」への理解や意識、行動、情報収集などの状況に差異のある2層に対して同時に調査、比較考察を行いました。

その結果、Z世代内でも意識・行動の二極化の傾向があることがうかがえました。 わたしたちはSNSなどで積極的に情報発信を行うエクストリーム層をZ世代の象徴だと認識しがちです。しかし、経済的不安やストレスなどの影響から、まずは自分自身の心の平穏を守ることを優先する結果(つまり個のサステナビリティを優先せざるを得ない状況)、社会や地球環境についてまでは意識・行動が及んでいない層が存在するということを認識する必要があります。

<調査結果>
※2層でn数に差があるため、主に傾向比較を行っています
Q. 暮らしのなかで「もったいない」「無駄だな」「もっとこうなればいいのに」と感じることはありますか?(複数回答)

Q. 「サステナビリティ」と聞くと何を想像しますか?(複数回答)

Q. 「サステナビリティ」を意識して、自分は行動できていると思いますか?

Q. 「サステナビリティ」に関する情報をどこで一番よく見ますか?

Q. 時間的・経済的な制限などがない状況だとしたら「サステナビリティ」な考えや行動を今よりもっとしていきたいと思いますか?

「節約できる」「ムダなく長く愛用できる」がサステナブル文脈への共感のカギ

先の見えない経済状況のなかで育ち、新型コロナウイルスの脅威にも直面し、社会で自立して生きていくのが困難な状況にあるZ世代にとって、「節約」は日常生活の中の一大テーマ。そのため、「マイボトル」「マイバッグ」「食べ残し(フードロス)」など日常生活に直結する節約意識から、結果サステナブルな行動につながっている状況がうかがえます。Z世代のサステナビリティに関する行動を後押ししていくためには、「日常生活×節約=サステナビリティ」という文脈形成は欠かせないでしょう。

また、世代全体に共通する価値観として、長く愛せる厳選したモノに囲まれて暮らす 「ミニマリスト」的な生き方に憧れている状況がうかがえます。自らの選択や消費にムダがないかの経済的意識と合わせて、自分なりに価値のありなしをルール化してお金の使い方にメリハリをつけ、長く愛用できそうなモノにはお金を使う傾向もあるようです。

<調査結果>
※2層でn数に差があるため、主に傾向比較を行っています
Q. 「サステナビリティ」を意識して、行動していることを教えてください。(複数回答)

Q. 価格以外で、買い物をする際に重視することは何ですか?(複数回答)

サステナブルな意識と行動を妨げる「意識高い系」思考との向き合い方

「サスティナビリティについて話す人を意識が高いと思いますか?」という質問には、一般層の約7割、エクストリーム層の約5割が「はい」と回答。両層ともに、サステナブルな意識や行動が自分ゴト化できない場合に、他者を「意識高い系」だと認定して自分と切り離して思考する傾向が見えました。

では、「意識が高い」と思わせる正体は何なのでしょうか? 調査の結果、

  • テーマが大きすぎて具体的な接点や関係性を想像できない
  • 自分のことよりも社会や地球環境を優先してモノゴトを考えられない

の上記ふたつの理由をあげる人が多く、サステナビリティに関するテーマについて文脈形成をしていく際には、「テーマの粒度」と「伝える順序」に留意して情報設計を行っていくことで、自分ゴト化や共感が得やすくなるのではないでしょうか。

■Sustainable Business Idea!
#001 日常生活、半径5mの「Small good things」
「好き!」「お得!」「地元」等の半径5mの「手の届く幸せ視座」でサービスコンセプトやブランドストーリーを企画・文脈形成するのが興味醸成のカギに。

#002 「自分にGOOD」で「結果サステナ」
「ムダなく長く愛用する」「ミニマムな暮らし」など、まずは「自分にGOOD」を想起させ、「結果サステナ」と共感を抱いてもらう二段落ちの文脈形成が、Z世代のサステナブルな意識や行動を後押しするのではないでしょうか。

#003 「意識高い」の攻略法は「グラデーション」にあり
0か100、または正解のあるエコ、サステナビリティではなく、個々のペースや文脈で取り入れられるような「グラデーション(多様さ)」のある情報発信やサステナブル体験、プロダクト開発が「意識高い系」問題の攻略法となりそうです。

<調査結果>
※2層でn数に差があるため、主に傾向比較を行っています
Q. 「サステナビリティ」について話す人は「意識が高い」と感じますか?

Q.「意識が高い」と、なぜ感じますか?(複数回答可)

「個」を起点にしたサステナブル文脈がZ世代の共感を加速させる

Z世代は、「自分」「個」を大切にする世代。考え、行動、選択、働き甲斐から生き甲斐まで「自分」の幸せや心地よさを起点に、どう他者や社会、地球環境と共感し合い、共生していくかを日々探求しているように思います。

「社会や地球環境のサステナビリティ」に関する意識が異なる一般層とエクストリーム層を比較してみたところ、両層に共通していることは、社会情勢への不安や、24時間オンラインでつながれてしまうZ世代ならではの人間関係によるストレスなどから、どう自分の心の平穏を守っていくかという「個のサステナビリティ」意識の高さです。

よいところも、悪いところも含めて自分と向き合い、受け入れ、他者との良い関係を主体的に構築することで、心身がサステナブルな状態となり、他者や社会・環境への想像力を育み、思考・行動にも変化を表している状況がうかがえます。

■Sustainable Business Idea!
#004 Z世代が共感するサステナブル体験のキーワードは「エゴ(自我)」×「エコ(環境意識)」
個のサステナビリティを守り、「自分らしく」生きるためには、自分自身とどう向き合うか、他者や社会とどう関わり合うかが重要です。そこで、サステナブルな体験やサービスを設計していく際に、

  1. 自分のgive(貢献)と誰かのtake(喜び)が可視化されているか
  2. 中期的に自分の貢献へのFBがあり、成長を実感できるか
  3. 自分の意見や考えが反映されているか

などに着目してみると、Z世代が自分ゴト化しやすく、自分自身を満たし、高めながら、社会や地球環境への貢献を実感していくという、共感のエコサイクルが形作れるのではないでしょうか。

<調査結果>
※2層でn数に差があるため、主に傾向比較を行っています

Q. あなたにとって「心の平穏」とは、どういう状態ですか?

Q. 今、あなたの「心の平穏」を阻害するものは何ですか?

Q. 自分らしく生きるってどんなことだと思いますか?

Q. 自分らしく生きるために、どんなことを意識していますか?


▽調査タイトル:
Z世代の「サステナビリティ」に関する価値観と生活行動の実態調査~今求められる個と社会・環境に関するサステナビリティの探求~
▽調査方法:
インターネット調査、インタビュー調査
▽調査対象:
調査❶:1996年~2002年生まれのZ世代495名<一般層>
調査❷:1999年~2002年生まれのZ世代84名<エクストリーム層>
※「サステナビリティ」について、Z世代から無作為に抽出した<一般層>と、環境サークルなどで活動する<エクストリーム層>での比較検証を行う形で、全体像の把握と考察の深堀りを行います。
<一般層>は、『fastask』社のサービスを活用して全国のZ世代を無作為に抽出し調査実施。
<エクストリーム層>は上智大学の環境サークルGREENSOPHIAを中心に調査実施。
※❶❷ではN数が異なるため、比較は回答項目の傾向などを中心に行います。
     
▽調査期間:
調査❶❷ともに、2021年6月15日〜6月21日

<本調査資料の完全版ダウンロードはこちらから>

Written by 中村圭(THE STUDIO. Glossy & MASHING UP