モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)が所有するスキンケアブランド、フレッシュ(Fresh)は、9月22日、「フレッシュ・テイク(A Fresh Take)」(新たな視点の意)というオーディオビジュアル体験を発表した。その目標は、同ブランドへの親近感と顧客との感情的なつながりを強化することである。
この記事は、DIGIDAY[日本版]のバーティカルサイト、ビューティ、ファッション業界の未来を探るメディア「Glossy+」の記事です。
モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)が所有するスキンケアブランド、フレッシュ(Fresh)は、9月22日、「フレッシュ・テイク(A Fresh Take)」(新たな視点の意)というオーディオビジュアル体験を発表した。その目標は、同ブランドへの親近感と顧客との感情的なつながりを強化することである。
フェイスパックしながら聴けるオーディオ体験を提供
「フレッシュ・テイク」は専用のマイクロサイトでホストされている、ビューティ業界のゲストによる短いオーディオコンテンツである。15分以下の音声エピソードにつけられているキャプションは、同ブランドがソーシャルメディアで過去12カ月間に発表した30の取り組みを表している。それらの取り組みは、革新的な多様性、ボディインクルーシビティ、職場内の二酸化炭素排出量の削減、製品パッケージにおける二酸化炭素排出量の削減、企業文化の向上などにフォーカスしたものだ。フレッシュのCMO、テニール・コピアス氏によると、同社の取り組みは、人々、地球、製品の3本柱に基づいているという。「フレッシュ・テイク」冒頭の30秒間の紹介では、フレッシュのお気に入りのフェイスマスクを使いながら「それに合った時間の」オーディオスニペットを選んで聴くように勧められている。
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コピアス氏はこう述べている。「これはアフターコロナのマーケティングに関するものだ。デジタルは、消費者が存在し購入している場所であり、当社の事業の半分以上はデジタルで行われている。その一方で、デジタルは、消費者が望んでおり、また、関連したいと考えている透明性にもつながっている。このオーディオビジュアル(経験)によって、深いレベルの信頼を確立することができるだろう」。
30の取り組みに顧客を関与させる試み
コピアス氏は、新型コロナウイルス感染症によって顧客と社会の両方の価値観が変わってしまったが、「フレッシュ・テイク」は現在世界を覆っている苦境においてデジタル休息を提供するものだと述べている。また、フレッシュは、2020年にホーム、フレグランス、ボディなど、スキンケア以外の製品の売り上げを伸ばしたそうだ(ただし、売り上げ増については具体的に語られなかった)。
オーディオビジュアルプロジェクトの体験的要素を構築するために、フレッシュは同ブランドの支援者、従業員、LVMHの幹部の協力を募った。たとえば、タトゥーアーティストでインフルエンサーのミラ・マライア氏(@ GirlKnewYork、インスタグラムのフォロワーは22.5万人)がビューティ業界の多様性について自らの見解を共有している。マライア氏は、非営利団体の倫理的バイオトレード連合(Union for Ethical BioTrade)のディレクターであるララ・クリッツケ氏とともに出演し、責任ある食材の調達がどのように地球を救うことができるかについて話し合っている。
「忙殺される日々から逃避するために、マインドフルマスキング(フェイスマスクをパックしながらマインドフルネスを実践する)をするときだ。これは、我々にとっては、誠実な方法で消費者に寄り添うアイデアである」とコピアス氏。「(フレッシュ・テイクにより)前述した3つの柱全体で行っているすべての業務を共有することができ、消費者にはその過程にともに関与してもらうことができる」。
コピアス氏が述べるところによると、「フレッシュ・テイク」への関与とブランドへの親近感は主要業績評価指標であるが、幅広いリーチは主要なフォーカスではないそうだ。フレッシュは、オーディオとビデオのスニペットを使った独自のソーシャルメディア投稿(無償)を通じてユーザーを(「フレッシュ・テイク」の)マイクロサイトに誘導している。また、フレッシュのeコマースサイトや、9月23日〜10月31日まで実施されるインスタグラムの有料広告キャンペーンでも宣伝している。
フレッシュの共同創設者であるアリナ・ロイトバーグ氏はこう述べている。「この30の取り組みを通じて、フレッシュはブランドに不可欠な進化を推し進めることを約束する」。
[原文:Fresh offers up audio-visual digital experience on heels of 30-year anniversary]
EMMA SANDLER(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)