ピースアウト・スキンケア(Peace Out Skincare)はTikTokを通じて主な消費者ベースを成長させたが、今年は(複数の)プラットフォーム内外の両方で新たな消費者を獲得するためにマーケティング活動を多角化している。
2000万ドルの投資でオムニチャネルマーケティングに注力
「我々はオムニを考えている。行うことすべてがオムニエクスペリエンスだ。D2C、ドットコム、実店舗だけを対象にマーケティングを行っているのではない。消費者はオムニチャネルショッピングに戻っている」と述べているのは、ピースアウトの共同創業者、最高マーケティング責任者、クリエイティブディレクターのジュニア・スコット・ペンス氏だ。
2016年に設立されたピースアウト・スキンケアは、OTC承認のニキビ用ステッカーであるアクネドット(Acne Dot)を扱う初の「スキンクルーシブ」ニキビブランドとして市場に登場した。同社のヒーロー商品はTikTokで人気を博し、パーパスドリブンの民間投資会社、フィフスセンチュリーパートナーズ(5th Century Partners)から注目され、ピースアウトは2022年11月、2000万ドル(約28億円)の投資を受け取った。また、広告主の30%が2023年の予算を削減しているにもかかわらず、ピースアウトはオムニチャネルマーケティングに全力で取り組んでいるとペンス氏は語っている。
「予算の20%をマーケティングに充てている」とペンス氏。「この新しい投資のおかげで、アルタ(Ulta)に進出でき、将来の計画を立てることができた。この投資がなければそれは実現できなかっただろう」。
この記事は、DIGIDAY[日本版]のバーティカルサイト、ビューティ、ファッション業界の未来を探るメディア「Glossy+」の記事です。
ピースアウト・スキンケア(Peace Out Skincare)はTikTokを通じて主な消費者ベースを成長させたが、今年は(複数の)プラットフォーム内外の両方で新たな消費者を獲得するためにマーケティング活動を多角化している。
2000万ドルの投資でオムニチャネルマーケティングに注力
「我々はオムニを考えている。行うことすべてがオムニエクスペリエンスだ。D2C、ドットコム、実店舗だけを対象にマーケティングを行っているのではない。消費者はオムニチャネルショッピングに戻っている」と述べているのは、ピースアウトの共同創業者、最高マーケティング責任者、クリエイティブディレクターのジュニア・スコット・ペンス氏だ。
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2016年に設立されたピースアウト・スキンケアは、OTC承認のニキビ用ステッカーであるアクネドット(Acne Dot)を扱う初の「スキンクルーシブ」ニキビブランドとして市場に登場した。同社のヒーロー商品はTikTokで人気を博し、パーパスドリブンの民間投資会社、フィフスセンチュリーパートナーズ(5th Century Partners)から注目され、ピースアウトは2022年11月、2000万ドル(約28億円)の投資を受け取った。また、広告主の30%が2023年の予算を削減しているにもかかわらず、ピースアウトはオムニチャネルマーケティングに全力で取り組んでいるとペンス氏は語っている。
「予算の20%をマーケティングに充てている」とペンス氏。「この新しい投資のおかげで、アルタ(Ulta)に進出でき、将来の計画を立てることができた。この投資がなければそれは実現できなかっただろう」。
ペンス氏によると、オムニチャネル向けの野心的な新マーケティング戦略の鍵は、ブランドの認知度向上のためにソーシャルメディアのモーメントのみに依存していた以前の戦略からわずかにシフトしているという。TikTokは依然としてピースアウト・スキンケアの最大のマーケティングチャネルであるが、消費者がコロナ前のレベルで店舗でのショッピング体験に戻っているなか、ピースアウトは消費者がいる場所で彼らと出会う新しい方法を見つけることを優先している。同社にとってこれは屋外と家庭内の両方を意味する。
「いまでは、CTV、郵便受けへのダイレクトメール、ゲーム中のコンピューター、復活しているようなのでFacebookを通じて、また、店内と、家の外でもなかでも消費者に出会っている」とペンス氏は語っている。
コネクテッドTVでは、同社はCTV(パフォーマンスTV)広告で広告プラットフォームのMNTNと提携している。
3倍の費用投入で大成功のマーケティング
ピースアウト・スキンケアが昨年12月にリリースしたアクネデードット(Acne Day Dot)は、同社のオムニチャネルマーケティングへの最初の試みとなった。ペンス氏は「これまでのどのローンチよりも(マーケティングに)3倍費やした。これは投資家がいる初めてのローンチだったので、もっと多くの資金を活用することができ、大成功だった」と述べている。
マーケティング展開には、看板やインフルエンサーのメレディス・デュクスベリー氏とのパートナーシップが含まれていた。ピースアウトはデュクスベリー氏にベストセラー製品数点が含まれたVIPメーラーを贈り、彼女はそれをTikTok動画で共有した。ペンス氏によると、その後の2週間で売上が67%増加したという。この動画は現時点で200万回再生されており、17.8万件を超える「いいね!」が付いている。ピースアウトはまた、トゥー・フェイスド(Too Faced)とピースアウトのビューティディレクターを務めるセレブメイクアップアーティスト、ジョーダン・リバティ氏と提携し、限定のピースアウトビューティルック4つを含むYouTube動画キャンペーンを実施した。さらに、セフォラで店内イベントを主催したり、初めてメーラーを使った家庭内マーケティングを取り入れた。また、ニューヨークの地下鉄も占領した。
その結果、ピースアウトはOOHキャンペーンを実施した月に、ロサンゼルスとニューヨークで前月比で売上が増加した。ペンス氏によると、ニューヨーク市では売上が53%増加し、ロサンゼルスではセフォラでの売上が25%増加したという。
ChatGPTの活用の可能性
ピースアウトは、5月に、セフォラアプリ限定でビタミンCスティックをローンチする際にオムニチャネルへの取り組みを実験した。ペンス氏は、チームが広告コピー作成の支援のためにChatGPTをテストしてみたが、最終的には使わないことを決定したと述べた。「(ChatGPTは)ビタミンCキンケアについて理解していなかった、あるいは少なくとも我々が使っていたときには理解していなかった」とペンス氏。「我々は毎日話しかけたり問いかけたりした。次の広告キャンペーンには、おそらくなんらかのChatGPTの支援が含まれることになるだろう」。
YouTubeへも注力
ペンス氏の指揮下で、ピースアウト・スキンケアは、彼が消費者のあいだで注目を集めていると信じるマーケティングチャネル内で拡大を継続している。そのなかには、ダイレクトメール、ゲームアプリ、YouTubeなどがある。ペンス氏は、あらゆる機会のなかでチームがもっとも注目しているのはYouTubeだと述べ、「(YouTubeは)人々がコンテンツを探したり、新しいブランドについて調べたりする場所になりつつある」と語った。 WARCメディア(WARC Media)によると、YouTubeの世界的な広告収入は2023年に4%増加して、304億ドル(約4.3兆円)に達する見込みだという。
ペンス氏は「YouTubeでは、消費者を関与させる方法でストーリーを伝えることができる。消費者はブランドのジャーニーを最初から学ぶことができるので、自分の理念やアイデンティティ、生き方、物事の見方がブランドとどのように適合するかを理解することができる。(YouTubeは)ブランド、特に新しいブランドや若いブランドの成長にとって不可欠な要素になりつつある。当社にとって、それはブランドストーリーを語り直すのに魅力的な方法を提供している」と述べた。
[原文:‘Everything we do is omni’: How Peace Out Skincare is meeting consumers where they shop]
TATIANA PILE(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)