実店舗販売におけるカスタマイズ美容製品が着実に浸透しつつある。その最新の展開として、8月15日、ファンクション・オブ・ビューティ(Function of Beauty)のヘアケアがセフォラ(Sephora)の280店舗とSephora.comに進出した。
セフォラ独占の新たなラインとしてファンクション・オブ・ビューティが開発したファンクション・オブ・ビューティ・プロは、ボンドビルディングのヘア製品で、ストレート、ウェーブ、カーリー、コイリーヘア用の4種類のシャンプーと4種類のコンディショナーが揃う。また、縮毛矯正やうるおい補給など、髪の目的にあわせた9種類のブースターも含まれており、これらを組み合わせ、混ぜて使用することもできる。製品の小売価格は4ドル(約585円)から28ドル(約4100円)となっている。
セフォラがカスタマイズヘアケアに初進出
創業8年のファンクション・オブ・ビューティが実店舗に進出するのは、今回が初めてではない。同ブランドは2020年12月に初めてターゲット(Target)に進出、髪質別のベース処方と、最終的な仕上がりに応じたブースターのパウチを提供するという同様のコンセプトを展開した。ファンクション・オブ・ビューティはそれらの製品でターゲットとの独占提携を継続している。セフォラは1月にSephora.comにカスタマイズスキンケアブランドのプルーブン(Proven)を追加したが、カスタマイズヘアケアへの進出は今回が初めてである。
ファンクション・オブ・ビューティのCMOであるマリアンナ・トロフィモバ氏は、「ファンクション・オブ・ビューティ・プロは、より洗練された美容愛好家や、ケアに手のかかる髪質の人々のために、(実店舗のコンセプトを)さらに発展させた」と述べている。
実店舗販売におけるカスタマイズ美容製品が着実に浸透しつつある。その最新の展開として、8月15日、ファンクション・オブ・ビューティ(Function of Beauty)のヘアケアがセフォラ(Sephora)の280店舗とSephora.comに進出した。
セフォラ独占の新たなラインとしてファンクション・オブ・ビューティが開発したファンクション・オブ・ビューティ・プロは、ボンドビルディングのヘア製品で、ストレート、ウェーブ、カーリー、コイリーヘア用の4種類のシャンプーと4種類のコンディショナーが揃う。また、縮毛矯正やうるおい補給など、髪の目的にあわせた9種類のブースターも含まれており、これらを組み合わせ、混ぜて使用することもできる。製品の小売価格は4ドル(約585円)から28ドル(約4100円)となっている。
セフォラがカスタマイズヘアケアに初進出
創業8年のファンクション・オブ・ビューティが実店舗に進出するのは、今回が初めてではない。同ブランドは2020年12月に初めてターゲット(Target)に進出、髪質別のベース処方と、最終的な仕上がりに応じたブースターのパウチを提供するという同様のコンセプトを展開した。ファンクション・オブ・ビューティはそれらの製品でターゲットとの独占提携を継続している。セフォラは1月にSephora.comにカスタマイズスキンケアブランドのプルーブン(Proven)を追加したが、カスタマイズヘアケアへの進出は今回が初めてである。
Advertisement
ファンクション・オブ・ビューティのCMOであるマリアンナ・トロフィモバ氏は、「ファンクション・オブ・ビューティ・プロは、より洗練された美容愛好家や、ケアに手のかかる髪質の人々のために、(実店舗のコンセプトを)さらに発展させた」と述べている。
商品はセフォラのアプリ限定で8月14日から24時間先行販売された。オンラインの商品ページには、同ブランドのアダプティブf3ボンディングコンプレックス(Adaptive f3 Bonding Complex)のサイエンスを説明する有益な動画や静止画像が掲載されている。ゴンドラ什器に組み込まれた店内のサイネージにはQRコードが付いており、そこからルーティンのカスタマイズに役立つ専門家のアドバイスや製品のデモンストレーションにアクセスできる。トロフィモバ氏は、ターゲットの小売店での経験からすると、カスタマイズヘアケアは店頭での購入が望ましいが、ファンクション・オブ・ビューティとしては購入プロセスを簡単で直感的なものにしなければならないことがわかったと述べている。
カスタマイズはあらゆるチャネルに通じるカテゴリー
「カスタマイズは、D2C、プレステージ、マスなど、あらゆるチャネルに関連し、アピールする横断的なカテゴリーだと考えている」と、ファンクション・オブ・ビューティのCEO、アレクサンドラ・パパジアン氏は言う。
「販売される製品はそれぞれ異なるにも関わらず、これらのチャネルは補完的な関係にあり、ほとんどの美容ブランドと比較してもかなり独特な状況だ。このように当社は引き続きオムニチャネル戦略を発展させ、カスタマイズとその利点を促進し、小売規模や店頭での知名度を活用してかなり具体的で親しみやすい方法でブランドを活性化する」。
創業して8年目となるファンクション・オブ・ビューティは、2020年にLキャタルトン(L Catterton)が率いる1億5000万ドル(約219.6億円)のシリーズBを調達し、10億ドル(約1464億円)の評価を求めたと報じられている。パパジアン氏は、最近の売上高やプロラインへの期待については言及を避けた。
セフォラは、D2Cのカスタマイズビューティ体験を意欲的に店舗で再現しようと試みているいくつかの小売業者のひとつである。ターゲットも2022年1月にファンクション・オブ・ビューティを導入し、カスタマイズスキンケアブランドのピュアカルチャー・ビューティ(Pure Culture Beauty)を獲得した。2023年4月には、プロテインサプリメントに特化したゲインフル(Gainful)とリチュアル・ビタミン(Ritual vitamins)というカスタマイズ可能な2つのブランドを追加している。また、CVSもより大きな美容の動きの中でカスタマイズビューティに狙いを定め、2022年11月にピュアカルチャー・ビューティをローンチしている。一方、ウォルマート(Walmart)は2022年8月にカスタマイズヘアケアブランドのザ・ヘアラボ・バイ・ストランズ(The Hair Lab by Strands)を導入し、2022年4月にはオレイ(Olay)とパンテーン(Pantene)ブランドのビューティブースターを発売した。
「セフォラは最新の市場動向をすべて把握しており、その点が非常に優れている」とトロフィモバ氏は言う。「セフォラがヘアケアカテゴリーを完全に発展させるのにおそらく5年はかかっているが、いまやセフォラの店舗に行けば、ヘアカテゴリーはどこにでもあるし、電化製品、プレミアムヘアケア、それにインディーズブランドも揃っている」。
パパジアン氏は、「(小売の)独占性は、フォーカス、エンゲージメント、共創、そして最終的にはビジョンの共有を促進する」と付け加えた。
急成長中のプレステージヘアケア製品
サーカナ(Circana、旧NPDおよびIRI)のデータによると、2023年1月から6月までのプレステージヘアケアカテゴリーの前年比成長率は13%だったのに対し、マス市場は8%だった。マス市場はヘアケア販売量全体の75%を占めるが、プレステージ市場の売上は第1四半期も引き続き急成長している。また、ヒートプロテクタント、リーブイントリートメント、スカルプケア、薄毛ケア製品など、髪の健康に対応するプレステージヘア製品の売上は、カテゴリー全体を上回っている。
トロフィモバ氏いわく、ファンクション・オブ・ビューティはセフォラへのローンチのマーケティングに関しては全方位的アプローチを取る計画であり、TikTokとインスタグラムでは、75人以上の有償および無償のインフルエンサーやソングキャンディ(Song Candy)によるカスタムソングなどを活用して存在感をアピールする。新ラインの名称に「プロ」が入っているため、同ブランドはスタイリストのコミュニティにも焦点を当て、セレブリティのヘアスタイリスト、ジャスティン・マルジャン氏(@JustineMarjan、インスタグラムのフォロワー数48万人)と提携した。ファンクション・オブ・ビューティはプロフェッショナル向けのブランドではないが、スタイリストと提携するのは、プロの知恵を魅力的かつ遊び心たっぷりに「抽出」して、人々にプロ並みのスタイリストになる方法を示すことが目的だと、トロフィモバ氏は言う。同ブランドはセフォラへの販売促進のほか、今回のローンチキャンペーンの間、アーンドメディアの価値を高めることに注力する。
「(セフォラで)このようにブランドを明確にして達成しようとしていることは、独自性があり大胆でもある」とトロフィモバ氏は語った。「だが、それはすべて、当社がどのように処方し、どのような製品を作るかという、ブランドとしての強い視点に集約されている」。
そのほかのセフォラ関連ニュース
1月にSephora.comで発売されたカスタマイズスキンケアブランドのプルーブンが、8月18日までについに実店舗デビューを果たす。これはプルーブンにとって初の小売参入であり、セフォラにとってもスキンケアのパーソナライゼーションへの最初の一手となる。同ブランドによると、これまでのところセフォラのデジタル体験を通じてプルーブンを購入した人の80%近くがプルーブンのサブスクライバーになっているという。カリフォルニアの4店舗、ニューヨークの1店舗、ダラスの1店舗、ミシガンの1店舗の合計10店舗で、セフォラはこのデジタル体験を提供する。プルーブンの買い物客は、クレンザー、SPFの日中用モイスチャライザー、ナイトクリームの3つの製品のセットを169.99ドル(約2万4900円)で購入できる。同じセットはサブスクリプションでは129.99ドル(約1万9000円)となる。
「簡単なことではなかったが、セフォラのすばらしいチームと協力することで、より多くの消費者が私たちのブランドと長期的な関係を築けるような、独特な何かを作り上げることができた」と、プルーブンの共同創業者でCEOのミン・S・ジャオ氏は語った。
実店舗での体験は、インタラクティブなビデオディスプレイで構成されており、顧客がQRコードをスキャンしてプルーブンの3分間のスキンゲノムクイズに回答すると、パーソナライズされたスキンケアが処方される。顧客からの質問にはセフォラのビューティアドバイザーが対応する。プルーブンは2018年に、BIPOC創業あるいは所有の小規模なブランドの事業支援を行うブランドインキュベーションプログラム、セフォラ・アクセラレートに参加している。
2022年暦年の1-K年次提出書類によると、プルーブンの売上高は2022年に60%近く成長し、3300万ドル(約48.3億円)を超えた。増収は主に顧客数の増加と、2023年3月にフレグランスブランドのノートウォージー(Noteworthy)を年半ばに買収したことによるものだ。
EMMA SANDLER(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)