[ DIGIDAY+ 限定記事 ]YouTubeでの再生、Facebookでの再生、Twitterでの再生、Snapchat(スナップチャット)での再生はすべて異なる。動画を再生できるさまざまなコンテキストに加え、プラットフォームごとに再生の数え方も違う。各プラットフォームの動画再生回数のカウント方法について、米DIGIDAYが調査を行った。
[ DIGIDAY+ 限定記事 ]すべての動画再生が同様になされているわけではない。YouTubeでの再生、Facebookでの再生、Twitterでの再生、Snapchat(スナップチャット)での再生はすべて異なる。動画を再生できるさまざまなコンテキストに加え、プラットフォームごとに再生の数え方も違う。インスタグラム(Instagram)のIGTV、LinkedIn(リンクトイン)、ピンタレスト(Pinterest)、レディット(Reddit)のような新しい動画プラットフォームもあれば、以下で説明するように、オーガニック動画の再生のカウント方法もさまざまだ。
プラットフォームは通常、動画の再生が始まってから数秒が経つと再生したとカウントする。しかし、特定のプラットフォームがいつから再生とカウントしはじめるのか、その起点が3秒のところもあれば1秒に満たないところもある。たいした違いではないと思われるかもしれないが、多くのプラットフォーム上での再生回数の公共性や、人気投票の代わりとしての再生の役割を考えると、オーディエンスはもちろんのこと、広告主のあいだでも、これは特定の動画やチャンネルの知覚価値に影響しうる。
動画やチャンネルの評価、スポンサー付き動画キャンペーンをともに実施する相手の査定に関して、パブリッシャーやインフルエンサー、マーケターが以前より賢くなって、再生回数以上のものに目を向けるようになったことは間違いない。企業は、視聴時間や完了率、コメント、いいねやシェアの数などのエンゲージメントの指標をますます重要視するようになった。動画のインパクトの計測にはその方がより適しているし、フィード内で動画をランク付けする場合、プラットフォームのアルゴリズムが再生回数より視聴時間のような指標を優先すると言われているからだ。さらに、チューブラー・ラボ(Tubular Labs)やコンビバ(Conviva)のように、基本の再生回数以外にチャンネルや動画を解析するツールを提供している企業もある。
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しかし、再生回数には公共性があるので、マーケターやエージェンシーは、ブランドとともに仕事をするのをどのインフルエンサーまたはパブリッシャーにしようかと調査する際に、再生回数に言及することが多い。あるエージェンシーの幹部はこう話す。「我々は、再生の質を調査するためにコメントやいいねにも目を向けるが、再生は、我々がどれだけの人にリーチできそうかを予測するための、もっとも簡単な初期バロメーターを提供してくれる」。
パブリッシャーやインフルエンサーは、最初のところで動画の再生回数をもとに評価されることを認識しており、この頃はクロスプラットフォームで何万、何億という動画再生が毎月行われているかをしきりに謳っている理由のひとつもここにある。ファーストメディア(First Media)は、個々のプラットフォームより再生回数に焦点を絞るほうがよいと考えている。再生回数の数え方の違いではなく、クロスプラットフォームの総再生回数を知ることは「ソーシャルメディアでの声の共有の指標になる」からだと、同社の最高経営責任者(CEO)ガイ・オラニム氏はいう。
さらに、スポンサー付き動画の再生回数は、パブリッシャーやインフルエンサーがブランドから受け取る金額にも影響しうる。多くの場合、インフルエンサーはスポンサー付き動画キャンペーンにおいて、自身のフォロワー数や彼らの動画の再生回数、いいねやコメントの数といった基準をもとに、ブランドに対して定額料金を請求する。しかし、マーケターのなかには、パフォーマンス目標の達成を動画に賭けることを不安に思い、動画の再生回数が一定数に達したらいくらかのお金が手に入るように、支払い体系を調整するよう持ちかけるものもいる。「これが少しずつ広まりつつある」と、ベントピクセルズ(Bent Pixels)の戦略パートナーシップおよびタレントリレーションズ担当バイスプレジデントを務めるニック・カレラス氏は話す。
各プラットフォームの再生回数のカウント方法を説明する前に、ひとつ注意をしておきたい。すべてのプラットフォームがここに紹介されているわけではない。下のリストにはYouTubeも含まれているが、オーガニック再生のカウント方法は教えてくれなかった。YouTubeの広報担当者によると、スパマーがその情報を使ってシステムを操作しようとする可能性があるからだという。さらにTwitch(ツイッチ)は、再生回数のカウント方法についての情報提供には応じなかったほか、TikTok(ティックトック)の広報担当者は途中から回答しなくなった。今後こうしたプラットフォームから再生回数のカウント方法に関する情報提供があれば、またすでに提供された情報に変更があれば、本稿の内容は更新されることになる。
どのタイミングで動画再生をカウントするか?:動画が3秒再生された時点
どのタイミングでストーリー動画再生をカウントするか?:ストーリー動画の再生がはじまった時点
(たとえば、自動再生が無効になっているなど)動画を再生するためにクリックしなければならない場合、カウント方法を変えているか?:変えていない
再生回数を公開しているか?:ストーリー動画でないものは公開している
インスタグラム
どのタイミングでフィード動画再生をカウントするか?:動画が3秒再生された時点
どのタイミングでIGTV動画再生をカウントするか?:動画が3秒再生された時点
どのタイミングでストーリー動画再生をカウントするか?:ストーリー動画の再生が始まった時点
(たとえば、自動再生が無効になっているなど)動画を再生するためにクリックしなければならない場合、カウント方法を変えているか?:変えていない
再生回数を公開しているか?:ストーリー動画でないものは公開している
どのタイミングで動画再生をカウントするか?:動画が3秒再生された時点
(たとえば、自動再生が無効になっているなど)動画を再生するためにクリックしなければならない場合、カウント方法を変えているか?:変えていない
再生回数を公開しているか?:公開している
ピンタレスト
どのタイミングで動画再生をカウントするか?:動画が2秒再生され全体の50%が視聴された時点
(たとえば、自動再生が無効になっているなど)動画を再生するためにクリックしなければならない場合、カウント方法を変えているか?:変えていない
再生回数を公開しているか?:公開していない
レディット
どのタイミングで動画再生をカウントするか?:動画再生が始まった時点
(たとえば、自動再生が無効になっているなど)動画を再生するためにクリックしなければならない場合、カウント方法を変えているか?:変えていない
再生回数を公開しているか?:公開していない
Snapchat
ディスカバー(Discover)における動画(ショウ[Show]、パブリッシャーストーリー[Publisher Story]、アワーストーリー[Our Story])について、どのタイミングで動画再生をカウントするか?:動画再生が始まった時点
(たとえば、自動再生が無効になっているなど)動画を再生するためにクリックしなければならない場合、カウント方法を変えているか?:変えていない
再生回数を公開しているか?:公開していない
どのタイミングで動画再生をカウントするか?:動画が2秒再生され全体の50%が視聴された時点
(たとえば、自動再生が無効になっているなど)動画を再生するためにクリックしなければならない場合、カウント方法を変えているか?:変えていない
再生回数を公開しているか?:公開している
YouTube
前述のとおり、スパマーが情報を使ってシステムを操作しようとする可能性があるからと、YouTubeの広報担当者はオーガニック再生のカウント方法は明かさなかった。このようにYouTubeが透明性を欠いているのは、特に違法な視聴を根絶するために、同社が動画の再生カウント方法を頻繁にアップデートしていることを考慮すると、その対応は根拠があることかもしれない。しかし、YouTubeは動画再生回数を公表し続けており、再生回数のカウント方法の不透明さは、メディア企業やマーケターがほかの競合プラットフォームとの比較でYouTubeを評価しようとしたときにネックになりうる。さらに複雑な問題となるのが、YouTubeはトゥルービュー(TrueView)広告を少なくとも30秒再生されたらカウントしているが、企業のなかには、それが本当ではないとしても、これがオーガニック動画にも適用されていると信じて運用しているところがあるかもしれない。「一般的に言って、透明性があることは誰にとってもより良いことだ」と、オラニム氏は語った。
Tim Peterson(原文 / 訳:ガリレオ)