メタ(Meta)によるテキストベースのアプリ「Threads」では、すでにブランドやパブリッシャーが実験やエンゲージメントの分析を始めている。ソーシャルファーストのパブリッシャーであるラッドバイブル(Ladbible)もそのひとつだ。現在、このアプリで何が効果を示し、何が効果を示さないのかを見極めようとしている。
しかし、まだ戦略と呼べる物は存在していない。現状のThreadsの段階では、戦略の存在は時期尚早と考えるほうが、正しいのかもしれない。米DIGIDAYは、ラッドバイブルのインスタグラムとTikTok担当リーダーであるレベッカ・タイレル氏に連絡を取り、彼女がThreadsに持った第一印象と現在の利用方法について詳しく聞いた。
インタビューは読みやすさを考慮して、編集を加えてある。
◆ ◆ ◆
――Threadsの第一印象はどのようなものか
ミームやバイラル動画から始まったラッドバイブルのルーツに戻る感じがする。Threadsの開始時に我々が取った手法もそう(ミームとバイラル動画)だ。同プラットフォーム上でのイーロン・マスクとマーク・ザッカーバーグのあいだの争い(を扱ったミームやバイラル動画)がその例だ。我々は、コンテンツバイブル(Content Bible、同社がユーザーからコンテンツを受け取るプラットフォーム)からの子供たちがかけっこをしているバイラル動画を取り上げ、そこに写っている子供たちに画面上で各ソーシャルメディアのロゴを貼り付け、Twitterのロゴを貼った子供が倒れる様子を描いた。
インスタグラムでフォローしているアカウントをThreadsでもフォローするシームレスな移行を提供してくれたおかげで、Threadsでもすでに我々を知っているユーザーがフォローしてくれた。もちろんフォロワーには、我々を初めて知った人々もいる。忠実なオーディエンスだけでなく、これらの新しいフォロワーに対して何を投稿できるかを考えており、彼らが我々をThreadsでフォローし続けてくれるようにしたい。
このほか、タイレル氏がThreadsにおける現状の使用方法、エンゲージメントや機能面について、語っている。
メタ(Meta)によるテキストベースのアプリ「Threads」では、すでにブランドやパブリッシャーが実験やエンゲージメントの分析を始めている。ソーシャルファーストのパブリッシャーであるラッドバイブル(Ladbible)もそのひとつだ。現在、このアプリで何が効果を示し、何が効果を示さないのかを見極めようとしている。
しかし、まだ戦略と呼べる物は存在していない。現状のThreadsの段階では、戦略の存在は時期尚早と考えるほうが、正しいのかもしれない。米DIGIDAYは、ラッドバイブルのインスタグラムとTikTok担当リーダーであるレベッカ・タイレル氏に連絡を取り、彼女がThreadsに持った第一印象と現在の利用方法について詳しく聞いた。
インタビューは読みやすさを考慮して、編集を加えてある。
Advertisement
◆ ◆ ◆
ーーThreadsの第一印象はどのようなものか
ミームやバイラル動画から始まったラッドバイブルのルーツに戻る感じがする。Threadsの開始時に我々が取った手法もそう(ミームとバイラル動画)だ。同プラットフォーム上でのイーロン・マスクとマーク・ザッカーバーグのあいだの争い(を扱ったミームやバイラル動画)がその例だ。我々は、コンテンツバイブル(Content Bible、同社がユーザーからコンテンツを受け取るプラットフォーム)からの子供たちがかけっこをしているバイラル動画を取り上げ、そこに写っている子供たちに画面上で各ソーシャルメディアのロゴを貼り付け、Twitterのロゴを貼った子供が倒れる様子を描いた。
インスタグラムでフォローしているアカウントをThreadsでもフォローするシームレスな移行を提供してくれたおかげで、Threadsでもすでに我々を知っているユーザーがフォローしてくれた。もちろんフォロワーには、我々を初めて知った人々もいる。忠実なオーディエンスだけでなく、これらの新しいフォロワーに対して何を投稿できるかを考えており、彼らが我々をThreadsでフォローし続けてくれるようにしたい。
ーーこれまでに何か結論は出ているか
この初期段階では、我々はThreadsが生み出すハイプと興奮に関わりたかっただけだ。そのため、投稿はポジティブで元気を与えるものに保っている。FacebookやTwitter(正確にはX)のアカウントでも投稿されているコンテンツを、Threadsのフォロワーに次々に見せることはしたくなかった。FacebookやTwitterのアカウントでは、記事、動画、コマースコンテンツが多い。
ローンチから数日後、パブリッシャーのなかにはほかのプラットフォームにおける標準的な戦略をすでにThreadsにも適応させているところがあることに気づいたが、私自身もユーザーとして、この段階ではそれがかなりイライラすると感じている。まだ皆がそこで楽しんでいるときに、投稿の物量が激しすぎる感じがしたからだ。
いまのところ、我々は自分たちの記事やバイラル動画へのリンクを数回試してみたが、まだとてもカジュアルでポジティブな投稿に保っている。しっかりとした戦略を投稿に組み込んでいくのは今後だ。
ーー現在、Threadsをどのように使用しているか
ローンチ直前に、我々はメタからThreadsのガイダンスを受け取った。それには、コミュニティガイドライン、投稿できるコンテンツの種類、テキスト投稿の文字数に関する指示が含まれていた。我々は現在、おおよそ30分ごとに投稿をしている。ただし、Threadsには多くの人々がいたため、我々の投稿は自然に目につくようになっていた。
現在、我々はその場の状況に応じて即座に判断をしている。我々がすでに素晴らしい戦略を持っているわけではなく、「我々には何ができるか?」を探っている、という感じだ。しかし、すでにThreadsで軽い投稿スケジュールをどのように作れるかを検討している。まだFacebookのようなものにはならないだろう。Facebookでは、記事と動画を交互に投稿するという非常に厳格な戦略がある。
ーーエンゲージメントについてはどうか
エンゲージメントの観点からすると、ユニラド(Unilad)とゲーミングバイブル(Gamingbible)はすでにThreadsでのフォロワー数(34万3000人と9万8500人)がTwitterでのフォロワー数(20万2900人と7万4200人)を上回っている。初期段階ではTwitterよりもThreadsでのエンゲージメントが多くみえるが、投稿によってまちまちだ。Threadsが今月ローンチしたことを考え、我々はあまりメトリクスにこだわっていない。現時点では、ただ楽しんでいるだけだ。
エンゲージメント(があること)は、我々がオーディエンスに対して正しいことをしているという証拠だ。常にソーシャルリスニングを行い、コメントを見ているが、これまで投稿したものに対しては肯定的な反応を確認している。(人々の声に)耳を傾け、少しずつほかの投稿タイプを導入しようと思っているが、それでもオーディエンスが関心を持っていることに関連性を保つつもりだ。
ーーラッドバイブルにとって、Threadsでポテンシャルがあるコンテンツの種類は何か
我々はほかのプラットフォームで使用している投稿の一部をThreadsでテストしており、常にコメントをチェックして人々がそれについて何を言っているか、あるいは一般的な感情は何か、を見ている。たとえば、Threadsのカルーセル(画像を横にスライドして表示する機能)は本当に素晴らしく、インスタグラムよりもよく見えると言っても過言ではない。間違いなく今後も試し続ける機能だ。
ーーソーシャルファーストのパブリッシャーとして、Threadsで役立つようなタイプの機能は何があるか
検索機能があると非常に便利だろう。現在のThreadsでは、ほかのブランドを検索することはできるが、キーワードやハッシュタグを検索することはできない。これらは重要な機能だ。トレンディングトピックはインスタグラム、Facebook、さらにはTikTokでのコンテンツ作成の大部分を占めており、ユーザーが投稿やコメントをプラットフォーム間で共有することを可能にしている。
また、インスタグラムの共有投稿(コラボ機能)がThreadsでも実現されることを楽しみにしている。それは会社全体のキャンペーンなどに非常に役立つからだ。この機能によって、できるだけ多くのユーザーに投稿を見せられる。
間違いなく、メタの既存のビジネススイートに組み込まれているスケジューリングとインサイト機能が我々には必要だ。現在、予約投稿機能は存在せず、私のチームには専門の週末チームがいないため、(予約機能の欠如)は困難を引き起こす可能性がある。そのため、土曜日と日曜日に投稿するコンテンツの数は(平日に比べて)減っている。そして、我々はソーシャルプラットフォームのネイティブであるためすべてをスマホ上で行っているが、現状は投稿そのものを見る以外には何のインサイトも得られていない。
今後、マネタイズの機会があることを期待している。我々はあくまでビジネスをしているからだ。ただし、インスタグラムでもまだ動画のマネタイズができていないため、今か今かと高い期待を持って待つつもりではない。
Krystal Scanlon(翻訳:塚本 紺、編集:島田涼平)