Googleの製品管理、広告プライバシー、ユーザー信頼担当シニアディレクターを務めるデビッド・テムキン氏は米DIGIDAYのポッドキャストで、Googleは予定通り、2023年末にChromeブラウザでサードパーティCookieを廃止するつもりだと述べた。

もちろん、これまでもそうだったように、スケジュールそのものが変わる可能性はまだある。しかし、Googleが以前の期限を延長すると決めたのは、テストと調整の時間を確保するためだとテムキン氏は説明している。「終着点までの視界はかなり良好だ。そのための計画もしっかり立て、急ピッチで進めている」。

その計画の大部分は、GoogleのCookie代替技術を網羅するプライバシーサンドボックス（Privacy Sandbox）を中心に進められており、そこにはコンテクスチュアルターゲティングの提案であるTopics（トピックス）、リターゲティングツールのFLEDGE(フレッジ)などが含まれる。そして、厳密に言うと、Googleは2つのプライバシーサンドボックスを持っている。ウェブ向けのPrivacy Sandbox for Chromeと最近発表されたモバイル向けのPrivacy Sandbox for Androidだ。

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CTV広告エコシステムが成長していること、CTVがCookieのようなIPアドレスに依存していることを考えると、いずれCTVも独自のプライバシーサンドボックスを手にすることになりそうだ。テムキン氏はそのような可能性を心に描いている。

「他の識別子がないプラットフォームと同じように、CTVでも関連性の高い広告を配信するソリューションをいつか実現できるのか？ 答えはイエスだ」とテムキン氏は述べている。

それでは、ポッドキャストのハイライトをお届けしよう。なお、長さと読みやすさを考慮して編集を加えている。

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プライバシーサンドボックスの標準化

私たちは（プライバシーサンドボックスが）業界全体で採用されることを期待している。そのためのステップは2つある。ほかのブラウザはそのまま取り入れるだろうか？ それは可能だ。Chromeベースのブラウザは数多くあるが、これらはそのまま取り入れることができる。しかし、理想を言えば、W3Cで標準化してほしい。そうすれば、全体的な相互運用性が確保される。それが目的だ。プライバシーサンドボックスはブラウザの一部であり、ブラウザのコードベースの一部だ。

Chromeのデータはプライバシーサンドボックスのどこに位置づけられるのか

Chromeのデータはプライバシーサンドボックスの一部ではない。ターゲティングや測定のために使用することはない。広告に関しては、ひとつだけ不正検知に使っている。それだけだ。だから、「ユーザーをターゲティングするためのよりよいデータがある」ということにはならない。そういう路線ではない。しかし、不正防止には役立つ。

2つのプライバシーサンドボックスの比較／対比

ひとつのたとえがある。ユーザーはサイトからサイトへと移動するように、アプリからアプリへと移動する。これはユーザーの関心を判断するのに利用できるだろうか？ しかし、モバイルに目を向けると、その大きな部分を占めるのはアプリのインストールだ。

アプリのインストールは、ユーザーがどのようなアプリを持っているかに基づいて行われるが、ここにも同じようなトラッキングの懸念がある。そのような環境下で、アプリのインストールを促すアプリ広告をどのように配信するのだろうか？ その問題を解決するのがSandbox for Androidだ。Chrome版との直接的な類似点はない。

FLoCからTopicsへの脱却

FLoCは、たまたま同じような関心を持つユーザーのコホートにユーザーを分類するものだ。しかし、使われている方法論を考えると、ブラウザはユーザーの関心を判断できなかった。そのため、ユーザーは「なぜこの広告が表示されるのだろう？ 私がどのような関心を持っていると思ったのだろう？ その根拠は？」と首をかしげた。FLoCにはその答えがなかった。

一方で、Topicsはブラウザの中で動くため、その点に関しては、はるかに優れている。閲覧履歴からトピックを推測するため、ブラウザ自身がトピックを把握しているのだ。しかも、それをユーザーに見せることができ、ユーザーがコントロールできる。これは大きな前進だ。

［原文：Google’s David Temkin sheds light on the company’s preparations for disabling third-party cookies］

Tim Peterson（翻訳：米井香織／ガリレオ、編集：猿渡さとみ）