米DIGIDAYの調査では、クライアント側のマーケターは大半が、ブランデッドコンテンツキャンペーンのコンテンツ拡散にお金をあまり使わなくなっている。ブランデッドコンテンツの拡散に使う額はキャンペーン1本あたり1万ドル(約112万円)未満という回答が60%を占めた。【※本記事は、一般読者の方にもnoteにて個別販売中(480円)です!】
米DIGIDAYの調査では、クライアント側のマーケターは大半が、ブランデッドコンテンツキャンペーンのコンテンツ拡散にお金をあまり使わなくなっている。米DIGIDAYが8月に開催したコンテンツマーケティングサミット(Content Marketing Summit)でクライアント側マーケター31人に調査をしたところ、ブランデッドコンテンツの拡散に使う額はキャンペーン1本あたり1万ドル(約112万円)未満という回答が60%を占めた。
少ない拡散費用の理由
少ないと感じるとしたら、考えられる理由がふたつある。ひとつ目は、ブランデッドコンテンツでマーケターのソーシャルプラットフォーム離れが進んでいること。代わりにオウンドチャネルに力を入れており、その場合、拡散が無料になる。
ふたつ目は、約束していたパフォーマンスに到達できずに、パブリッシャーが拡散のコストを負担するケースが増えていること。もちろん、拡散コストはコンテンツ制作などとあわせてパッケージ化されていることが多く、キャンペーン費用のうちいくらが拡散に使われているのかをクライアント側が正確に特定するのは難しい。
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ソーシャルプラットフォームでの拡散はお金がかかる。パブリッシャーからすると、Facebookでオーガニックリーチが制限されたことと、業界全体でデジタル広告の価格が上がっていることが、この問題をますます悪化させている。テキスト中心の記事以外の、動画などのフォーマットによるブランデッドコンテンツが増えており、これが制作だけでなく拡散コストの増加にもつながっている。
信頼が揺らぐFacebook
ブランデッドコンテンツは、パブリッシャーの収益源として重要性が高まっており、今後の収益増をますます期待されている。しかし、拡散にかかるコストが明らかに、潜在的なマージンを浸食している。
デジタルパブリッシャーのファーザーリー(Fatherly)のCOOであるマイケル・ウェルトハイム氏は以前の記事で、Facebookはブランデッドコンテンツの閲覧数の有効な推進力だと語っていた。しかし、Facebookの指標を巡る最近のスキャンダル以降、その有効性にはいっそう疑いの目が向けられているのではないだろうか。
ブランデッドコンテンツキャンペーンの拡散に払うコストは、パブリッシャーがパフォーマンス保証で同意している指標でも変わってくる。閲覧数などの指標は、セールスファネルでさらに先に位置するメールのリードのような指標と比べると、プログラマティックエクスチェンジによって比較的、簡単かつ安価に獲得できる。
とにかく、クライアント側がブランデッドコンテンツの拡散にお金を出さなくなっているとしても、それは、ブランデッドコンテンツの拡散にお金がかからなくなっているということではないのだ。
Mark Weiss (原文 / 訳:ガリレオ)