6月8日に開催された第1回クリエイターウィーク(Creator Week)で、インスタグラムはクリエイター向けにふたつの新たなショッピング機能を発表した。商品販売をしているクリエイターや、アフィリエイトコマースを検討しているクリエイターにとってより魅力的なプラットフォームになるための取り組みを進めている。
インスタグラムは、商品販売をしているクリエイターや、アフィリエイトコマースを検討しているクリエイターにとってより魅力的なプラットフォームになるための取り組みを進めている。
6月8日に開催された第1回クリエイターウィーク(Creator Week)で、インスタグラムはクリエイター向けにふたつの新たなショッピング機能を発表した。ひとつは特定の商品が購入された際にクリエイターにコミッションが支払われるネイティブアフィリエイトツールで、数カ月以内に米国内でテストを開始する予定だ。もうひとつの新たなショッピング機能は、クリエイターが自身の商品サイトのリンクをビジネスアカウントとクリエイターアカウントの両方のプロフィールに設置できるというもので、こちらは6月9日付で全世界で提供された。
インフルエンサーマーケティングを戦略の一部として採用するブランドがますます増えるなか、クリエイター向けの、プラットフォームが提供するコンテンツ制作ツールやソーシャルコマースツールの重要性が高まっている。多くのインフルエンサーがテストに参加するほど、ツールは改善され、結果としてますますインフルエンサーやブランド、小売業者を惹きつける。
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重要なポイント:
- インスタグラムのネイティブアフィリエイトツールはまだテスト段階であり、米国でのみ利用可能。パートナーブランドは、ベネフィット(Benefit)、コパリ(Kopari)、MAC、パット・マクグラス・ラブス(Pat McGrath Labs)、セフォラ(Sephora)など。テストには「少数のクリエイター」が参加予定であるとFacebookで述べられているが、具体的な人数や、より多くのブランドやクリエイターに対象を拡大する時期は明言されていない。Facebookは6月7日、クリエイターに対して2023年まですべてのサービス利用料を免除すると発表した。
- 6月9日以降、商品販売をおこなっているクリエイターは、商品リンクをビジネスアカウントだけでなく、クリエイター個人のアカウントにも設置できるようになった。
他プラットフォームも同様の動き
パンデミックはインフルエンサーの世界を活性化させた。人々がみな家にこもってスマートフォン漬けになるなかで、ブランドはソーシャルメディアで顧客にリーチするため、インフルエンサーに狙いを定めたのだ。
Snapchat、TikTok、YouTube、ピンタレスト(Pinterest)といった競合プラットフォームが、インフルエンサーサミットを開催し、アクセラレータープログラムを立ち上げ、クリエイター基金を創設するなかで、インスタグラムはクリエイターのためにもっと努力すべきだというプレッシャーを感じている。
インスタグラムが販売手数料を無料にし、アフィリエイト分野に進出することは、ソーシャルコマースの時計の針を動かす結果になるかもしれない。
「すべての(ソーシャル)アプリにクリエイター向けのコマース機能が追加されることになるだろう。これは永続的な変化だ」と、クリエイター商品プラットフォームのスプリング(Spring)でCEOを務めるクリス・ラモンターニュ氏は述べる。
プラットフォームを増やして売上拡大
ともあれ、インスタグラムに追加される新機能は、クリエイターがファンとのつながりから収益を得る新たな手段となるだろう。
たいていのクリエイターはひとつのプラットフォームから活動を開始するが、やがてほかのプラットフォームにも活動の場を広げることが多い。フォロワーを増やし、リーチの拡大を目指すブランドにとって魅力的な存在になるためだ。2021年4月におこなわれたeマーケター(eMarketer)の調査によると、米国のインフルエンサーのうち、アフィリエイトリンクやプロモーションコードが主な収入源であると答えた人はわずか9%だった。一方、ブランドとのコラボレーションを主要な収入源にあげるインフルエンサーは、全体の70%近くを占めた。
ERIKA WHELESS(翻訳:的場知之/ガリレオ、編集:長田真)