コンデナスト 、数百人規模の「解雇」を計画中

米国を本拠とする多国籍雑誌出版企業コンデナスト(Condé Nast)は、スタッフにeメールで送付した覚書によると、減給および一時帰休に加え、解雇も近々実施するという。

同社は全世界の従業員――およそ6000人――の「1桁台前半の割合」を解雇することになると、この件に詳しい情報筋は明かした。状況が悪化すれば、解雇者は300人近くに上る可能性があるという。

公式発表はまだないが、覚書には、構造変化の「プロセスを長引かせないよう」、5月末までには実施すると記されていた。同社広報によれば、現在、解雇および一時帰休の対象とする職務について精査中だという。

同社CEOロジャー・リンチ氏は覚書に、特定の職務に対して、一時帰休および仕事量の減少も実施すると書いている。具体的な職務名は記されていないが、該当者は損失の補償として、政府の支援計画や緊急経済対策の恩恵を受けられる旨が明記されていた。

覚書によると、同社は5月1日より、年収10万ドル(約1000万円)以上の従業員について、一時的に9月まで基本給を10%から20%削減し、幹部には一律20%の削減を行なう。リンチ氏および社外取締役の基本給は50%減となる。

「経費削減以上の措置が必要」

リンチ氏によれば、大半のメディア企業と同じく、コンデナストも印刷物およびデジタルディスプレイにおける広告ビジネスが「このたびの危機により甚大な被害」を受けており、今年度の資金計画の見直しを迫られているという。

実際、多くのパブリッシャーは、トラフィック急増にもかかわらず、プログラマティック広告価格低下への対応に追われている。加えて、コマースコンテンツにおけるアフィリエイトフィーの低下と、バーチャルに移行できるイベントを除いた、ほぼすべてのライブイベントのスポンサーシップ喪失も同時に起きている。

「長期的にビジネスを守っていくためには、当初の経費削減策以上の措置が必要になるだろう」と、リンチ氏は書いている。

覚書によれば、数百あったオープンポジションへの募集も4月第3週で打ち切り、新規雇用は同社がきわめて重要と考える職務に限定している。

リンチ氏は最後に、いくつかの内部プロジェクトを2021年まで推し進めていくと明記している。これには、財務部および人事部の財務/人事管理ソフトウェア、ワークデイ(Workday)への移行、既存誌地域版のコンテンツ管理システム(CMS)であるコパイロット(Copilot)への移行、内部イベント管理場所の世界各地への設置および従業員のグローバルなイントラネットの構築、といったプロジェクトが含まれる。

パブリッシャー業界各社の動向

雑誌およびデジタル出版分野におけるコンデナスト最大のライバル2社、ハースト(Hearst)とメレディス(Meredith)はいまだ、新型コロナウィルス感染症拡大に伴う経済打撃の結果としての解雇、賃金カット、一時帰休を発表していない。一方、グループ・ナイン(Group Nine)、ヴァイス・メディア(Vice Media)、BuzzFeedをはじめとするデジタルネイティブパブリッシャーはいずれも、さまざまな経費削減策を講じている。

KAYLEIGH BARBER(原文 / 訳:SI Japan)