【一問一答】:「 データ透明性ラベル 」とは?:セカンドパーティデータ利用に役立つ標準化項目

インタラクティブ広告協会(Interactive Advertising Bureau:以下、IAB)はいま、栄養成分表示ラベルの政府による管理に倣い、デジタル広告で使われるデータをオープンにする新たな取り組みをはじめようとしています。

IABのテックラボ(Tech Lab)は、どのデータを誰から購入するかを決めるのに必要な情報を広告主が見つけやすくすることを目的に、データ透明性ラベル(Data Transparency Label)の策定を進めています。今回は、自分の所有物ではないデータの使用につきまとうリスクの低減にデータ透明性ラベルがいかに役立つかを解説しましょう。

以下、いつもの「一問一答」シリーズの形式でお届けします。

──データ透明性ラベルとは何ですか?

データ透明性ラベルは、アドテクベンダーが販売しているデータの質を明確に示すために使える、標準化されたラベリングシステムです。食品についている栄養成分表示と同様、データ透明性ラベルは、特定のオーディエンスセグメントを定義するルールとともに、データがどこから来たか、どうやって集められたか、操作されているか、モデル化されているかなど、以前は隠されていた詳細情報を広告主に対して明らかにします。全部で20の標準化項目があるようです。各項目は、マーケターやエージェンシー、データプロバイダー、パブリッシャーにデータセグメント内にあるものの概要を明確に示し、業界の関係者が共通の分類を用いることができるようにすることを意図しています。

──なぜ業界は、別の標準を必要としているのでしょう?

当然のことですが、広告主はすでに、そうした詳細情報をデータプロバイダーに尋ねているはずです。しかし、標準化されたラベリングシステムの構築によって、パブリッシャーであろうとアドテクベンダーであろうとトレーダーであろうと、プログラマティックな取引に関わる全員が、データセグメントに何が含まれているかを正確に知ることになるでしょう。

──データ透明性ラベルが広告主にとってメリットとなる理由は?

欧州での「一般データ保護規則(General Data Protection Regulation:GDPR)」の施行や米国での「カリフォルニア州消費者保護法(California Consumer Privacy Act:CCPA)」の成立の副産物として、世界中の広告主は、オンラインでオーディエンスをターゲット化する方法について、考え直すようになりました。たとえばアメリカン・エクスプレス(American Express)は、パブリッシャーが(広告主との共有についての同意をすでに得ている)データの代替物を提供することを求めていますし、日産自動車のように、データの取り扱いが怪しいアドテクベンダーは使わないと脅しをかける企業もあります。これらのアプローチが機能するには、メディアバイヤーがデータの購入先となるパブリッシャーまたはベンダーを対象に監査を実行する必要があります。データ透明性ラベルの存在は、各ベンダーを比較できるような方法で監査を行うことにあたり、必要な情報に広告主がアクセスできることを意味します。

──データ透明性ラベルは広告主だけにメリットがあるものなのですか?

データ透明性ラベルはパブリッシャーにも大きな影響を与えるでしょう。(通常はメディア所有者の資産である)セカンドパーティデータの利用が一般的になるにつれ、セカンドパーティデータを売る市場が出現しつつあります。

データプラットフォーム、パーミューティブ(Permutive)のマーケティング担当ディレクター、エイミット・コテチャ氏は次のように話しています。「サードパーティデータの利用が減り、エコシステム内で唯一ユーザーデータを集め、処理し、分類できる組織として、パブリッシャーが力を取り戻しています。パブリッシャーはどこも、自身が持つファーストパーティオーディエンス(からの情報)のデータ提供者になり得ると、我々は信じています。サードパーティのユーザーIDでメディアを取引するのではなく、広告業界はオーディエンスIDを介してメディアを取引するようになるでしょう」。同氏はさらに、「パブリッシャーのインベントリー(在庫)は、彼らが持つデータやオーディエンスの質を基に評価されるようになるでしょう」と付け加えてもいます。

──データ透明性ラベルに興味がわいてきました。ちなみに、登録はどこでできますか?

スリーダブリュー・レリバンシー(3W.relevanC)、ディスティレリー(Dstillery)、エプシロン(Epsilon)、ハースト・マガジンズ(Hearst Magazines)、ライブランプ(LiveRamp)、メレディス(Meredith)、ニュースター(Neustar)、オラクル・データ・クラウド(Oracle Data Cloud)、パンドラ(Pandora)などのデータブローカーは、データ透明性ラベルを試験導入する最初の企業群になります。この計画が夏にスタートしてからというもの、20社ほどが新しいラベリングシステム採用のプロセスを始めるか、それに向けての正式なコンプライアンスプログラムを完成させている、とIABテックラボのゼネラルマネージャーを務めるデニス・バッカイム氏は話しており、初期の予想に基づくと、データ透明性ラベルは2020年後半にはより広く用いられるようになりそうだとバッカイム氏は語っています。これと平行してテックラボは、マーケターやエージェンシー向けの教育ウェビナーや説明会を通じて計画のプロモーションを続ける予定です。こうした説明会では主に、透明性の追加やセグメントのメタデータを適用することで、戦術的なデータ選択やキャンペーンの効率性がいかに向上するかに焦点が当てられるでしょう。

Seb Joseph(原文 / 訳:ガリレオ)