インフルエンサーマーケティング、最悪な7つの失敗例 2018

インフルエンサーマーケティングが成熟し、インフルエンサーたちがより厳格な長期契約を結ぶようになるにつれ、マーケティング活動のしくじり、失敗が以前より明るみに出るようになってきた。ブランドセーフティや詐欺行為を行うフォロワーに関する懸念があり、インフルエンサーに対する基準は高まり、ゆとりがなくなっている。

たとえば、「我々はより認識するようになり、同時に疑いも持つようになった」と、インフルエンサー分析プラットフォームであるハイパー(HYPR)の共同創業者で最高経営責任者(CEO)、ギル・エヤル氏も語る。

この空間がいかに進化し、インフルエンサーがいかに厳しい目を向けられているかを示す、2018年のインフルエンサーマーケティングの失敗の数々を紹介しよう。

ローガン・ポール、YouTubeのブランドセーフティ問題を解き放つ

2018年1月1日、YouTubeのインフルエンサーであるローガン・ポール氏の動画「日本の樹海で死体を見つけた(We found a dead body in the Japanese Suicide Forest)」が、600万回以上視聴されたあとで削除された。死体の横に立っているポール氏が映った動画は、たちまち世間に激しく非難され、各ブランドは、すでにブランドセーフティ問題でかなり疑いの目を向けられてきたこのプラットフォームに疑問を抱くようになった。

YouTubeは一時的にポール氏を「Google Preferred(グーグル・プリファード)」プログラムからはずし、ポール氏がスポンサーを失った結果、いくつかのプロジェクトが中止された。しかし、その10カ月後、ポール氏はまだ、YouTube上に1800万人の購読者を抱え、YouTubeチャンネルで流している広告や自身の製品ライン「Maverick(マーベリック)」から利益を得ている。

フォーブス(Forbes)は、2018年にもっとも稼いだユーチューバー第10位にポール氏を選んでいる。ポール氏は昨年、1450万ドル(約15億円)を稼いだ。

カリフォルニアの山火事、格好の宣伝になる

2018年11月、カリフォルニア州で山火事が猛威を振るっていたとき、インフルエンサーは、自分たちがいかに好機に敏感かを証明した。インフルエンサーのなかには、この災害を利用して自分のプロフィールをアピールし、火事に関連する場所やキーワードのほか、「#coasttocoastlove」や「#californialove」のようなハッシュタグを用いて、パートナー企業からの割引を受けようとした。フォロワーや外部の人間は、こうした自己アピールに対して嫌悪感を示した。


カリフォルニア州の山火事の被害者とはまったく関係のない、注意を惹くための罠を寄付してくれた、すべての勇敢なインフルエンサーに感謝したい

スナップ、自社のインフルエンサーを訴える

2018年最大のインフルエンサーの失敗のひとつを見れば、少なくとも、インフルエンサーも自分たちがサインした契約に対してとうとう責任を負わなくてはいけなくなったことがわかる。スナップ(Snap)の代理人を務めるPRコンサルティング(PR Consulting)は2018年10月30日、同社のメガネ型カメラ「スペクタクル(Spectacles)」のSnapchat(スナップチャット)でのインフルエンサーキャンペーンに関して、ルカ・サバト氏を訴えた。

モデルで女優で、インスタグラム(Instagram)に150万人以上のフォロワーを持つインフルエンサーのサバト氏は、インスタグラムに最低4回投稿をし、ミラノとパリのファッションウィークの期間中にスペクタクルを着用することで6万ドル(約650万円)を受け取ることになっていた。Snapchatがサバト氏に4万5000ドル(約487万円)を前金で払っていたにも関わらず、彼女は約束を果たさなかった。

この訴訟によって、サバト氏の信用が傷ついたことは間違いないが、同時にSnapchatについての恥ずかしい事実も明るみに出てしまったと、エヤル氏はいう。それは、インスタグラムの「ストーリー(Stories)」上で、Snapchatがインフルエンサーキャンペーンを実行していたという事実だ。ちなみに、インスタグラムのストーリーは、Snapchatの同名の機能をマネたものである。

「タナコン」、壊滅的なビドコンの様相を帯びる

6月、フォロワーが350万人いるタナ・モンゴー氏は、ビドコンは大嫌いだと言い放ったのち、自身で同様のイベントをはじめた。彼女はこれを自分の名前にちなんで「タナコン(Tanacon)」と呼び、ケイシー・ナイスタットやベラ・ソーン、ミランダ・シングスのような有名ユーチューバーの参加を約束した。

モンゴー氏は無料チケットを配布し、VIPには65ドル(約7000円)でチケットを販売した。このチケットでファンたちは、お気に入りのユーチューバーに会い、記念品の入ったギフトバッグをもらい、コンサートに参加できるということだった。

だが、参加者は失望した。ギフトバッグに入っていたのはステッカーとコンドームだけだったし、交流会に参加するには、たとえ(チケット代わりの)キャップをかぶっていたとしても、オンライン招待状が必要だとわかった。会場を訪れた数千人のファンの多くは、何も体験することができなかった。5000人収容できる会場が混雑しすぎて、イベントはたった6時間で終了してしまったのだ。モンゴー氏のツイートによると、2万人が会場に来たそうだ。


F・メイウェザーとDJカレド、仮想通貨の宣伝で訴えられる

5月に起こされた訴訟から、インフルエンサーもまた、違法企業の応援役をすることでその責任を問われることがあるということがわかる。TMZが10月に報じたところによると、ボクサーのフロイド・メイウェザー・ジュニア氏とラッパーのDJカレド氏が、セントラ・テック(Centra Tech)に3200万ドル(約34億円)を奪われた投資家たちから訴えられているそうだ。セントラ・テックは、仮想通貨関連の金融製品を販売する会社で、その創業者たちは投資詐欺で4月に告発されている。メイウェザー氏とカレド氏は、セントラ・テックとスポンサー契約をしており、Twitterやインスタグラムを通じてセントラ・テックの仮想通貨を買うよう人々に勧めていた。

シロックの広告、FTCのインフルエンサー規則に違反

2018年12月、擁護団体「トゥルース・イン・アドバタイジング(Truth in Advertising:以下、TINA)」は、ディディー、アシャンティ、フレンチ・モンタナのような有名人を含む50人のインフルエンサーがシロック・ウォッカ(Cîroc Vodka)を宣伝したインスタグラム投稿を1700本集め、有料のパートナーシップであることを明確に示す#adまたは#sponsoredというハッシュタグがすべての投稿についていないことを発見した。TINAは米連邦取引委員会(以下、FTC)に書簡を送り、違反行為を伝え、シロックはこの失態のせいで酷評された。もし、FTCが行動を起こせば、事情はまた変わる。FTCは、未公表のスポンサー契約についてのガイドラインを過去に数回、個人ではなく企業を対象に執行したことがあるだけだ。

インスタのインフルエンサー、「詐欺」講座で20万ドルを集める

Aggie Lal @travel_inhershoesは、インスタグラムに約100万人のフォロワーを持っていて、「インスタグラムを成長させる方法(How to Grow Your Instagram)」という12週間の講座をはじめた。受講すると、旅行ブロガーになって6桁を稼げるようになるというものだった。彼女は1講座につき500ドル(約5万4000円)の受講料を要求し、登録した380人から系20万ドル(約2100万円)近くを集めた。参加者がBuzzFeed Newsに話したところによると、講座は「ウソ」で、まったく期待外れだったという。さらに、参加者の多くは、アフィリエイトリンクを使ってこの講座を彼らのフォロワーに販売する「テスト」を拒否した。

Ilyse Liffreing(原文 / 訳:ガリレオ)