アンダーアーマー 、 D2C 事業低迷で業績予測を下方修正 : 新型コロナウイルスの影響も

アンダーアーマー(Under Armour)の業績不振が止まらない。

スポーツウェアを製造販売するアンダーアーマーは、2月11日に2020年第1四半期の収益報告を発表し、純損失1530万ドル(約17億円)、希薄化後一株当たりの損失3セント(約3.3円)の計上を報告した。同社の2019年の総収入は1%アップの53億ドル(約5874億円)だったが、4.2%の成長目標は未達に終わり、結果、収益報告後に株価は14%下落した

アンダーアーマーは、中国における新型コロナウイルスの感染拡大により、今後、出荷に遅れが出るとしており、結果として、来四半期は最大6000万ドル(約66億円)の売上減を見込んでいる。中国国内の店舗も打撃を受けており、当面、600カ所以上が閉鎖されるという。当該地域における致命的な新型コロナウイルスの大流行は、ナイキ(Nike)やアディダス(Adidas)など、競合他社の中国での売上にも影響をおよぼしている。

当面の製造予定について、同社のパトリック・フリスク最高経営責任者(CEO)は、「世界的な配送状況に関しては、出荷やサービス提供の潜在的な遅れを含め、業界全体で遅れが出ると見るべきだろう」と述べている。

アンダーアーマーが発表した精彩に欠ける2019年度の業績概観から、3つのポイントに絞って以下に紹介する。

業績予測の修正

新年度に向けたアンダーアーマーの展望は険しく、北米市場では、「1桁台半ばから後半のパーセンテージで落ち込む」ことを予想している。2020年の業績見通しで、アンダーアーマーは、1月に創業者のケビン・プランク氏からCEOの職責を引き継いだフリスク氏の指揮下で、損金を埋め合わせる計画を説明している。フリスク氏は、同社の現状について、数年にわたる事業再編と経費削減にもかかわらず、依然として、「継続的な需要の問題を抱えており、事業効率のさらなる改善を促す必要上、投資分野をさらに優先化しつつ、長期にわたって持続的に、かつ利益を出して成長できるポジショニングを確立することが急務である」と語った。

先行き不透明なニューヨークの旗艦店計画

当期収益の副次的被害と言えるのが、2016年に発表された念願の旗艦店計画だ。アンダーアーマーによると、リストラ戦略に要する税引前費用は最大で4億2500万ドル(約470億円)にのぼるといい、この金額には「ニューヨーク市旗艦店の開店費用2億2500万ドルから2億5000万ドル(約250億円から277億円)」が含まれる。マンハッタンのミッドタウン地区の店舗スペースについては、転貸も検討しているという。中断している旗艦店建設計画についてコメントを求めたかったが、連絡をつけることができなかった。

D2C戦略の頓挫

アンダーアーマーによると、ファクトリーハウス(Factory House)という同社のアウトレット店舗を介したD2C事業の売上は、「難しいトラフィックの状況が改善しない」ことから、2019年をわずかに上回る程度にとどまる見込みという。一方、フリスク氏によると、eコマース事業も、正規の価格を払いたがらない買い物客の傾向がたたり、完全に頓挫した。2018年に同社が「最大の長期的成長機会」と位置づけたD2C事業は、2019年の時点で、すでに苦戦を強いられている。

Gabriela Barkho(原文 / 訳:英じゅんこ)