D2Cブランドのあいだで卸売との提携が一般的になるなか、ザ・コンテナ・ストア(The Container Store)は、若いブランドにとって実店舗での販売に挑戦する人気の場となっているようだ。
D2Cブランドのモダンピクニック(Modern Picnic)は、ピクニック用バッグ、ランチバッグ、食品容器といった商品を販売しており、5月にザ・コンテナ・ストアではじめて実店舗での販売を開始した。2022年に創設された住宅改修ブランドのキャラクター(Character)は、最近になって全国ザ・コンテナ・ストア約90店舗で販売をはじめた。またザ・コンテナ・ストアは、9月に旅行用容器ブランドのケイデンス(Cadence)の初の主要小売パートナーのひとつとなった。
ザ・コンテナ・ストアは、D2Cブランドとともに品揃えを積極的に更新してきたと、米モダンリテールに語った。新しいブランドの販売をはじめたのは昨年で、これまでに50ブランドを取り扱うようになった。直近の第1四半期決算発表で、新商品はこれまでのところ、新しい買い物客の獲得に効果を発揮し、第1四半期には、新商品の売上高の24%を新規顧客が占めていると語った。
この記事は、小売業界の最前線を伝えるメディア「モダンリテール[日本版]」の記事です。
D2Cブランドのあいだで卸売との提携が一般的になるなか、ザ・コンテナ・ストア(The Container Store)は、若いブランドにとって実店舗での販売に挑戦する人気の場となっているようだ。
D2Cブランドのモダンピクニック(Modern Picnic)は、ピクニック用バッグ、ランチバッグ、食品容器といった商品を販売しており、5月にザ・コンテナ・ストアではじめて実店舗での販売を開始した。2022年に創設された住宅改修ブランドのキャラクター(Character)は、最近になって全国ザ・コンテナ・ストア約90店舗で販売をはじめた。またザ・コンテナ・ストアは、9月に旅行用容器ブランドのケイデンス(Cadence)の初の主要小売パートナーのひとつとなった。
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ザ・コンテナ・ストアは、D2Cブランドとともに品揃えを積極的に更新してきたと、米モダンリテールに語った。新しいブランドの販売をはじめたのは昨年で、これまでに50ブランドを取り扱うようになった。直近の第1四半期決算発表で、新商品はこれまでのところ、新しい買い物客の獲得に効果を発揮し、第1四半期には、新商品の売上高の24%を新規顧客が占めていると語った。
ターゲットやウォルマートとの違い
ザ・コンテナ・ストアの最高マーチャンダイジング責任者を務めるステイシー・シブリー氏は、「これらの新しいブランドが顧客に受け入れられていることは、嬉しい驚きだった」と米モダンリテールの取材で語った。
第1四半期の連結売上高は2億710万ドル(約311億円)で、前年同期21.1%減だった。これまでに、近藤麻理恵氏やカッサンドラ・アーセン氏など、HGTVやNetflixといったTV番組のホストを起用し、商品の活性化を図ってきた。同社は、より若くトレンド感のあるD2Cブランドを加えることで、ザ・コンテナ・ストアで買い物をする理由を人々に与えたいと考えている。
これまで、新興企業にとってもっとも一般的な卸売パートナーは、ターゲット(Target)やウォルマート(Walmart)などの小売店だった。しかし、そうした数千ものブランドや商品を抱える一般小売企業では、新興企業の商品は売場で埋もれやすいと、マーケティング企業のベラルディ・ウォン(Belardi Wong)のプレジデント、ポリー・ウォン氏は語る。このような場合、ザ・コンテナ・ストアのような専門小売企業のほうが、扱う商品のカテゴリーが狭いため、新興企業にとっては理想的なチャネルになる。
「ターゲットの店舗で販売しているから、商品が必ず売れるわけではない。このような店舗は棚が多く、商品の数も非常に多いからだ。ザ・コンテナ・ストアも大手小売企業だが、より厳選された商品を扱い、ターゲットなどの業者ほど品揃えが多くない」と、ウォン氏は語る。
店舗スタッフはブランドのスポークスパーソン
モダンピクニックにとって、ザ・コンテナ・ストアは、常に目標とする卸売パートナーのひとつだった。2018年に創設され、現在は5つの商品をザ・コンテナ・ストアの5店舗で販売している。モダンピクニックは当初、ザ・コンテナ・ストアの「熱心な顧客層」の目に留まることを期待して、自社商品をザ・コンテナ・ストアに売り込んだ。
モダンピクニック創業者アリ・カミネスキー氏は、ザ・コンテナ・ストアで商品が取り扱われるようになったあとで、店員とのあいだで教育的な交流会を開き、ブランドのビジョンと使命を共有できるようになったと述べている。
「このパートナーシップは実に自然な形で、ごく短期間で実現した。我々は、ザ・コンテナ・ストアが小規模な新興ブランドと提携しようとする意欲があるだけでなく、優れた運営やアイデアを短期間で市場に投入できることにも感銘を受けた」とカミネスキー氏は語る。
ザ・コンテナ・ストアのシブリー氏は、店舗スタッフがブランドのスポークスパーソンになるようトレーニングしてきたと語る。同社で卸売戦略を開始する若いブランドの場合は、ベンダーとの会議を頻繁に行うという。デジタルマーケティングチームもまた、ブランド・パートナーとのコラボレーションを行っている。9月に実施したアンコンテインド(Uncontained)キャンペーンは、今後発売予定の新商品やブランド・パートナーシップへの認知を広めることを目的としたものだ。
「ほかのいくつかの大手小売店で働いたことがあるが、それらの業者では、ブランドにベンダーマニュアルを渡す。これは実のところ、あまり役に立たない。やり方がわからない人々に対しては、その方法を教育するのが我々の役割だ」と同氏は述べている。
「差別化」された「有意義な」商品であること
デジタルネイティブなパートナーに対しては、実際に商品に触れられるような店頭体験を提供しようとしていると同氏は述べる。たとえば、テキサス州プレイノの店舗では、家庭用品を扱うザ・シチズンリー(The Citizenry)のために、店舗内ストアの体験を独占的に提供した。ケイデンスが最近、ザ・コンテナ・ストアでの販売をはじめたときは、買い物客がブランドのストーリーを読み、パッケージに入っていないサンプルを見ることができるような、特別なエンド陳列を設置した。
今年は60〜70の新しいブランドを加え、2024年3月までに1000の新商品を販売することを目標にしている。提携するパートナーの数に制限は設けていないが、ベンダーの候補を調べるときは、差別化されていることと、買い物客にとって「有意義な」商品であることを主に重視しているという。
「最初は、忙しい人々に対して本当の意味でソリューションを提供しているブランドを探すところからはじまった。そしてわかったのは、D2Cブランドはこの点において、我々のほかのパートナーよりもずっと早くこの分野に参入しており、それはまさに自然な成り行きだった」。
[原文:Why The Container Store is betting on DTC brands to refresh its assortment]
Maria Monteros(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)
Image via The Container Store