一部のブランドが依然としてWeb3に対する姿勢を決めかねているなか、プーマ(Puma)の確信に揺るぎはない。同社はWeb3をeコマースおよびソーシャルメディアブームと同等レベルの商業機会と見ている――そしてこのたびは、トレンドにいち早く乗る構えだ。
プーマはWeb3と、まんざら知らない仲ではない。すでにアンリアルエンジン(Unreal Engine)を利用した自身のバーチャル世界、ブラックステーション(Black Station)や、非代替性トークンプロジェクトのSuper Puma PFP(スーパー・プーマPFP)を有しているほか、プロサッカー選手のネイマールを介した「フォートナイト」とのコラボといった、ゲーム内アクティベーションも実施している。ただ、同社が現在練っている構想は、そうした類の投資をすべて融合させる、より完全体に近い形態の構築だ。
その戦略の核となる一つがWeb3の定義拡大であり、そこにはNFTプロジェクトと、「フォートナイト」やRobloxといった非ブロックチェーンのバーチャルワールドがいずれも含まれる。
「Web3は新たなマーケティングテクノロジー」
「我々は基本的に、Web3は消費者とブランドとの交流法をいわば形作る新たなマーケティングテクノロジーだと定義している」と、プーマのエマージングマーケティングテックおよびWeb3部門トップ、イワン・ダシュコフ氏は話す。
Web3が派手な単発実験の色合いを薄め、ブランドの継続的マーケティングミックスの一部になるなか、この幅広い捉え方は実際、一般化してきている。たとえば、自称「Web3コンサル企業」、ヴェイナー3(Vayner3)もWeb3を同様に定義しており、同社は6月、ロブロックスのパートナープログラム(Partner Program)のローンチパートナーの一社になった。
「インターネットの次時代を考える際、我々がパートナーたちと交わしている会話がそれだ」とヴェイナー3のトップ、エイヴェリー・アッキネニ氏は話す。「そこには隣接する複数のテクノロジーが、イマーシブな体験であれ、ブロックチェーンを基本とするものであれ、網羅される」。
一部のブランドが依然としてWeb3に対する姿勢を決めかねているなか、プーマ(Puma)の確信に揺るぎはない。同社はWeb3をeコマースおよびソーシャルメディアブームと同等レベルの商業機会と見ている――そしてこのたびは、トレンドにいち早く乗る構えだ。
プーマはWeb3と、まんざら知らない仲ではない。すでにアンリアルエンジン(Unreal Engine)を利用した自身のバーチャル世界、ブラックステーション(Black Station)や、非代替性トークンプロジェクトのSuper Puma PFP(スーパー・プーマPFP)を有しているほか、プロサッカー選手のネイマールを介した「フォートナイト」とのコラボといった、ゲーム内アクティベーションも実施している。ただ、同社が現在練っている構想は、そうした類の投資をすべて融合させる、より完全体に近い形態の構築だ。
その戦略の核となる一つがWeb3の定義拡大であり、そこにはNFTプロジェクトと、「フォートナイト」やRobloxといった非ブロックチェーンのバーチャルワールドがいずれも含まれる。
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「Web3は新たなマーケティングテクノロジー」
「我々は基本的に、Web3は消費者とブランドとの交流法をいわば形作る新たなマーケティングテクノロジーだと定義している」と、プーマのエマージングマーケティングテックおよびWeb3部門トップ、イワン・ダシュコフ氏は話す。
Web3が派手な単発実験の色合いを薄め、ブランドの継続的マーケティングミックスの一部になるなか、この幅広い捉え方は実際、一般化してきている。たとえば、自称「Web3コンサル企業」、ヴェイナー3(Vayner3)もWeb3を同様に定義しており、同社は6月、ロブロックスのパートナープログラム(Partner Program)のローンチパートナーの一社になった。
「インターネットの次時代を考える際、我々がパートナーたちと交わしている会話がそれだ」とヴェイナー3のトップ、エイヴェリー・アッキネニ氏は話す。「そこには隣接する複数のテクノロジーが、イマーシブな体験であれ、ブロックチェーンを基本とするものであれ、網羅される」。
プーマが入れ込む理由
プーマがWeb3構想にここまで入れ込む理由は、至ってシンプルだ。同社はリテール界における次なる大変動に――今度もまた――乗り遅れたくはない。そして、Web3コマースの到来を極めて重要になりうる変化だと見ている。
「eコマースが軌道に乗れるのかどうか、我々にはいまひとつ確信が持てず、そのせいでいまは少々遅れを取り戻そうとしている。ソーシャルメディアの時にも、同じことをくり返した。私が思うに、弊社はソーシャルメディアにどの程度投資したらいいのか、よくわかっていなかった」とダシュコフ氏は話す。「いま、我々はこのWeb3界において、そうした新しいテクノロジーの数々を目にしている――そしてブランドとして、eコマースとソーシャルでの経験をいわば教訓として受け止め、今回は絶対に乗り遅れたくないと考えている」。
プーマのeコマース事業は近年爆発的に成長しているが――2022年第3四半期の成長率は11.8%を記録し、同四半期のD2C売上高、約5億3800万ドル(約753億2000万円)のかなりの部分を占めた――依然として、ナイキ(Nike)といったライバルのそれとは比較にならない。後者の2022年度におけるeコマース売上は130億ドル(約1兆8200億円)を越えている。そして、メタバースエコノミーは2030年までに数兆ドル規模にまで成長しうると、米大手金融グループのシティ(Citi)は2022年の報告書で予測している。
「消費者がどこにいても出会いたい」
いまのところ、Web3環境内のダイレクトコマース機会はいくぶん限定的だ。プーマの顧客は同社のバーチャルスペース、ブラックステーション経由でフィジカルスニーカーを購入できるが、フォートナイトやRobloxといった、より人気の高いバーチャルプラットフォーム経由でのフィジカル商品購入はいまだ不可能だ。ただ業界観測筋は、そうしたプラットフォームにさらに多くのビジネスチャンスが登場するのは必然だと確信しており、そうなればプーマの早期投資が有する潜在的利益が実証されることになる。
「自身の消費者と、彼らがどこにいても、出会いたいと考える――それこそが、オムニチャネルリテーラーの基本だ。そうだろう?」と、バーチャル・ブランド・グループ(Virtual Brands Group)の創業者でCEOのジャスティン・ホックバーグ氏は話す。「(百貨店の)ブルーミングデールズで売り、ポップアップで売り、ECで売り、D2Cで売り、そのほかでも売る。そしていまや、メタバースという新たなチャネルがあり、そこに消費者はいるのだ」。
[原文:Why Puma sees Web3 and the metaverse as its next great commerce opportunity]
Alexander Lee(翻訳:SI Japan、編集:分島翔平)