メタバースは消え去ってはいないし、スニーカーマニアはその最初期からの住人だ。Web3の終焉を宣言する報道がある一方、プーマ(Puma)は依然としてブロックチェーン技術の使用に前向きで、新たなタイプのバーチャル消費者へのリーチを目指している。
7月下旬、米DIGIDAYはプーマの新興マーケティング技術およびWeb3担当責任者であるイバン・ダシュコフ氏にインタビューを行い、スポーツウェアブランドである同社がメタバースを次なる大きな商機とみなす理由を尋ねた。
だが、プーマのWeb3の取り組みは、バーチャルな衣服やコレクターアイテムの販売に限らない。インタビューの残りの部分では、ブロックチェーンを利用したロイヤルティプログラムや、NFTとスニーカーコミュニティの本質的親和性が話題に上った。注釈付きの一問一答形式で以下に紹介しよう。
なお、分量と読みやすさを考慮し、発言には適宜編集を加えている。
NFTとバーチャルアイテム販売の商品試作機能について
イバン・ダシュコフ氏:
これこそ、スニーカーをNFTとして販売するというアイディアに関して、私がとても気に入っている部分だ。どのサイズをいくつ製造すべきかを正確に把握でき、余分な在庫を抱えなくてすむ点で、持続可能性という強みがある。
また、インキュベーターとしても優れており、新しいシューズや製品をテストする場となっている。我々はまさにイノベーティブで型破りな製品を送り出そうとしているところであり、試作や検証を行う場として重宝している。ブランドとして成長し、次世代製品をさらに生み出すにあたって、試作品をテストする場があること、それらを大歓迎してくれるコミュニティがあることは心強い。
DIGIDAY:
NFTスニーカーの販売を、新製品のテストと位置づけているブランドはプーマだけではない。過去1年間に、フォーエバー21(Forever 21)からラルフ・ローレン(Ralph Lauren)まで、さまざまなブランドがメタバースプラットフォームを利用し、未来的で斬新なバーチャルアパレルをリリースして人気を博したあと、実世界でも製品化してきた。
なんといっても、バーチャルなスニーカーを買う消費者は、実物も入手可能になったとたんに買ってくれる可能性が高い。
メタバースは消え去ってはいないし、スニーカーマニアはその最初期からの住人だ。Web3の終焉を宣言する報道がある一方、プーマ(Puma)は依然としてブロックチェーン技術の使用に前向きで、新たなタイプのバーチャル消費者へのリーチを目指している。
7月下旬、米DIGIDAYはプーマの新興マーケティング技術およびWeb3担当責任者であるイバン・ダシュコフ氏にインタビューを行い、スポーツウェアブランドである同社がメタバースを次なる大きな商機とみなす理由を尋ねた。
だが、プーマのWeb3の取り組みは、バーチャルな衣服やコレクターアイテムの販売に限らない。インタビューの残りの部分では、ブロックチェーンを利用したロイヤルティプログラムや、NFTとスニーカーコミュニティの本質的親和性が話題に上った。注釈付きの一問一答形式で以下に紹介しよう。
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なお、分量と読みやすさを考慮し、発言には適宜編集を加えている。
NFTとバーチャルアイテム販売の商品試作機能について
ダシュコフ氏:
これこそ、スニーカーをNFTとして販売するというアイディアに関して、私がとても気に入っている部分だ。どのサイズをいくつ製造すべきかを正確に把握でき、余分な在庫を抱えなくてすむ点で、持続可能性という強みがある。
また、インキュベーターとしても優れており、新しいシューズや製品をテストする場となっている。我々はまさにイノベーティブで型破りな製品を送り出そうとしているところであり、試作や検証を行う場として重宝している。ブランドとして成長し、次世代製品をさらに生み出すにあたって、試作品をテストする場があること、それらを大歓迎してくれるコミュニティがあることは心強い。
DIGIDAY:
NFTスニーカーの販売を、新製品のテストと位置づけているブランドはプーマだけではない。過去1年間に、フォーエバー21(Forever 21)からラルフ・ローレン(Ralph Lauren)まで、さまざまなブランドがメタバースプラットフォームを利用し、未来的で斬新なバーチャルアパレルをリリースして人気を博したあと、実世界でも製品化してきた。
なんといっても、バーチャルなスニーカーを買う消費者は、実物も入手可能になったとたんに買ってくれる可能性が高い。
スニーカーマニアとNFTコミュニティの類似性について
ダシュコフ氏:
類似性は明確だと考えている。ここ20年のスニーカーの世界のアプローチにより、人々は数百足、時には数千足のスニーカーのコレクションをするようになった。NFTの仕組みはこれとよく似ていて、人々はさまざまなNFTのコレクションを楽しんでいる。
彼らが自分のコレクションについて語る口ぶりからは、それらがアイデンティティの重要な一部となっているのがわかる。そのため、スニーカーの世界とNFTの世界を結びつけるのは理にかなっている。マインドセットが非常によく似ていて、コレクター主導の環境なのだ。
DIGIDAY:
スニーカーマニアの生来の収集癖を考えれば、シューズブランドが非Web3ネイティブの企業としていち早くNFT販売の収益性のポテンシャルに気づいたことに驚きはない。プーマだけでなく、ナイキ(Nike)も独自のNFTマーケットプレイス「ドット・スウォッシュ(.Swoosh)」を発足させ、利益よりもコミュニティ構築を優先して運営している。
Web3やメタバースの概念に消費者が反感を抱く可能性について
ダシュコフ氏:
確かに賛否両論はある。興味がなかったり、NFTやブロックチェーンを理解できずにただ無視している人もいる。時にはコミュニティに直接語りかけて間口を広げたいとも思うが、一方で出しゃばらずに一歩引くべきケースもあるだろう。
以前は「ドットコム」という言葉をよく耳にした。Amazon.comやGoogle.comというようにだ。だが、明らかに廃れていって、今ではただのGoogleやAmazonだ。同じことが、いずれWeb3技術にも起こると考えている。いずれは日常生活の一部となり、(NFTなどの)呼称は聞かれなくなるだろう。
DIGIDAY:
2021年のNFTをめぐる熱狂が冷め、NFTやWeb3はネットの一部界隈ではジョークのオチのような扱いを受けている。暗号資産に冬が訪れ、多くの消費者たちがNFTプロフィル画像プロジェクトと銘打った詐欺の被害に遭った。ダシュコフ氏の発言は、こうした疑念の存在を認めつつ、プーマが依然としてWeb3マーケティング・コマースを通じて人々にリーチすることに関心を持っていると表明するものだ。
ダシュコフ氏は、プーマがファンから詐欺と思われないように、プーマパスNFTに具体的な用途や特典を付与していることを、次のように強調した。「今のところ、(プーマパスNFTは)限定の秘密クラブであり、最新の最高のプーマのスニーカーを入手でき、その他のプーマのNFTドロップやモーメントにもアクセスできる場だ」
[原文:Why Puma is investing in Web3 despite the skepticism of crypto winter]
Alexander Lee(翻訳:的場知之/ガリレオ、編集:分島翔平)