- アクティビジョン・ブリザードは、ゲーム内広告におけるアテンションの効果を測定するための新しいツールを2023年第4四半期に開始。
- ゲームへの広告支出が期待されたほど急速に成長していないなか、広告のアテンションをより正確に測定することで、ブランドに対する広告の購買促進を狙う。
- ゲーム内広告は、より頑強なアテンション効果測定を発展させ、他のマーケティングチャネルに追いつくための進化が求められている。
ゲーム内広告のリーチ力と影響力に対するマーケターの理解を深めるべく、アクティビジョン・ブリザード・メディア(Activision Blizzard Media)はアテンションメジャーメント分野におけるオファリングを増強する。
2023年第4四半期、アクティビジョン・ブリザードは効果測定の新ツールであるアテンション・メジャーメント・スコアカード(Attention Measurement Scorecard)のベータテストを開始。これは、アクティビジョン・ブリザード・メディアのタイトル内で広告を打つブランドに特典として無料提供される効果測定サービスで、その目的はブランドおよびマーケターのゲーム内広告に対する自信の強化にある。
ゲーマーのアテンションをより全体的に捉えるため、この新ツールは3つの既存ツールと併用される。既存ツールとは、広告中にユーザーがデバイスを15度の可動範囲にとどめているかどうかを判断するジャイロスコピックデータ、ユーザーの広告想起力を測る調査、そして広告ビューアビリティと動画再生完了率を測るMoatデータの3種だ。同ツールはアクティビジョン・ブリザード・メディアが管理運営し、結果およびキャンペーン分析を参加クライアントと共有するという。
正確なアテンション効果測定こそがブランドに購入を促すための鍵
「ゆくゆくはこれを、まさしくターンキーな、効率的なものにしたいと考えている。基本的に、ほぼすべてのキャンペーンに利用できるものにし、アテンション効果測定の現状を変えるための大きな一歩にしたい」と、アクティビジョン・ブリザード・メディアのグローバルビジネスリサーチおよびマーケティング部門VPジョナサン・ストリングフィールド氏は話す。
ゲーミングは近年、エンターテインメント形態としての人気を高めているが、ゲームへの広告支出はポストコロナ禍ブームのなか、ゲーム内広告に関する大言壮語を考えると、期待されたほど急速な伸びは見せていない。
無料ゲームの台頭により、広告といった副次的収益源がゲーミング企業のボトムラインにとってますます重要になっているなか、ゲーム内広告業界関係者の多くは、「正確なアテンション効果測定こそがブランドに購入を促すための鍵だ」と、捉えはじめている[続きを読む]
- アクティビジョン・ブリザードは、ゲーム内広告におけるアテンションの効果を測定するための新しいツールを2023年第4四半期に開始。
- ゲームへの広告支出が期待されたほど急速に成長していないなか、広告のアテンションをより正確に測定することで、ブランドに対する広告の購買促進を狙う。
- ゲーム内広告は、より頑強なアテンション効果測定を発展させ、他のマーケティングチャネルに追いつくための進化が求められている。
ゲーム内広告のリーチ力と影響力に対するマーケターの理解を深めるべく、アクティビジョン・ブリザード・メディア(Activision Blizzard Media)はアテンション指標分野の機能を増強する。
2023年第4四半期、アクティビジョン・ブリザードは効果測定の新ツールであるアテンション・メジャーメント・スコアカード(Attention Measurement Scorecard)のベータテストを開始。これは、アクティビジョン・ブリザード・メディアのタイトル内で広告を打つブランドに特典として無料提供される効果測定サービスで、その目的はブランドおよびマーケターのゲーム内広告に対する自信の強化にある。
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ゲーマーのアテンションをより全体的に捉えるため、この新ツールは3つの既存ツールと併用される。既存ツールとは、広告中にユーザーがデバイスを15度の可動範囲にとどめているかどうかを判断するジャイロスコピックデータ、ユーザーの広告想起力を測る調査、そして広告ビューアビリティと動画再生完了率を測るMoatデータの3種だ。同ツールはアクティビジョン・ブリザード・メディアが管理運営し、結果およびキャンペーン分析を参加クライアントと共有するという。
正確なアテンション効果測定こそがブランドに購入を促すための鍵
「ゆくゆくはこれを即時利用可能で、効率的なものにしたいと考えている。基本的にほぼすべてのキャンペーンに利用できるものにし、アテンション効果測定の現状を変えるための大きな一歩にしたい」と、アクティビジョン・ブリザード・メディアのグローバルビジネスリサーチおよびマーケティング部門VPジョナサン・ストリングフィールド氏は話す。
ゲーミングは近年、エンターテインメント形態としての人気を高めているが、ゲームへの広告支出はポストコロナ禍ブームのなか、ゲーム内広告に関する大言壮語を考えると、期待されたほど急速な伸びは見せていない。
無料ゲームの台頭により、広告のような副次的収益源がゲーム企業のボトムラインにとってますます重要になっているなか、ゲーム内広告業界関係者の多くは、「正確なアテンション効果測定こそがブランドに購入を促すための鍵だ」と、捉えはじめている。
「ゲーミング内では没入体験が欠かせない。言い換えれば、ビューアブルロゴやメッセージを画面上に出すに留まらず『人々にブランドと遊んでもらう』ということだ」と、データドリブンメディアエージェンシーのゲイル(Gale)でエマージングコネクション部門ディレクターを務めるマックス・バス氏は話す。「動画リワード広告でも、『フォートナイト』のカスタムゲームでもいいが、人々にブランドと遊び、あるいは何らかの理由でブランドにフォーカスしてもらう。そういうことこそが、アテンションを生む」。
IABの見解
アテンション効果測定ツールの向上というアクティビジョン・ブリザード・メディアの試みは2023年、アテンション効果測定に注目しはじめた広告業界全体の動きに合致するものだ。同社は今年前半に結成されたIAB(インタラクティブ広告協議会)のプラットフォーム非依存型ワーキンググループ、アテンション・タスク・フォース(Attention Task Force)に属する。そして、アテンション・メジャーメント・スコアカードが提供する総合的な指標は、以下の発言によれば、同タスクフォースのアテンションに対する姿勢に酷似している。
「我々は3つのカテゴリーを同定した。ひとつは生理学的あるいは生物測定的なもので、それには神経学的追跡、心拍数、視線追跡などが含まれる。2つ目がデバイスプロキシ信号、つまり機器やプラットフォーム自体から送られてくる情報。3つ目が認知または感情的なもので、これは典型的なブランドエフェクティブネスまたはブランドリフト調査で測定される」と、この試みを指揮するIABのVPアンジェリナ・エング氏は話す。「つまり、我々はこれら3つを見つめ、いわばボトムアップで行なっており、アテンションの意味を上から定義しているわけではない」。
IABのアテンション・タスク・フォースはゲーミング広告だけを対象とするものではないが、その測定結果をIAB全体の試みに活かし、ゲーミング広告界に秩序をもたらすことを目指しており、それにはゲーミングおよびeスポーツ広告のための全体的枠組やゲーム内広告における最新のビューアビリティ基準作りなどが含まれる。
「主要なゲーム内企業勢から合意を得られるのはこれが初めてのことであり、非常に興奮している」と、IABのエクスペリエンスセンター(Experience Center)VPゾーイ・スーン氏は話す。「彼らが協力し、業界の問題解決に乗り出す姿を見られて、非常に嬉しい」。
このアテンション効果測定開発の意味
アクティヴィジョン・ブリザード・メディアのアテンション・メジャーメント・スコアカードはまずベータ版として導入されるが、目標は最終的に、この種のアテンション効果測定をアクティビジョン・ブリザードのインベントリを利用するすべての広告キャンペーンに付随させることにある。
より頑強なアテンション効果測定の開発は、ゲーミング広告がより確立された他のマーケティングチャネルに追い付くために求められる多くの漸進的変化のひとつだ。
「いまは非常に多くのソリューションがあり、非常に多くの事前作業が必要とされている。そしてそれらは、何にでも応用可能な優れものでも、すぐに使い物になる優れものでもない」とストリングフィールド氏は話し、こう言い添える。「そこで、我々はこれを一種の『一時しのぎ』と捉えている。これが業界全体を救うソリューションになるとは思っていない。ただし、アテンションの意味とその効果測定法に関して、業界が全体的合意に至るという点において、非常に優れたソリューションだと考えている」。
Alexander Lee(翻訳:SI Japan、編集:島田涼平)