「次はどうする?」: D2C ブランドたち、いちかばちかの局面を迎える

D2C(Direct to Consumer)ブランドにとっては、売上高が10億ドル(約1080億円)に達するかどうかがすべてだ。

小売業の再編にあたって、その名を馳せてきたD2Cブランドは、自身の存在意義の危機に直面しながらも、それぞれの商品カテゴリでの市場シェアをさらに拡大すべく奮闘している。自社のeコマースや実店舗を通じて消費者と直接取引する小売業では、現在、さらなる成長を推し進めるため、自らの販売チャンネル以外の部分において模索している。ニューヨークで開催された「DTC Day East」という新興ブランドに関するカンファレンスでも、「次はどうする?」という会話をよく耳にした。

D2Cスタートアップは、「成長せよ、さもなくば去れ」とも取れる、いちかばちかの状態に突入しているようにも見える。実店舗や自身のチャンネル外、そして新商品など、いくつかの異なる形で、この「成長」の兆しが見られる。

各D2C企業たちの戦略

「我々は持続性のある買収戦略に注力している」と、美容ブランドのウィンキー・ラックス(Winky Lux)でブランドマーケティングとコンテンツ部門のディレクターを務めるケイティ・フェルナンデス氏は語る。ウィンキー・ラックスは、実店舗らしさをさらに強めている。インスタグラム(Instagram)のモーメント向けに店舗のデザインを行うことで、自身のソーシャルメディア以外での取り組みに投資している。写真を撮ってブランドをタグ付けする顧客の重要性は高まり、インスタグラムなどのチャンネルにおける有料メディアのコスト削減にも役立っている。

マーケティングチャンネルミックスは、複雑化しているD2C戦略のなかでの唯一の策というわけではない。たったひとつの「バズる」商品をもって立ち上げられたようなブランドは、古株のブランドに対抗し、顧客のエンゲージメントを維持するための次の一手を打っている。

「常に次の商品のことを考えていなければならない」と語るのは、スタイナー・スポーツ・マーケティング(Steiner Sports Marketing)の創設者、ブランドン・スタイナー氏だ。ブランドにとっての価値は、顧客が何かを欲しいことに気づく前からそれを予測できる能力であり、それがなければ、ブランドが行動を起こす前に顧客は別のところで欲しかったものを見つけてしまうだろう、とスタイナー氏は語る。

まずはプロダクトがすべて

それは、ただ取り扱う商品カテゴリを増やすという単純なことではない。2017年に、シングルサイズの羽布団を取り扱う家庭用品ブランドとして立ち上げられたバッフィー(Buffy)は、ユーカリなどの耐久性の高い素材で作られた新しいタイプの羽布団でその名を馳せた。今後、新たな寝具や家具を商品ラインナップに追加していくうえでは、すべての新商品の立ち上げにあたって、最初に市場に投入した羽布団と同様に、原材料や素材に細かく気を配らなければならない。新興ブランドが成功するか否かは、そのような配慮を継続できるかどうかにかかっている。

「我々は、製造パートナーにより多くのことをしてもらうように頼んでいる」とバッフィーの共同創設者であり、直近では有色色素など持続性の高い実務運用を行う部門でバイスプレジデントを務めるシャオイブ・カバーニ氏は語る。「だが、小売業界の人々には、まだこれに対する理解がないように思う」。

Hilary Milnes(原文 / 訳:Conyac