FB 広告ボイコット、中小企業にはどんな影響を与えたか?:「ビジネスに支障を来すのはわかっていた」

Facebook広告のボイコットが終わりを迎え、当初はボイコットに参加していた小規模ブランドの多くがこのプラットフォームに戻ってきている。以前に米DIGIDAYが報じているとおり、これは必ずしもFacebookの対応に満足したからではなく、彼らの多くが、収益を上げるにはFacebookでのダイレクトレスポンス広告に頼る以外にない、という厳然たる事実に改めて気づいたからだ。

風刺に富んだデジタルグリーティングカードを販売する中小D2C企業、ジブジャブ(JibJab)もその1社だ。7月いっぱい、同社はFacebookおよびインスタグラムへの広告出稿を、そして両プラットフォームへのオーガニックコンテンツの投稿を止めた。しかしいま、同社はFacebookに戻りつつある。同社CEOのポール・ハンジス氏はその理由を、Facebookの広告エコシステムから、恒久的に距離を置く方策はとうてい維持できないからだとし、多くの中小D2Cブランドの場合と同じく、Facebookは自社にとって欠かせない獲得チャネルだと付け加えた。Facebookには現在、およそ800万の広告主がおり、その多くは広告費の大半をFacebookに費やし、同プラットフォームを顧客獲得の主要チャネルとして利用している。

「中小D2Cブランドの場合、新たな事業や収益の大部分はFacebook広告での顧客獲得に依存している。そのため、彼らの大半が7月にボイコットへ参加することが難しいと考えていたのは知っている」とハンジス氏。「だからこそ、我々としては7月中の参加はなおさら重要だと思った。もっとも、7月のビジネスに支障を来すのはわかっていたが」。

Facebook広告は必要不可欠

通常、Facebookでの広告キャンペーンで獲得する同社の新規サブスクライバーは、総数の35~40%を占めるとハンジス氏はいう。7月末時点で、同社の新規サブスクライバー数は6月末と比べて25%減少。現在、ジブジャブは130万~150万人のサブスクライバーを有しており、Facebookへの広告支出は年間400万ドル~600万ドル(約4億円〜約6億円)にのぼる。ただ、新規サブスクライバー数は月によって変動すると、ハンジス氏は付け加える。ジブジャブの場合、「恐れていたほど大きなダメージはなかったが」、Facebook広告の再開はビジネスの持続的成長に不可欠だと、ハンジス氏は断言する。

Facebookから1ヵ月距離を置き、その損失を甘んじて受け入れるのは、「私が関わる多くのブランドにしてみれば、現実的な選択肢ではない」と、多くのD2Cブランドと仕事をするエージェンシー、ムーンシャインマーケティング(Moonshine Marketing)のマネージングディレクター、ジェレミー・ゾンネ氏はいう。

「大半のブランドは、なかでも私が携わっているD2Cブランドは特に、収益の半分以上をFacebookとインスタグラム経由で得ているが、大手ブランドにはボイコットを検討する余裕がある。私が関わっているD2Cブランドたちにしてみれば、ボイコットに参加できること自体がある意味、贅沢といえる」。

チャネルの多様化が急務

ただ、ジブジャブも依然として、Facebookに戻ることでどのような反響があるのか、また、2019年および2020年前半と同様のレベルで広告を出しつづけるべきか否か、答えを探っている。「様子を見ながら慎重に踏み出しているところだ」とハンジス氏は述べる。「顧客獲得のチャネルを多様化し、Facebook広告への依存度を下げること。それが目下の優先事項のひとつだ」。

新規サブスクライバーのうち、40%前後の獲得源がひとつのチャネルという現状はやはり「リスキー」であり、そのため同社は広告チャネルの拡大を図り、ピンタレスト(Pinterest)やTwitterといったほかのプラットフォームを試している。ただ、そこからどんな結果が得られるのか、そして同社が今後、そこにより多くの広告費を割いていくのか、現段階ではまだ何ともいえないという。

一方、ボイコットの結果に対する満足度については、ジブジャブは小規模広告主であり、「その質問に答えるのは難しい」とハンジス氏は語る。「私はそういう立場にない。業界のエコシステムにおける弊社の位置は心得ている。我々は小さな広告主であり、各方面のリーダー格と直接会話できる立場にはない。そのため、細かな事情すべては把握していない」。

[原文:‘We knew it would impact our business negatively’ How joining the Facebook boycott affected one small advertiser

KRISTINA MONLLOS(翻訳:SI Japan、編集:村上莞)