スナック菓子ブランドのシンプルミルズ(Simple Mills)は、コネクテッドTVを活用して、消費者へのブランド認知度の定着を図っている。2012年に設立されたこのブランドは、2万5000に及ぶ実店舗を展開し、昨年はeコマース事業の拡大に向けて投資を行った。
スナック菓子ブランドのシンプルミルズ(Simple Mills)は、コネクテッドTVを活用して、消費者へのブランド認知度の定着を図っている。2012年に設立されたこのブランドは、2万5000に及ぶ実店舗を展開し、昨年はeコマース事業の拡大に向けて投資を行った。
現在、シンプルミルズは、クリエイティブおよびメディアエージェンシーであるFIGによるはじめての全国規模の広告キャンペーンを実施。ブランド認知度を高めて、次の段階の成長を目論んでいる。シンプルミルズのシニアブランドマネージャーであるジェイミー・ルービンステイン氏によると、キャンペーンの「予算の大部分」は、Hulu(フール―)、Roku(ロク)、Samsung(サムスン)、YouTubeの動画制作・配信に充てられたという。
「私たちはブランドとして着実に成長している。新商品の開発と発売を続けることが生命線。商品ラインナップがそろっていることを顧客にしっかりと印象づけ、シンプルミルズを商標ブランドとして定着させることに重点を置いている」とルービンスタイン氏は述べる。「このトップオブファネル(広告)も、顧客との関係構築を確かなものにする手段だ」。
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マーケターの常套手段
シンプルミルズは、もともとはグルテンフリーのマフィンミックス代替品を販売する会社としてスタートした。その後事業拡大し、グルテンフリーのスナック菓子を発売して成長を継続。そのため、自然食品や有機食品のブランドに敏感な消費者にはブランド認知されてきたが、さらに消費者のあいだに同社の名前を浸透させようと、新たな戦略に取り組んでいる。はじめての全国規模の広告キャンペーンの目的は、「顧客開拓によるブランド認知度の向上」とルービンスタイン氏は言う。
ルービンスタイン氏が数字の公表を拒否したため、シンプルミルズが広告予算をどのように分割しているか、また同社がコネクテッドTVとデジタル動画に費やしている正確な金額は不明だ。しかしルービンスタイン氏は、今年の広告予算は昨年の「2倍以上」であることは明らかにした。
Facebookやインスタグラムを利用した消費者個人へのダイレクトマーケティングから、テレビやコネクテッドTVを使ったマスマーケティングへ移行してブランド認知度を高める手法は、マーケターの一般的なアプローチだ。最近、カジャビ(Kajabi)やスモールズ(Smalls)などの前途有望なブランドは宣伝広告を多様化させ、ブランド認知度を向上させるべくテレビに目を向けている。
伝統的な手法のメリット
メタフォース(Metaforce)のブランドコンサルタント兼共同創設者であるアレン・アダムソン氏によると、テレビを活用することで、ソーシャルチャネルでの広告にはできないやり方で、ブランドに「正当性が加わる」という。より伝統的な手法の採用は、「消費者に会社の規模やスケールが大きいと思ってもらう」ことを促し、このブランドを試してみようという気にさせることができると、アダムソン氏。
まずはコネクテッドTVを介する広告キャンペーンの成果を分析し、「従来型のテレビ広告へ拡大することが理に適っているなら」、シンプルミルズはそうすることになるだろうと、ルービンスタイン氏は述べている。
KRISTINA MONLLOS(翻訳:SI Japan、編集:長田真)