ポッドキャスト利用、成熟度増す米ブランドたち:ウォールマートの事例

ブランドたちはポッドキャスト分野で経験を積みつつある。

ウォルマートによるポッドキャスト番組「アウトサイド・ザ・ボックス(Outside the Box)」は第二シーズンを迎えた。今年は時間の価値がテーマとなっているようだ。全8話の毎週配信のエピソードを通し、デジタル時代において急速に価値を増している「時間」について、哲学的な質問や経済的な質問について議論を広げる。昨年のテーマはリテール業界や、ウォルマートのアメリカにおける製造プロセスやサステナビリティといった分野についてだったが、そこから大きく離れた形だ。プロモーション色は薄れ、大きなテーマを扱うことになった。もちろん、ウォルマートにとってのポイントは、彼らのサービスがいかに消費者たちの時間の節約へとつながるかを示すことだ。

「(時間の節約)は顧客が、特に我々の顧客がショッピングにおいて求めているものだ。選択肢がたくさんある状態で、彼らが時間を節約する助けになるものを提供していきたい」とデジタルコンテンツ部門ディレクターのエミリー・シュミッド氏は言う。

「アウトサイド・ザ・ボックス」の中身

Amazonとのeコマース競争のなかで、自分たちの方がより「早い」プラットフォームであることを買い物客に伝えようとしてきた。それにはオンラインでの生鮮食品のピックアップデリバリーサービスなどが含まれる。最近では35ドル(約3800円)以上の買い物に関しては会員料金は一切取らずに2日間での無料配送を開始した。Amazonでの2日間無料配送は、プライム会員にならないといけない。しかし、プライム会員料はつい先日20ドル(約2200円)増加したばかりだ。

クリエイティブプロダクションエージェンシーであるオムレット(Omlet)のコンテンツ部門エグゼクティブディレクターであるアナ・ネッサー氏は、ウォルマートのポッドキャスト番組に取り組んでいる。具体的なテーマに絞ることで、時間というトピックにまつわる会話の内容を幅広く取ることができたと、彼女は語る。アウトサイド・ザ・ボックスの第2シーズンは、毎週火曜日に20分から30分の長さで配信される。

各エピソードが抱えるコメンテーターも面白い。TEDの「ワークライフ(WorkLife)」ポッドキャストのホストであり、ワートン・スクール(Wharton School)の心理学教授であるアダム・グラント氏、ボノボス(Bonobos)のCEOであるアンディ・ダン氏、そしてレント・ザ・ランウェイ(Rent the Runway)の共同ファウンダーであるジェニファー・フレイス氏が名を連ねている。ポッドキャストの新シーズンは、ソーシャルメディア上で宣伝トレーラーなどを活用してプロモーションされる。


Twitter上での宣伝トレーラー

リスナーたち自身とつながる

ひとつのテーマをポッドキャストに据えることは、ほかのブランドたちも試している。ゼネラル・エレクトリック(GE)のポッドキャストが抱える「メッセージ(Message)」、マイクロソフトの「フューチャー(Future)」といった人気ポッドキャストのテーマに例を見つけられる。最近ではトレーダージョーズ(Trader Joe’s)、ジップリクルーター(ZipRecruiter)、そしてマクドナルド(McDonald’s)がポッドキャストをローンチした。

シュミッド氏は「ポッドキャスト分野では、ひとつの主要なストーリーにフォーカスして、シーズン全体を構築するチャンスが存在していることに気づいた。我々に関連していながらも、それぞれ異なっている複数のトピックを扱うのではなく、だ」と語る。

第1シーズンのリスナー数についてはウォルマートは公開しないが、シュミッド氏によると、ポッドキャストを通じてリスナーたち自身とつながることを目指しているという。ソーシャルメディアマーケティングによってリスナーたちを引きつけようとしているとのことだ。

「いま、爆発的に成長している」

「ポッドキャストはいま、爆発的に成長している」というシュミッド氏は、エディソン・リサーチ(Edison Research)による2017年度のポッドキャスト消費者レポート(Podcast Consumer report)を指摘した。そこではアメリカ人の24%が毎月ポッドキャストを聞いており、そのうち42%が1本のエピソードすべてを聞き終えており、44%が1本のエピソードのほとんどを聞き終えていると答えている。

Ilyse Liffreing(原文 / 訳:塚本 紺)