タクシー配車サービスの「Uber(ウーバー)」が、物流にも手を広げようとしている。
「Uber」は、割り勘可能なタクシー相乗りサービス「UberPool(ウーバープール)」および、宅配サービスの「UberRush(ウーバーラッシュ)」を統合する意向を明らかにした。これによって都市部の渋滞緩和や流通コストの削減が図れるとしている。同社の英国およびアイルランド、北欧地域マネージャー、ジョー・バートラム氏によれば、今後の「Uber」は単なる運輸サービスではなく「人をつなぐ技術プラットフォーム」を目指すという。
実際のところ、彼らのタクシー配車アプリの評価額は46億ポンド(約8580億円)にまで伸びている。また、「Uber」の利用者数とドライバー数、すなわち需要と供給ともに現在もリアルタイムで急成長し続けているのだから驚きというほかない。
タクシー配車サービスの「Uber(ウーバー)」が、物流にも手を広げようとしている。
「Uber」は、割り勘可能なタクシー相乗りサービス「UberPool(ウーバープール)」および、宅配サービスの「UberRush(ウーバーラッシュ)」を統合する意向を明らかにした。これによって都市部の渋滞緩和や流通コストの削減が図れるとしている。同社の英国およびアイルランド、北欧地域マネージャー、ジョー・バートラム氏によれば、今後の「Uber」は単なる運輸サービスではなく「人をつなぐ技術プラットフォーム」を目指すという。
実際のところ、彼らのタクシー配車アプリの評価額は46億ポンド(約8580億円)にまで伸びている。また、「Uber」の利用者数とドライバー数、すなわち需要と供給ともに現在もリアルタイムで急成長し続けているのだから驚きというほかない。
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新たな物流の可能性
「世の中における興味深い進化は、テクノロジーの構築とともにある」と話す、バートラム氏は、さらにこう続ける。「『UberPool』と『UberRush』のサービスを統合することは、物流に新しい効率性をもたらすだろう。また、乗客と荷物を同じ車で運ぶことで、運賃をさらに安くできるとも考えている。現在は別々になっているサービスのペアリングは、新たな物流の可能性を生むことになる」。
さて、2015年10月、アメリカの3つの都市でスタートした宅配サービス「UberRush」は、ローカルビジネスによる即日配送を可能とし、花の贈り物やケータリングなど、地元の小規模な商店がこれまでリーチできなかった顧客を獲得する機会にもなった。今後は大きなクリスマスツリーや生きている子猫、冷えたアイスクリームといったものも届けるようになるかもしれない。さらに最近では、英国の都心部における交通インフラでも、同様のサービスができないかテストを実施している。
「『Uber』が目指すものは、スマートフォンのボタンを押すだけでA地点からB地点へ移動できる、格安で信頼性の高い移動手段を作ることだ」とし、そもそものロードマップに宅配事業はなかった同社。しかし「我々は世界の350都市に展開を広げ、タクシー配車時間を平均3分から6分短縮した。こうした当社の技術には、人間以外の運搬にも応用できるだけのポテンシャルがある」と、宅配サービスにも自信を見せる。しかし、英国に参入するとなれば既存の配送業者と競合することになり、ロンドンには勢いのある宅配スタートアップ企業「Deliveroo」の存在もある。
無視できない競合の存在
「Deliveroo」は、英国内20以上の都市で、5000軒もの高級レストランの料理を宅配する事業を手掛け、アジア進出に向け6600万ポンド(約122億円)の資金調達を発表したことでも話題になった気鋭のスタートアップだ。「ビジネスインサイダー」では、この企業の総評価額を10億ドル(約1225億円)以上と推定しており、音楽検索アプリの「Shazam」、P2P送金サービス「Transferwise」、そして仮想スポーツサイトの「FanDuel」と並び、ロンドンの最新ユニコーン(10億ドル以上の企業価値を持つ未公開ベンチャー)と評している。
アバス・メディア・グループの技術およびデータソリューション部門長、オリバー・サウスゲート氏は「『Uber』というプラットフォームの信頼性がある限り、新たな市場においても『UberRush』は優位に立つだろう」と言い、また「『UberRush』は現在、競合のPRに便乗することも可能だし、相手が追いついてくる前に市場を勝ち取ってしまうこともできる。このどちらも実行可能な選択肢としてもっているのだ」とも話した。対する「Deliveroo」側は、これについてコメントしていない。
ところで「Uber」といえば、その価格競争力が従来のタクシー運転手たちに受け入れられず、大きな争点となっているが、サウスゲート氏によれば「Deliveroo」と「UberRush」の間には、そうした摩擦は見られないという。どうやら宅配サービスを利用するレストランたちは、宅配ドライバーのようなロジスティクスの管理よりも、既知のコストを見据えて、彼らのコアビジネス部分を伸ばすことによる事業拡大を選択しているようだ。
Written by ワタナベダイスケ(参照記事)