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欧米で話題を集める「 ヴィーガン脱毛 」の日本展開は?:進化系脱毛シュガーリングサロン経営者に聞いた

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この記事は、DIGIDAY[日本版]のバーティカルサイト、ビューティ、ファッション業界の未来を探るメディア「Glossy+」の記事です。

古代エジプト時代に「絶世の美女」と呼ばれたクレオパトラのいた時代から脱毛剤として使われていたという「シュガーリング」。日本でも、室町時代から脱毛文化が記録されているそうで、「毛をとる文化」か「毛をとらない文化」か、でいうと、日本は「毛を整える」文化がある。

そんな何千年も続く文化である脱毛が、スマホひとつで暮らせるこのテクノロジーの現代社会に改めて見直されはじめている。昨今のオーガニックやヴィーガンのトレンド、環境活動に盛んな時代背景に、この原始的な脱毛手法が欧米で注目されることも納得。いわゆる「進化系・ネオシュガーリングともいえる」と語るのは、Sugarista Tokyo代表ひかり氏。

砂糖、水、レモンだけが成分のシュガーリングとは?

原材料は基本的に、砂糖、レモン、水の3種類。Sugarista Tokyoで取扱う「TAMARA’S SUGAR」のシュガーリングペーストは水を除くすべての成分がオーガニック、また、角質ケアに特化した成分が特徴的。質の高いティーツリーオイルをはじめ、アトピーや肌が弱い方にも使えるシュガーリング関連のプロダクトも画期的。

もちろん、リーピングバニー認定、オーガニック認定、フェアトレード、ビーガン素材で製造されている。そして、セルフカスタマイズという点では、毛質によって粘着性レベルが異なる3つのペースト「ウルトラ」と「スムース」、そして「ストロング」を混ぜ合わせてその人にあったシュガーペーストを配合する。

「対話」からはじまるカウンセリング

外苑前駅から徒歩4分、小さな路地の先にある部屋の一室に入った瞬間、東京にいることを忘れられる空間が広がる。白を貴重とした室内に、淡い色味と柔らかい質感の家具と香りに、心がふわっと緩む。そして、迎え入れてくれるシュガリスタ(Sugarista=Sugarting Masterの名称)が、さらに追い討ちをかけるように笑顔で美味しいジンジャーティを差し出してくれて、ストレスや電波にまみれた現代社会と遮断された感覚になれる。すでにこの時点で、日々のストレスの80%は緩和される。

オーガニックな口コミでの広がり

シュガリスタの落ち着いた会話や、沈黙の時間も、時間の流れを減速させていく。じつは脱毛をする前に大事なこと、それはカウンセリング。私は何度か訪れているけれど、いちばん最初に行ったときに開口一番「 今日はどうですか?」と聞かれて、お茶を吹き出しそうになった。脱毛サロンに行って、しかも何かと気まずいVIO脱毛前に、適切な会話は持ち合わせていない。

Sugarista Tokyo代表ひかり氏は、「脱毛は自分の感覚を自分で養えるきっかけのひとつ。お客さまとは人間らしい会話をしたい。いま目の前にいる人に関心を向けたり、優しさを持てたり、そんな空気感が流れてたら嬉しい。そんな人らしい交流ができる空間で、心地良いエネルギーが流れて、それが周囲に伝わり、さらには地球に伝わる場所を作りたい」。

確かに一言でいうならば、ここは「パワースポット」に近い空間。地球愛、人類愛をもつシュガリスタがいるサロンに、日々ストレス・不安社会で活躍するファンが多い理由も納得。店頭に目立った看板もなければ、広告もしていない。オーガニックにクチコミで、噂のように広がって確かな技術力と非日常的な空間に虜になったリピーターが増えていく。

オンタイムに動く彼女たちの貴重な「1時間」を、通常VIO脱毛の倍以上の金額を支払う価値に変えられるのは、ただ脱毛するだけでなく「人間」しいては「自分にかえれる場所」があるからだ。この心の弛緩があるのとないのとでは、真っ裸になりベッドの上に横たわった時の体の緊張も変わるし、何より、脱毛する瞬間の痛みの度合いも変わってくる。

毛が細く、柔らかくーーまさに職人技

カウンセリングに夢中になり、会話に花が咲いたところで、いよいよベッドに全裸で横たわる。初めてのときは「どこを見てたらいいの?目は閉じるの?」とか色々考えてしまうけど、部屋に漂うカームな香りや、日本では手に入らない海外のコスメやビューティグッズが並ぶ戸棚で気が紛れる。そうこうしてるうちに、シュガリスタたちが入ってきて会話の続きをしてくれるので、何の心配もいらない。

そして、アンダーヘアのシェイプを伝えると、毛の量と、太さから判断して、かかる時間と痛みの度合いを教えてくれる。そこからは、まさに職人技。「TAMARA’S SUGAR」のシュガーリングは、はちみつのような透明度の高い水飴みたいなペースト状で、暖かいので肌にのせると気持ちが良い。直接手にペーストを取り、ボウルのように丸めて肌にゆっくりとのせて伸ばし毛穴の深い溝に溶け込ませる。

そのときに、体毛だけでなく、古い角質も同時にペーストに絡めてキレイにしてくれるので、脱毛後の毛穴の開きや赤みがないことが特徴的。実際、私もシュガーリングにであうまで通っていたワックスの施術後の悩みは、シュガーリングをはじめてから一切なくなった。

さらに嬉しいことに、体毛が細く柔らかくなっていく感覚や、毛量が減ったことで、生理痛や次回脱毛するまでの毛を伸ばす期間の軽減が期待できる。(ワックス脱毛の場合、毛が2-3cmあるほうがキレイに抜けやすいと言われているため)シュガーリングペーストを剥がす際にも、ペーパーや木べら、強力な電磁波なども使用しないので、ゴミになるのは砂糖とレモンと水で作られたペーストだけ。すべて土に還る、地球にもやさしい手法である。

「忙しくも、自立した女性」をサポートしたいという想いで開いたサロン

日本では、ブラジリアンワックスという名前でワックス脱毛が流行した15年ほど前。当時、SATCのキャリーとミランダがアンダーヘアのケアをしてるかどうかで喧嘩するエピソードが流れた辺りから、日本でもアンダーヘアはじめフェムケアの需要が高まったという。

Sugarista Tokyo代表のひかり氏は、10代の頃からハワイで伝統療法であるボディートリートメントを学んだり、その後も英国へ渡り、ロンドンのセレブリティ向けのビューティサロンやラグジュアリーサロンで経験を積み、2019年に東京へ戻りサロンを開業した。

それらの経験から、フェムケアに対して、イギリス人と日本人ではマインドに大きな違いがあると言う。「私が見てきたイギリス人の多くは、自分を満足させるために、フェムケアをしたりネイルサロンへ通う。一方で、日本人は見られたときに恥ずかしくないように、と手入れをする感覚に近い。だから、頑張り屋さんな日本人こそ、自分をケアすること、心地よくすることを体感してもらいたい」。

その理由から、ここは脱毛だけでなく、膣トリートメントやパワーヒーリングフェイシャル、インティメイテントマッサージなど全身のトータルケアができるサロンでもある。その技術や空間に魅了される方も多く、いまではシュガーリングアカデミーとしてSugarista育成にも力を入れているそうだ。

「女性のカラダの大事なところだからこそ、愛情を込めて施術をしたい」。そのひとことに、ひかり氏の経験や想い、未来を見据えたビジョンがあらわれているサロン。いつも周りに気を遣い、日々強くたくましく生きる女性たちにとって、「本来の自分の心身を取り戻すため」「自分を満たすため」だけに集まる、東京の新たなパワースポットとして注目を集めそうだ。

Written by Mei Kawabata
Photo by Sugarista Tokyo

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