時計業界は、ファッション業界のほかの分野と比べて再販のスタートを早く切っている。中古時計の売買は個人や正規ディーラーを通して行われており、1世紀以上にわたり、時計文化の一部となっている。
2つのきっかけから生まれたタイメックス・リワウンド
しかし、現在では、時計ブランドはファッション業界の他ブランドからヒントを得て、自社内の再販チャネルを立ち上げつつある。その仲間に加わった最新のブランドがタイメックス(Timex)だ。9月20日にタイメックス・リワウンド(Timex Rewound)というプログラムを開始し、消費者から中古時計を引き取って、できる限り再販・アップサイクルすることにフォーカスしている。
タイメックスのブランド・クリエイティブ担当シニアバイスプレジデント、シャリ・ファビアーニ氏によると、このプログラムは過去2年間開発が進められてきたという。タイメックス・リワウンドを始めるきっかけは2つあったそうだ。
「まず、古い時計が簡単に捨てられてしまうのをどうすれば防げるだろうかということ。時計は何世代にもわたって受け継がれていけるし、長持ちする。2つ目は、ヴィンテージと倹約志向の台頭だ。経済的に苦しいときには、再販はブランドに興味ある人にとって、そのブランドへの優れたエントリーポイントとなる可能性がある」。
時計業界は、ファッション業界のほかの分野と比べて再販のスタートを早く切っている。中古時計の売買は個人や正規ディーラーを通して行われており、1世紀以上にわたり、時計文化の一部となっている。
2つのきっかけから生まれたタイメックス・リワウンド
しかし、現在では、時計ブランドはファッション業界の他ブランドからヒントを得て、自社内の再販チャネルを立ち上げつつある。その仲間に加わった最新のブランドがタイメックス(Timex)だ。9月20日にタイメックス・リワウンド(Timex Rewound)というプログラムを開始し、消費者から中古時計を引き取って、できる限り再販・アップサイクルすることにフォーカスしている。
タイメックスのブランド・クリエイティブ担当シニアバイスプレジデント、シャリ・ファビアーニ氏によると、このプログラムは過去2年間開発が進められてきたという。タイメックス・リワウンドを始めるきっかけは2つあったそうだ。
Advertisement
「まず、古い時計が簡単に捨てられてしまうのをどうすれば防げるだろうかということ。時計は何世代にもわたって受け継がれていけるし、長持ちする。2つ目は、ヴィンテージと倹約志向の台頭だ。経済的に苦しいときには、再販はブランドに興味ある人にとって、そのブランドへの優れたエントリーポイントとなる可能性がある」。
他社の時計も引き取る理由
このプログラムは、タイメックスの時計に限らず、すべての時計を引き取る。それらの時計は可能な場合には修理され、再販売される。そうできない場合には、将来の時計の製造に再利用できる部品がリサイクルされる。時計には状態のレベルが表示されているが、これまでサイトに掲載されているほとんどの時計は良好な状態で、価格は25〜100ドル(約3700〜1.5万円)の範囲だ。タイメックスかどうかに関係なく、時計を送った顧客には次のタイメックス購入に使える20%割引のクーポンが送られる。
ファビアーニ氏は、時計ビジネス全体に持続可能性と責任の文化が十分に浸透していないことから、タイメックスではあらゆる時計を受け入れるプログラムを開始したのだという。
以前、ティンバーランド(Timberland)で働いていたファビアーニ氏は、「フットウェアとアパレル分野で働いていたことがあるが、これらの分野は再販ビジネスの最前線にある」と語る。「時計会社にとって、自社製品が埋め立て地に行かないようにする大きな機会がある。ほかのブランドが行っていることについてはわからないが、ほかのブランドがこの分野に参入するまで当社はどのブランドの時計も受け入れ続ける」。
ロレックスは、自社再販オプションを提供する数少ない時計ブランドの1社である。昨年12月にその発表が行われた。別の時計ブランドで、B Corp認定のソリオスウォッチズ(Solios Watches)には、タイメックスのプログラムと似たリサイクルプログラムがある。
ファビアーニ氏によると、タイメックス・リワウンドは主に同社のソーシャルチャネルを通じて販売されるという。タイメックスは、昨年の年間収益が14億ドル(約2075億円)を超えるタイメックスグループ(Timex Group)の傘下だ。
持続可能性戦略としての再販の取り組み
この動きはタイメックスの全体的な持続可能性戦略の一環であり、戦略には2024年までに製品の50%を持続可能な素材で作るという目標が含まれている。そのような素材には、リンゴの皮や海洋廃棄物、新しいリワウンドプログラムで収集され粉砕された時計から作られた部品などがある。また、タイメックスは2050年までに二酸化炭素排出量の実質ゼロの達成と、2030年までに排出量を半減することを目指している。
「再販は持続可能性への特効薬ではないが、ブランドがさらに持続可能になれる方法の1つだ」と述べているのは、再販テクノロジー企業、リキュレイト(Recurate)の共同創業者、アダム・シーゲル氏だ。「製品が2倍、3倍も売れることがわかれば、もっと高品質で長持ちする製品を作ろうという動機が生まれる」。
ファビアーニ氏は、持続可能の理念はタイメックスの再販プログラムを超えて広がるだろうと述べている。
「ストラップ用の革をなめすには大量の水が必要なため、水を使わないなめし工程に移行している。また、航空輸送は大量の排出物が出るので、海上輸送に移行している。持続可能であるためには多大な時間と労力がかかるが、それは我々がやらなければならないことだ」。
[原文:Timex is the latest watch brand to take resale in-house]
DANNY PARISI(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)