MARKETING ON TIKTOK

ニューノーマルの消費者行動は、「興味」から直接「購買」へ:「TikTok For Business Year-End Event 2020」より

感染拡大防止のため、国内でもいまだ行動制限は続いている。そんななか、企業が注力すべきマーケティングコミュニケーションはいかなるものか。

それは、未知との出会いを醸成する「興味突破型」のマーケティングコミュニケーションだと、TikTok For Businessは主張する。通常、パーチェスファネルで考えると、「興味・関心」の次に「比較・検討」を経て「購入」に至るのだが、「興味突破型」とは、その「比較・検討」を飛び越したモデルとなる。つまり、「興味・関心」を得たら、すぐに「購入」に至る、そんな購買行動に注目すべきだというのだ。

実際、自身の生活を振り返ってみてほしい。見た目はともかく、着心地のいい着慣れたルームウェアに身を包み、長引くリモートワークの末に完成された、痒いところに手が届く自宅のワークスペースで、日々の業務をこなしている人が多いだろう。これこそまさに「ニューノーマル」だが、そこには、ありとあらゆる摩擦が取り払われたからこそ生じる、新種のストレスが存在している…。

いま、誰しも「未知なる出会い」に飢えているのだ。

「以前よりも行動が制限され、周囲との直接的なコミュニケーションが減少する一方、通勤時間や同僚との付き合いなどから解放され、人々が自らと向き合う時間が増えている」と、TikTok For Business ブランドストラテジーディレクターの廣谷亮氏は語る。「そんななか、情報接触スタイルの変化が起きており、的確で必要十分な情報だけでなく『未知への興味』を抱く人々が増えている」。

「未知への興味」を抱く人々

TikTok For Businessは2020年12月16日、「TikTok For Business Year-End Event 2020」というオンラインイベントを開催した。そのなかのセッションのひとつ、「“興味からズドン”TikTokユーザー白書から読み解く今後のマーケティング」では、廣谷氏とマーケティングアナリストであり信州大学特任教授の、原田曜平氏が対談。今後どのようなマーケティングコミュニケーションが求められるのか、TikTokユーザー白書第3弾「回答から回遊へ 興味で突破する時代の再来」を基に、議論を交わした。

廣谷氏が指摘した「情報接触スタイルの変化」のいい例が、検索行動だ。情報接触スタイルとしての検索行動は、すでにある疑問に対して「回答」を求める直線的なスタイル。だが、昨今はそれに代わり得る存在として、予期せぬ新たな出会いを得られる、曲線的に「回遊」する情報接触スタイルが求められていると、同氏は主張する。「こうした人々は、新しい発見をするべく、インターネット上を『曲線的に回遊』する傾向がある」。

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「『未知への興味』を抱く人々が増えている」と語る廣谷氏

   

それを受けて原田氏は、「人々が回遊する情報接触スタイルを取るようになった背景には、これまでの情報接触スタイルへの飽きや違和感、満ち足りなさがあるのではないか」と意見を述べた。つまり「検索によって、自分が求めている情報や自分に最適化された情報は簡単に入手できる。だが、未知の情報に遭遇する機会は減ってしまう。いわば『情報のマンネリ化』が進行している」というのだ。

実際、先述したTikTokユーザー白書によると、国内のTikTokユーザーの72.5%が「世の中の情報をすべてわかっているようで、実は一部しか知らない」と感じているという。また「知らない分野や世界にも触れたい」と回答しているユーザーは62.4%にものぼっている。

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押さえておきたい3要素

では、こうした「予期せぬ新たな出会い」を求める人々に対して、どのようなマーケティングコミュニケーションが考えられるのか。廣谷氏は、それを成功させるために、「(ユーザーが)無目的であること」「時間や仕組みでユーザーを束縛しない」「不完全でもいいからカジュアルなコンテンツである」という、3つの要素が重要だと語る。

まず、1つめの「無目的であること」から紐解こう。TikTokユーザー白書によると、外を歩いているとき「道端に何かが落ちている場合どうするか?」という問いに対し、「待ち合わせに向かって急いでいる(目的あり)」場合であっても、「足を止めて詳しく見る」と回答した人は、全体の10.9%しかしない。一方、「散歩を楽しんでいるとき(目的なし)」の場合なら、「足を止めて詳しく見る」と回答した人は、全体の21.1%いるという結果が示されている。同白書がここで示そうとしているのは、無目的であるときの方が、人は新しいものに興味を抱きやすいということだ。

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次に、2つめの要素、「時間や仕組みでユーザーを束縛しない」に関する調査を検証しよう。同白書によれば「新しい発見がありそうだと思うのはどちらですか?」という問いに対して、「スキップできる広告動画」と回答した人は、「強制視聴の広告動画」と回答した人の3倍以上も存在した。興味を喚起するためには、行動の主導権をユーザーに委ね、余計な制約を設けるべきではないということがわかる。

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さらに、3つめ「不完全でもいいからカジュアルなコンテンツである」という要素に関しても、TikTokユーザー白書ではその重要性がわかる調査結果が提示されている。「興味を持つのはどちらですか?」という問いに対し、「飾らない日常的な動画」という回答は「飾った非日常な動画」という回答の約5倍となっているのだ。

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キーワードは「お洒落の飽和」

「無目的」「時間や仕組みでユーザーを束縛しない」、この2点に関しては「ユーザーの行動データに基づく最適化」を目指す、昨今見られるデジタルを活用したマーケティングコミュニケーションのあり方とは、対局にある要素かもしれない。原田氏は「人間が興味を持つものを作るには、人々の行動や考えの背景にあるもの、つまりインサイトを突く必要がある。しかしこの10年間、データ偏重が続き、インサイトの概念がマーケティングの世界で存在感をなくしていた」と述べた。

また、同氏は「お洒落の飽和」というキーワードを掲げながら、「不完全でもいいからカジュアルなコンテンツである」という要素が求められる背景について、以下のように説明する。

「『○○映え』という言葉に象徴されるように、いまもなおソーシャルメディアでは、見栄えのいい華やかなコンテンツの存在感が強い。しかし、誰もがそうした華やかなコンテンツを投稿できるようになったいま、『お洒落の飽和』が起きており、カジュアルで飾らないコンテンツが注目を集めはじめている」。

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「『お洒落の飽和』が起き、『飾らないコンテンツ』が注目を集めはじめている」と原田氏

「興味を持つ」ことの突破力

だが果たして、ユーザーが求める「予期せぬ新たな出会い」を通じて興味を喚起する手法は、実利に結びつくのか。

この点について廣谷氏は、TikTokユーザー白書のデータをもとに「興味を持つことと購買には強い相関関係がある」と話す。同白書では、なんとなく動画を見ている場合のほうが、目的があって動画を見ている場合よりも、商品やサービスに興味を持ちやすく、購入意欲も若干だが高くなると示されている。

マーケティングファネルにあてはめてみると、「興味」と「購買」の相関関係が、より明確になるという。ファネル上部から「認知」「興味を持つ」「検索する」「購買」の4段階に分けたとき、隣り合った「検索する」と「購買」の相関係数は0.51(相関係数は0.4~0.7が「やや強い相関関係あり」と認められので、両者には相関関係がある)。一方で、「興味を持つ」と「購買」の相関係数は0.8。従来のマーケティングで重視されてきた「検索する(比較)」の段階よりも、「興味を持つ」段階の方が「購買」と強い相関関係があるというのだ。

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一連のデータを紹介し、廣谷氏はこう強調する。「『興味』には、競争が激化し、さらに煩雑化している『比較』ファネルを飛ばして、購入意欲の向上、そして購買にまでつなげる力がある。『興味』にはそのような突破力があるのだ」。

TikTokは「興味からズドン」

なお、TikTokユーザー白書によれば、ほかの主要プラットフォームよりもTikTokは、そうした「興味突破」型の計画外・衝動的な購入の割合が高いのだという。過去には、『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』という小説を、あるユーザーが同サービス上でおすすめしたところ、その投稿がバズを引き起こし、結果的に累計販売数が10万部を突破したという事例も見られている。TikTokでの盛り上がりが、購買の起点になった可能性は多分にあるだろう。

TikTokユーザー白書第3弾_興味突破_Final_44_new

ではなぜ、TikTokはユーザーに対して、こうした体験を提供できるのか。その理由のひとつは同サービスのUI/UXにある。同サービスは、キーワードを検索して動画を楽しむのではなく、次々に新たに投稿された動画が表示される、「レコメンド」タブをメインに楽しむよう設計されている。そして、現に多くのユーザーがそうした形でTikTokを楽しんでいるという。まさに、無目的に散歩をするかのようにだ。

「未知への興味、未知との出会いをユーザーが求め、それが購買とリンクする。そうした体験をTikTokは提供することができる」と、廣谷氏は締めくくる。「2021年は、そうした『興味でドライブ』するマーケティングコミュニケーションのあり方を、洗練させていきたい」。

Sponsored by TikTok For Business

Written by DIGIDAY Brand STUDIO(滝口雅志)
Image by Shutterstock