この記事は、DIGIDAY[日本版]のバーティカルサイト、ビューティ、ファッション業界の未来を探るメディア「Glossy」の記事です。 2019年6月に上場したラグジュアリー再販会社のザ・リアルリアル(The RealR […]
この記事は、DIGIDAY[日本版]のバーティカルサイト、ビューティ、ファッション業界の未来を探るメディア「Glossy」の記事です。
2019年6月に上場したラグジュアリー再販会社のザ・リアルリアル(The RealReal)は黒字化に近づいている。
同社の社長兼COOのラティ・サヒ・レベスク氏は、Glossyポッドキャストの最新エピソードで「来年は通年ベースで黒字になるだろう」と語った。
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黒字化の目標を達成するために大変更が行われた。「昨年は実にリセットの年だった。製品構成、営業経費、不動産を検討して、さまざまな方法でビジネスを再構築した」。
これには、人員削減、一部の店舗の閉鎖、在庫の調達を個々の委託者に制限することなどがあり、ブランドから製品を購入することはなくなった。ザ・リアルリアルの2022年の総収益は、前年比29%増の6億300万ドル(約855億円)に達した。
現在、同社は、サヒ・レベスク氏によると、2024年の計画に関して「規律と実行」に注力しているという。またレベスク氏はセラー獲得のための戦略、12年前のセレブ主導のローンチ、今後10年以内に最大50店舗をオープンする計画についても語った。
以下に、読みやすさのために若干編集してポッドキャストのほかのハイライトを紹介する。
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会社を軌道に乗せる
「12年前に事業を始めたとき、再販には偏見があった。購入者らは、友人たちに(当社のことを)話したくないと思っていることがわかった。それには理由がいくつかあった。自分のサイズが売り切れてしまうのがいやだとか、在庫が限られているのではないかと心配していた。また、誰かのお古の靴やドレスを着ることへの偏見もあり、中古品だと見破られるかもしれないなどと思われたりした。そのようなことから、当社が店舗をオープンしたとき、偏見を取り除くことが非常に重要だった。なので、贅沢で特別な体験であるように感じてもらえるように、ほかの方法では得られないものを得られたと感じてもらえるようにしたかった。始めたときには、何もかもが数秒で売り切れた。サイトには数百点の商品があった。そのとき、(創業者兼CEOの)ジュリー・ウェインライト氏と顔を見合わせて、『これはうまくいきそうだ』と思ったが、『もっと製品が必要だ』とも思った。そこで、新しい製品を探した。ポーラ・アブドゥル氏は最初のセラーのひとりで、素晴らしかった。彼女が当社に委託したいと思ってくれたことに胸を躍らせた。そのように当社はスタートした。私は(商品を求めて)自分の友人やジュリーの友人の家に車で行ったりしていたが、その後にポーラ・アブドゥル氏と出会った。当社のその後の軌跡はご存知のとおりだ。保険もかけていないバーキンが郵送されてくるようになって、すごかった」。
パンデミックによる困難への対処
「数年前、当社が急速に成長していたときに新型コロナウイルス感染症が起きた。正直いって、苦労した。スケーリングの問題を抱えていたし、苦しかった。実際、収益性の高い成長をしていることを確認するために、成長を減速させた。たとえば、どのような種類の製品でも取り扱うのではなく、適切な製品を扱うようにしている。当社の核心に立ち返ることを常に意識している、なぜなら、それが起業したきっかけだから。つまり、特定のブランドを特定の価格帯で販売するということだ。そして、我々はセラーエクスペリエンスに多大な投資をしてきた。「コンシェルジュポッド」への投資がその例だ。現在、セラー全員には、委託品に何らかの問題が発生した場合に電話できる専任の担当者がいる。たとえば、価格設定について知りたいとか、製品の帰属について知りたい場合などだ。セラー体験を向上することは、当社にとって非常に重要だ。10月に(コンシェルジュポッドを)ローンチしたとき、セラーのネットプロモータースコアは26ポイント上昇した。…セラーは当社の生命力だ」。
店舗の重要性
「昨年は19店舗だったが、13店舗に減らした。店舗は素晴らしいものだし、店については非常に楽観的だ。新規販売者の30%は店舗からのセラーだ。店舗は多くの供給をもたらすが、当社は供給に制約のあるビジネスなので、それはとても重要だ。しかし、どの市場に参入すべきかについてはさらに賢くなっている。データを使って、セラーがどこにいるのか、どの地区に当社は進出すべきなのかを理解している。今年と昨年の初めに数店舗を閉店したが、それは店舗が順調ではなかったからではない。そのような市場の一部は、パンデミック以降、うまくいっていなかった。サンフランシスコやシカゴのダウンタウンなどだ。正直言って、来店のトラフィックに対して賃貸料が高すぎた。そこで、(閉店などの)決断をしなければならなかった。収益性の高い成長に向けて確実に軌道に乗っているかどうかを再調整しているところだ。店舗群を毎年調査して、適切な場所で店舗をオープンしたり閉店したりして、最適化していることを確認している。だが、店舗に対してはしっかりした考えを持っている。500店舗を構えるようなブランドにはならない。おそらく50店舗が最大だろうし、それには今後5~10年かかるだろう。年に1〜2店舗をオープンすることについて検討している」。
[原文:The RealReal’s Rati Sahi Levesque: ‘Last year was a reset year’]
JILL MANOFF(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)