オネストカンパニー(The Honest Co.)CEO、ニック・ヴラホス氏は、クロロックス、バーツビーズでの経験から、健康志向のカテゴリーが日用消費財の未来を左右するものであると認知していた。ビューティポートフォリオの最近のアップデート、同社の株価下落問題、国際展開の戦略に関するポッドキャスト対談。
この記事は、DIGIDAY[日本版]のバーティカルサイト、ビューティ、ファッション業界の未来を探るメディア「Glossy+」の記事です。
ニック・ヴラホス氏はクロロックス(Clorox)でCOO、バーツビーズ(Burt’s Bees)でバイスプレジデントおよびゼネラルマネージャーを務めた経験から、健康志向のカテゴリーが日用消費財の未来を左右する重要な要素であることを理解していた。
オネストカンパニー(The Honest Co.)は、女優で起業家のジェシカ・アルバ氏が2012年に立ち上げた会社で、ヴラホス氏は2017年3月からCEOとして指揮を執っている。就任以来、ヴラホス氏が取り組んでいるのは、ブランドの収益の2%を研究開発に再投資することだ。2018年に彼は美容カテゴリーを全面的に見直し、製品数を減らして処方やパッケージをリニューアルし、名称をよりシンプルにして価格を下げている。また、D2Cのeコマース戦略からオムニチャネル戦略への移行も行った。現在、オネストカンパニーの製品は、オンラインのほか、ウォルグリーンズ(Walgreens)、Amazon、ノードストロム(Nordstrom)、英国のブーツ(Boots)など4万の小売店で販売されているが、ヴラホス氏は2022年のビジネスにおける重要な機会として、とくにドイツの小売業者ドグラス(Douglas)との提携による国際的な展開を挙げている。
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ヴラホス氏は、最新の米Glossyビューティポッドキャストで、「当社としては将来を見据えた際に、オムニチャネルのレンズを通してアクセシビリティ戦略を推進できるよう、国内外ともに適切な小売業者と提携し続けるつもりだ」と述べた。
オネストカンパニーは2021年5月に1株16ドル(約1800円)で株式上場(IPO)を行った。現在、株価は7ドル(約808円)を下回って取引されている。
以下はポッドキャストでの対談のハイライトである。オネストカンパニーのビューティポートフォリオの最近のアップデート、同社の株価下落に対する質問、国際的な展開に関する戦略について説明してもらった。
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ビューティポートフォリオを再考する
「私がオネストに入社してからここ数年間、クリーンで安全かつ効果的な(ビューティの)処方を提供するために、自社内の研究所の構築に大きな投資を行ってきた。ビューティビジネスと我々がどこに到達し、この先どこに向かっているのかに目を向けると、(2021年に)我々が導入したこのビューティのリステージは、継続的な改善に関するものである。我々はサステナビリティとパッケージを見直す機会を得た。このリステージでは過去1年で最終的に手をつけることになった、およそ100ほど(の在庫管理ユニット)が含まれている。新たな二次包装を導入したが、これはサトウキビの副産物をアップサイクルした100%木材不使用の包装となっている。副次的な要素としては、ビューティポートフォリオにさらなるアイテムや(製品)ラインを追加することが挙げられる。(たとえば)スキンポートフォリオの新しいサブラインとして、デイリーディフェンス(Daily Defense)コレクションを導入している」。
株価下落への対応
「16ドルのIPO価格を実施することができた理由は、これまでの事業内容や現在の状況、そして将来的な見通しによるものだ。株価は変動するものであり、市場を見ると、上位100社のうち2021年のIPOの50%以上が公開価格を下回る水準で取引されている。そしてそれはコロナウイルス感染症やサプライチェーン(の制約)などの課題を考えれば、市場の中で起こっていることが要因となっているのがわかる。ビジネス全体に影響を及ぼすような、自分ではコントロールできないことが起こってしまう時期というのが一時的にはあるものだ。事業のよき管理者として重要なのは、時の試練に耐えられる優れた事業を確実に構築することだ」。
国際的な展開に向けたドグラスとの提携
「海外は重要な機会だ。なぜなら私が指摘している消費者、つまり健康志向の製品を購入していて、よりクリーンな成分や持続可能性、社会的責任に関心を持っている消費者は、北米や米国内だけに存在しているのではないからだ。ビューティ事業の重要なパートナーとして、我々はヨーロッパにおいてドクラスと提携した。ドグラスは7つの主要な市場で当社のキーパートナーとなっている。
しかし今年はさらにヨーロッパでの美容やスキンケア製品の市場を追加し、アクセシビリティ戦略を推進していく予定でいる。また(2022年には)ドグラスと明確なコンテンツ戦略を構築し、パートナー関係を結んでいるさまざまな国でデジタルコミュニティとアドボカシーにつながる活動を展開していく。また物理的にもデジタル的にも、ドグラスとともにオムニチャネルコマースを推進することになるだろう」。
[原文:The Honest Co. CEO Nick Vlahos on building a business ‘that can stand the test of time’]
EMMA SANDLER(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)