全128店の北米店舗閉鎖を発表して以来、ゴディバは実店舗以外の販路を強化し、カフェからオンライン販売と卸売販売へ軸足を移している。 ゴディバ米州プレジデントのキャロリーヌ・ルロッシュ氏によれば、現在目指しているのは95年 […]
全128店の北米店舗閉鎖を発表して以来、ゴディバは実店舗以外の販路を強化し、カフェからオンライン販売と卸売販売へ軸足を移している。
ゴディバ米州プレジデントのキャロリーヌ・ルロッシュ氏によれば、現在目指しているのは95年の歴史を誇る同社の高級チョコレートをより気軽に買いやすくすることだという。大規模小売店、スーパー、ドラッグストアチェーンなど、消費者がふだん買い物をする場所に商品を置く戦略だ。この1年のあいだにも、ゴディバはターゲット(Target)、CVS、ウォルグリーンズ(Walgreens)などの小売業者と新たに卸売契約を結んだほか、バーンズ&ノーブル(Barnes & Noble)とメイシーズ(Macy’s)との既存の提携も強化している。
ルロック氏が、同社の小売に関する方向転換とオンライン販売への新たな意気込みについて、米DIGIDAYの姉妹サイトであるモダンリテール(Modern Retail)に語ってくれた。なお、読みやすさを考慮して、掲載内容には編集を加えている。
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ーー今年に入ってから、ゴディバは北米の全店舗とカフェを閉鎖し、CPG(消費財)事業に重点を移した。この戦略はどのような展開を見せているのか?
実店舗における各種アクティベーション施策を進めていたにもかかわらず、来店客数が減少していたため、当社は北米では店舗を閉鎖するという大胆な動きに出た。CPGに関しては、当社は実店舗に重点を置いている。このため、オンラインと小売の両形態のパートナー向けに商品開発をおこなわなければならなかった。
たとえばミニバーという新しい形態がそうだ。また、それぞれの販路について、どの商品とどのプライスポイントが最適であるかも判断する必要があった。判断はコンシューマーインサイトに基づいておこなわれたが、それによればもっともよい方向性は流通の拡大だった。
消費者はゴディバを認知してはいるが、特別な日のため、または贈答用のブランドだと思われている。目標は気軽に買いやすくすることで、日常的に買う商品となることだ。
ーー高級ブランドとして、これまではデパートやギフトショップでの販売に重点を置いていたが、新しい戦略ではどのように小売でのプレゼンスを拡大するのか?
当社はプレミアムブランドであり、当然ながら維持していきたいブランドイメージはある。それでも、品質に妥協せずに、特定のプライスポイントに合わせた品目を開発することはできる。当社のショコラティエ陣には、小売店用とオンライン販売用の両方でこれまで以上に幅の広い品目を追加するなどの変化への適応を依頼しなければならなかった。
直営店舗からほかの販路へのシフトはすでに効果を生んでいて、実店舗とCPGの両方で2桁成長が見られる。CPGは4月の時点で前年比35%の伸びだ。
ーーこの新しい方向性では、オンライン販売はどのような位置付けなのか?
当社は常にオンラインでのプレゼンスを大切にしてきたが、コロナ禍でその重要性が浮き彫りになった。Amazonは重要なパートナーであり、同様のメイシーズやコストコ(Costco)のウェブサイトでもドロップシッピングを導入している。自社サイトではチェックアウトなど、操作のしやすさに取り組んでいる。eメールマーケティングと検索も強化していて、検索に関しては一般的な語とブランド関連の両方の検索語について強化を図っている。
当社ウェブサイトとパートナーのサイトを併せたオンライン販売チャネルは、4月時点で前年比22%の伸びを見せている。
ーーこの1年でどのような課題や学びがあったのか?
大胆な動きであったし、新しい戦略を実施するために積極的に動くことを従業員に求めてきた。課題としては、材料調達や配送に関するものがあった。たとえば、オンライン販売のチョコレートの配送のために保冷剤などの梱包材に投資している。
すべてを実現するための代償は大きい。しかし、いちばんの学びは、当社の商品に対する需要がかなりあるということだ。ゴディバはラグジュアリーブランドを超えて進化する可能性があると思う。
[原文:‘The goal is to make it accessible’: Godiva’s president of the Americas on new wholesale direction]
Gabriela Barkho(翻訳:SI Japan、編集:分島 翔平)