プレステージヘアケアブランドのプラヤ(Playa)の創業者シェルビー・ワイルド氏が、新ブランドを立ち上げて帰ってきた。今回はシフトチェンジを行い、マスカテゴリーに注力する。
カリフォルニアナチュラルズ(California Naturals)というこのブランドは、7月7日にD2Cをローンチ、7月9日からターゲット(Target)での独占販売を開始する。最初の製品コレクションには、リンスインシャンプー、コンディショナー、デイリーシャンプーとコンディショナーのセット、リーブインコンディショナー、ヘアマスク、ボディウォッシュ、モイスチャライザーが含まれる。価格はすべて10ドル(約1400円)以下だ。これは、ヘアケアブランドのプラヤでシャンプーとコンディショナーをそれぞれ30ドル(約4240円)で販売していたワイルド氏にとって、新たな出発点となる。2017年に創業したプラヤはセフォラ(Sephora)で販売され、ゴールドに輝くロゴデザインの製品はカリフォルニアのライフスタイルをイメージしていた。2020年にフォーマブランズ(Forma Brands)に買収された後、ワイルド氏は2021年にブランドを去った。フォーマは後に破産を申請している。同ブランドの状況について、フォーマブランズからはコメントをもらえなかったが、プラヤは2022年以降ソーシャルメディアには投稿しておらず、D2Cサイトでは製品が売り切れと表示されている。
家族全員で使える経済的負担の少ない高品質の製品を
「マスマーケット向けに製品の質を落とさずに(よりよい原料を)配合することができるようになるなど、技術は進歩している」とワイルド氏は言う。「プレステージカテゴリーにおける(より広い)利幅を考えると、同じように高品質なものを大幅な低価格で生産するには、多くの操作性が求められるとわかっていた」。
ワイルド氏はプラヤ在籍中、シャンプーとコンディショナーのセットで60ドル(約8500円)もするブランドには「何かしっくりこない」ものがあると語っていた。さらに消費者からは、ブランディングや成分、香りを楽しんでいるにもかかわらず、60ドルのセット商品を補充するのは経済的に持続可能ではないという意見が多く寄せられていた。また、プラヤのローンチ以降に娘が生まれたワイルド氏は、個人の美容の習慣とは対照的に、家族のために製品を購入する経済的な負担についても深く考えるようになった。これは、男性がパートナーである女性の美容製品の価格を知らずに、あるいは理解せずに、そうしたアイテムを使用しているという、昔からあるネット上のジョークを連想させる。2021年、クラランス(Clarins)が1000人の英国男性に対して行った調査では、多くの男性がパートナーに知られずにスキンケア製品を「盗んでいる」ことを認めている。そこで、カリフォルニアナチュラルズでは、ターゲットでブランドを見つけている家族連れや美容愛好家に狙いを定めた。
この記事は、DIGIDAY[日本版]のバーティカルサイト、ビューティ、ファッション業界の未来を探るメディア「Glossy」の記事です。
プレステージヘアケアブランドのプラヤ(Playa)の創業者シェルビー・ワイルド氏が、新ブランドを立ち上げて帰ってきた。今回はシフトチェンジを行い、マスカテゴリーに注力する。
カリフォルニアナチュラルズ(California Naturals)というこのブランドは、7月7日にD2Cをローンチ、7月9日からターゲット(Target)での独占販売を開始する。最初の製品コレクションには、リンスインシャンプー、コンディショナー、デイリーシャンプーとコンディショナーのセット、リーブインコンディショナー、ヘアマスク、ボディウォッシュ、モイスチャライザーが含まれる。価格はすべて10ドル(約1400円)以下だ。これは、ヘアケアブランドのプラヤでシャンプーとコンディショナーをそれぞれ30ドル(約4240円)で販売していたワイルド氏にとって、新たな出発点となる。2017年に創業したプラヤはセフォラ(Sephora)で販売され、ゴールドに輝くロゴデザインの製品はカリフォルニアのライフスタイルをイメージしていた。2020年にフォーマブランズ(Forma Brands)に買収された後、ワイルド氏は2021年にブランドを去った。フォーマは後に破産を申請している。同ブランドの状況について、フォーマブランズからはコメントをもらえなかったが、プラヤは2022年以降ソーシャルメディアには投稿しておらず、D2Cサイトでは製品が売り切れと表示されている。
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家族全員で使える経済的負担の少ない高品質の製品を
「マスマーケット向けに製品の質を落とさずに(よりよい原料を)配合することができるようになるなど、技術は進歩している」とワイルド氏は言う。「プレステージカテゴリーにおける(より広い)利幅を考えると、同じように高品質なものを大幅な低価格で生産するには、多くの操作性が求められるとわかっていた」。
ワイルド氏はプラヤ在籍中、シャンプーとコンディショナーのセットで60ドル(約8500円)もするブランドには「何かしっくりこない」ものがあると語っていた。さらに消費者からは、ブランディングや成分、香りを楽しんでいるにもかかわらず、60ドルのセット商品を補充するのは経済的に持続可能ではないという意見が多く寄せられていた。また、プラヤのローンチ以降に娘が生まれたワイルド氏は、個人の美容の習慣とは対照的に、家族のために製品を購入する経済的な負担についても深く考えるようになった。これは、男性がパートナーである女性の美容製品の価格を知らずに、あるいは理解せずに、そうしたアイテムを使用しているという、昔からあるネット上のジョークを連想させる。2021年、クラランス(Clarins)が1000人の英国男性に対して行った調査では、多くの男性がパートナーに知られずにスキンケア製品を「盗んでいる」ことを認めている。そこで、カリフォルニアナチュラルズでは、ターゲットでブランドを見つけている家族連れや美容愛好家に狙いを定めた。
プラヤよりもさらに成熟したクリーンで普遍的なブランド
10年にわたるヘアケア・ブランドの経験を携えてカリフォルニアナチュラルズを立ち上げたワイルド氏は、消費者投資家のL・キャタルトン(L Catterton)、サンドブリッジ(Sandbridge)、ミッドナイト・ベンチャー・パートナーズ(Midnight Venture Partners)、エリザベス・ストリート・ベンチャーズ(Elizabeth Street Venture)のほか、エリック・ライアン氏やロス・マーティン氏といった著名投資家から400万ドル(約5.6億円)を調達した。カリフォルニアナチュラルズには5人の正社員がおり、全員がバイスプレジデントクラスで、製品開発、運営、卸売小売だけでなく、デジタル全般まですべてを管理している。トニー・ホーク氏はチーフカルチャーオフィサーとして、コンテンツの制作やスケートカルチャーとコミュニティへの関与を担当している。
ビタミン剤のオリー(Olly)といったブランドに関わっている連続起業家のライアン氏は、「シェルビー(ワイルド氏)は、今日の買い物客について非常に鋭く理解しており、明らかにマスマーケットのカテゴリーにおいて目を見張るようなホワイトスペースを見出している」と話す。「彼女には消費者としての独特な視点があり、起業家としての実績もある。買い物客は、カリフォルニアナチュラルズの力強いブランドの主張とコミュニティ意識、そしてもちろん、他の追随を許さない価格帯の優れた製品に共鳴するだろうと考えている」。
「ステューシー(Stüssy)とドクターブロナー(Dr. Bronner’s)の融合」とワイルド氏が宣伝するカリフォルニアナチュラルズのブランディングは、トパンガ・キャニオンのような飛び地のボヘミアン文化を思わせるリラックスしたデザインが特徴だ。発売キャンペーンの一環として同ブランドでは、フォード・ブロンコ(Ford Bronco)を含むカリフォルニアのロードトリップが当たるオンライン抽選会を開催している。また、1000人のマイクロインフルエンサーを活用し、製品のプレゼントも行った。カリフォルニアナチュラルズでは、外に出て健康的な生活を送る方法を紹介するストーリーを掲載したeコマースサイトのコンテンツへと人々を誘導している。コンテンツを魅力的なものにするため、ヨガセッションや瞑想セッション、サーフィンとスケートボードのチュートリアルを撮影し、サイト上で公開して無料でアクセスできるようにした。またコミュニティ構築にアウトドアボイシズ(Outdoor Voices)とアロ・ヨガ(Alo Yoga)を合わせたようなアプローチを採用、カリフォルニア地域でサーフィンのレッスンや毎月のヨガ・セッション、グループ・ハイキングやランニング・クラブを開催する予定だ。
「プラヤで作ったものを誇りに思っているし、あのビジネスはセフォラやクリーンなヘアケアに影響を与えたと感じている」とワイルド氏は言う。「だが、私はカリフォルニアナチュラルズをプラヤの成熟したブランドだと考えている。フォーミュラもパッケージも香りもずっとよくなっている。よりクリーンで、より普遍的だ」。
[原文:The founder of Playa is back with a new hair-care brand, focusing on mass retail]
EMMA SANDLER(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)